毎年根室九条の会は、憲法記念の日に何らかの催しを行っています。今年は”宮澤・レーン事件”にまつる事実を検証されている宮田汎氏の
講演会を開催した。
宮田氏は、治安維持法によって不法な扱いを受けた犠牲者たちの賠償に、長年関わってこられた方です。治安維持法の成立過程や、実際のどのように現場で行われてきたかを、様々な例を挙げて説明された。
特に根室で教鞭をとられた方で、社会主義者として逮捕されそのまま亡くなられた、横山眞氏の取材などをされた報告は、精密な内容で治安維持法の危険性を改めて感じた。
横山眞氏は、子供たちに自由な作文を書かせ、それに添削を丁寧に付け加えていた。今では何の問題もないが、この行為が社会主義的てあるとされたのである。綴り方教室連盟事件と呼ばれた。
当時は、子供たちには軍国少年としての意識を持たせることや、忠臣愛国一辺倒であった。これに反したのである。
もう一つは、生活図画事件と言われるものである。
右の絵は、帯広の小学生が描いたもので「雪上作業」と題がつけられていた。
この絵の少年は、自己主張的で共同作業を思い起こさせ、社会主義思想を意味するもので、階級思想を喚起させるという理由である。
これらは、治安維持法の社会主義思想を狙い撃ちにした判断である。その法文の根拠は、様々な事例を列挙しながら末尾につけられた「其の他」というものである。
安倍政権が強引に通した、特定秘密保護法には30数か所「その他」という文字がある。
治安維持法も当初は、軍人の規律程度のものであった。ところが次第に法文の訂正を重ねて行くうちに、明確な思想弾圧となって行くのである。安倍政権はいつか来た道を歩んでいる。