そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

まるでヘイトスピーチのような言い分

2016-07-31 | 格差社会
45人もの殺傷事件(うち19人死亡)が神奈川県の障がい者施設で起きた。戦後最も多い凄惨な殺害事件と言える。大麻をやっていたとかいろいろ報道はあるが、大森衆議院議長に殺害予告を送りつけている。障がい者は社会悪で家族への負担が大きく抹殺すべきというのである。人々の感情のわずかなスキに、大きなくさびを入れて広げるのである。
自己主張に陶酔し他者を全否定する。在特会が街頭などで行うヘイトスピーチも同類のものである。韓国や中国を悪の根源とするような単色の思想は、イランとイラクそれに北朝鮮が悪の枢軸と決めつけイランに攻め入り、世界をテロが常態にしたブッシュも同じである。単純である分解り易い。カルト集団も同様の手口で人を集める。
今回の犯人の26歳の男も、障がい者は人ではない。社会から抹殺することで、国の負担を軽くする。260人殺害すると述べている。国は私を拘束しても二年ほどで社会に戻し、新たな住所と氏名も用意するようにと、まるで国が英雄として扱うようにと促している。ケント・ギルバートやつるの剛士や百田尚樹や中山成彬などの、日本会議のメンバーなどの極右翼に傾注している。彼らは排他性という思想が痛快なのであろう。
かつて障がい者施設お訪れた石原慎太郎東京都知事が、「この人たちにも人権があるのだろうか?」と発言している。ヒトラーがユダ人の虐殺の前に、障がい者を大量に殺している。今回の犯人の男も、ヒトラーが下りてきたと述べている。
今回の犯人の男は周到な準備と期間を設けたことや、職員を縛り付け危害を加えなかったことから判るように、障がい者は社会悪という確信犯である。この犯人の主張とは別に、この手の凶行は世界各地で行われている。特に日本の場合は例外なく独身男性で、ほとんどが無職かせいぜい派遣社員などの臨時雇用者である。社会に不満を抱き、怒りや鬱積した感情の持って行き場のない結果の行動と言える。そして、凶行の相手は女性か子供などの弱者である。今回は障がい者である。
今回の犯人は、差別的思想が背景にあり、襲った施設の元職員であることを思えば、障がい者の扱いに不満を感じたり職員としての待遇への不満が背景にあるのではないかと思われる。大学で元々福祉を学んでいたのである。
弱者を襲うこれらの無職の独身男性は、自身が社会的弱者なのである。新自由主義が産み落とした社会的弱者である。彼らはより弱者を見下すことで存在意義を見つけようとするのであろう。
社会的機能優先社会が生み出した、この犯人のような弱者はヘイトスピーチを言い続ける集団と同じである。人を効率で評価する政治的背景社会的基準が生み出した事件と言える。
コメント (2)
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