そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

それでも自民党に投票する農民たちに

2016-07-04 | 安倍晋三
4月に行われた北海道五区の衆議院補欠選挙で驚いたことがある。ここは町村一族の城下町である。更に自衛隊を抱える地域でもある。当初は町村の娘婿の無風選挙と言われたところであるが、全く互角に野党共闘が戦って僅差で敗北した。この互角にまで持ち込んだ選挙は、大票田の千歳、恵庭の自衛隊票が頑張ったのであるが、そうした中で驚いたことがある。
新篠津村という純農村地の票の出方である。前の総選挙で安倍政権は、TPPには参入しないと公約して票を集めたが、平然と公約を反故にして参入したのである。農民は怒り心頭に達しているはずであるが、町村の娘婿はここで1300票も集め、野党共闘候補の600票をダブルスコアーを上回る支援を得たのである。
政府が言っているのだから仕方ないというのである。そして補助金という名の対策費を引き出してくれる戦略に切り替えたのである。農村にはこうした類のお金が無数に間断なく降ってくる。このようなお金の支援は、ひいては農民を物貰いの、さもしい根性に低下させるだけではなく、農業そのものの体質を脆弱にさせる。自分たちの産業(農業)の在り方や意義など考えることなく、お金を欲しがり補助金まみれになるからである。
今回の新篠津村の実態は直接は知らないが、農村に長く住んでいるものからすると手に取るように解る。昨年暮れに農業業新聞のアンケートがそのことを如実に語っている。安倍政権発足当時には67%あった支持が、35%まで低下している。逆に33%あった不支持率が60%を超えてしまっている。(下のグラフ参照ください)
信条としては公約を破り、TPP参加し農協改革を手掛ける自民党を支持はしていない。この変化は圧倒的であり、農民は自民党を支持しなくなった・・・かというと、全くそのような動きはない。現実に会議の場や農民たちが集まるとまるでヘイトスピーチのように、自民党の政策をこき下ろしていながらも、結局農民は自民党に投票するのである。
これはいったい何だろうと、彼らを見ていると思うのである。野党のふがいなさが背景にある。都会の人たちと異なり、地域の繋がりや農協を中心とした組織力から離れることが怖いのであろう。農村に浮動票は少ない。ほとんどないといってよい。騙されながらも、自民党は保守への根拠のない信仰から投票するのである。
私は、この耳で北海道の自民党トップの候補者が何度も、TPPに参入はしませんと言い続けるのを聞いていた。本当かと思ったが、案の定当選後は公約は反故にした。多くの自民党を支持する農村の方々、農民に今回は自民党に投票しないように呼び掛けたい。あなた方はどれほど騙されたら気が済むんだと。本当の意味での農業対策を求めるべきではないのか。
コメント (3)
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