私が獣医師と自己紹介すると、町の人の多くは犬や猫の相談を持ちかけてこられる。産業動物、それも乳牛が専門ですから、細かなことは解りませんと答えることにしている。
一般家庭で飼われている、愛玩動物の犬や猫のように慈しまれなくても、同じ家畜として(犬猫も家畜である)産業動物(牛や豚や鶏)は、経済論理優先の飼養で苦痛と、軽んじられる生命をもてあそばれる現実にあります。
こうしたことに警鐘を鳴らし、家畜が声明を持つ個体として扱われるようにとする考え方が、「家畜福祉(アニマル・ウエルフェア)」と呼ばれるものです。
食の安全にもつながる、いわば畜産の有機農業形態ともいえるものだと思います。
欧州で始まったこの運動は、健康な家畜が生産した、肉・乳・卵を食べたいと思う、消費者の共感を得て広がりを見せています。EUでは、採卵鶏をケージで飼うことを禁止しました。羽を伸ばせて水浴びをさせるようにさせたのです。
日本の卵は、A4サイズ程度のケージで身動きもできない、中空に飼われて餌を与えられ続けて、産卵する形態です。
今回、畜産王国北海道こそ、アニマルウエルフェアーを先進的に実施するべきだと、研究会が発足しました。
「北海道・農業と動物福祉の研究会」設立記念公演が行われます。5月10日(土)道民活動センター「かでる2・7」7階、710会議室で、午後1時から行われます。
畜産関係者、興味のある方、周辺の方、都合のつく方は是非参加ください。左の案内チラシはクリックすると大きくなります。