かつての2大社会主義国の中国とロシアが、急接近するお芝居を演じている。(もっとも中国は今でも社会主義体制と言っているが・・)内容はともあれ、習近平とプーチンの二人は、最も安定した政権運営をやっている。とりあえず、オバマのような内政で、国民にへつらう必要がないのである。
中国は突如の海洋進出で、日本やフィリッピンそれに友好国であったはずの、ベトナムとも不穏な関係になっている。アメリカには、一方的
に中国が悪いとまで指摘されている。
ロシアはウクライナ進出で、クリミアの併合までやってのけて、EUとアメリカから経済制裁を受けている。この制裁はあまり意味がなく、天に唾するようなものである。
全く異なることであるが、周辺国を介しながらもアメリカから強い指摘を受けている点だけ共通している。内容的には相当異なっているし、ことと次第によっては、中国はロシアを、ロシアは中国を非難してもおかしくはない内容である。お互いの傷を舐めあっているだけである。
アメリカへの反発以外の共通点はないが、急接近を演じている。両国は、ドイツを破ったり日本を降伏に追いやった、戦勝記念を来年合同でやろうとまでしている。毛沢東もスターリンも、日本やドイツに勝ったのではない。日本は連合国と蒋介石に、ドイツは連合国に負けたのである。
歴史認識を、習近平が声高に主張するのであれば、天安門事件を正面から見つめるべきである。
ロシアは、多くの国民や収容者や犯罪者への弾圧など、ソビエトの崩壊を検証すべきである。ソビエトの行ってきたことを、連邦の崩壊と共になかったことにするのは、歴史を正面から見ていないからである。プーチンは、ソビエトの都合の良い所だけ継承している。
特に中国は軍事力を高めることによって、その威力、威光を誇示する。都合の良い歴史観を持ち出して、戦闘性を高める。軍事力の持つ普遍的な作用である。
平和のために世界に進出できる軍隊を持つと、日本の安倍首相がもっともらしく主張し、これが積極的平和主義という。まるで中国の進出を待つかのように都合よく、集団的自衛権容認に向けて走り出す。この男も歴史認識を都合に合わせて、こうしたことに利用しようとしているのである。