そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

高江のヘリパッドは遺棄される沖縄の象徴である

2016-07-23 | 沖縄問題
参議院選挙が終わった翌日に安倍政権は、高江ヘリパッド建設の強行に出た。報道が抑えられるとの判断であろう。これにNHKはしっかり呼応した。それまでもほとんど報道はなかった。一昨日の実力行使が始まった日には、トップにポケモンゴーとかいう田舎では全く使うことのできない、僻地を馬鹿にしたゲームが日本でも販売されたことを、延々とやっていた。公共報道の機関として、NHKは徐々にではあるが、会長の意向通りに政府の下請け機関化しているように思えてならない。
菅官房長官は、協議と建設は並行してやっていくと述べた。つまり沖縄で示された、何度も何度も繰り返し示された民意は聞きませんと言っているのである。同時に、辺野古新基地建設の行政差し止めした沖縄県を訴えたのである。
これに対して、翁長雄志知事は22日高江ヘリパッド建設工事を再開したことについて、「県民に大きな衝撃と不安を与えるものであり、誠に残念だ」と述べた。その上で「県民は長年にわたり過重な基地負担に耐えながら日米安保体制に尽くしてきているにもかかわらず、強行に工事に着手する政府の姿勢は到底容認できるものではない」と強く批判した。

私たちは、ドキュメント映画「標的の村」を当地で上演した。僻地での上演は厳しいものがあるが、支援の意味もあった。北部米軍訓練場の多くが返還されることになった、そのことを評価せよというのである。この訓練場は整備されたものではなく、やんばる森そのものでありジャングル行進の訓練に使われていたものである。ベトナム戦争の時には、高江の人たちはベトコンに扮してゲリラの標的に駆り出されていた。
そして返還する代わりに、今度は整備された巨大なオスプレイの基地を建築するというのである。これは沖縄に日本中の基地を集約した構図と同じである。
しかし、欠陥輸送機のオスプレイは巨大で高江の住民は、信じられない大きな騒音と風圧に悩まされることになる。そもそもやんばるの森を切り崩すことの環境調査をやったかどうかも聞いたことがない。少人数の地域が標的にされるのである。
政府は全国から呼びつけた大量の機動隊員を投入して、県道を塞ぐ高江の人たちを排除にかかった。この光景は、日本が沖縄を遺棄する象徴的な出来事に見えてならない。
コメント (2)
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