そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

トランプはどこまでアメリカを壊すことができるか

2017-01-02 | アメリカ
アメリカ大統領となって、トランプはアメリカをどこまで壊すことができるだろうか?多くの識者たち見解は様々である。しかし選挙期間中のトランプの言動に対する、いわば煽られた恐怖は当選後にはかなりのものが消えてしまったようである。トランプの選挙期間中の発言は、例えば女性蔑視のキャンペーンなどは、とりわけ白人女性からの支持者が多かったから見ても解るように、トランプの発言は達観されていたとみるべきである。選挙期間中の発言は参考にならない。
トランプはすでに多くの閣僚を発表している。その人選からトランプの意図を垣間見ることができる。ほとんどが政治経験のない、企業のトップであり政治的な立ち位置は彼らの企業活動を通してしか推し量る事しかできない。トランプ自信についても同じことである。不動産業で財を成した、政治経験もなければ軍隊の経験すらない超富裕層の人物である。
トランプが貧困層の立場や意識を理解できるとは思えないが、彼が大統領選に勝利したのは、チェンジができなかったオバマのような有言不実行者を大統領に選んだ反動と見ることができる。オバマもブッシュの起こした戦争の後始末の翻弄された感はぬぐえないが、従来路線を走ったに過ぎない。トランプにはこうしたことによるアメリカの閉塞感が後押ししたのであろう。
トランプは企業家として、政策の効率を優先することになるであろう。日本にはアメリカ軍の負担をしてもらうなどという発言などは、実態を知らない経験不足からのものであろうが、実際に動き出す可能性がある。その時、安倍晋三にとっては自衛隊を軍に格上げする要請があったなどとして、憲法改悪に踏み切る可能性がある。アメリカは沖縄の基地を手放すことができないと、トランプはそのうち気づくであろうが、日本の対応が問われることになる。
TPPが反故になった場合、アメリカファーストを掲げるトランプのアメリカとの二国間交渉になるであろうが、かえって交渉は厄介になる。しかし、TPPのように交渉経過を公開できないというようなことはなくなり、透明化は進むと思われる。。
しかし、これまでアメリが指導者が誰になろうとも、高く掲げていたグローバリズムは実質的に降ろさざるはえないであろう。強者であることがグローバリズムのメリットであるが、アメリカはその甘みを次第に失いつつあるからである。かといってもモンロー主義という孤立化への道を、いまさらアメリカは歩むことはでいない。
何より、これまで世界各地で繰り返されたアメリカの得意技である、CIAを使った途上国などの政権転覆はウクライナが最後になるだろう。トランプは非効率的なアメリカのメンツのために行う、軍事的作戦はこれまでのようには行わないと見るべきである。中国やロシアのように金で黙らせることができない国家が出てきたからである。日本以外でアメリカに従属する国など望めない。
とりあえずの減税は行うであろうが、掲げた新自由主義的政策はなじめずトランプは結局は降ろすことになる。利害関係がない分国内的には全く新たな風が吹くことが予測される。どのように変わるかは、経験則のないブレインたちの対応一つである。アメリカの瓦解が始まる可能性はあるが、その逆もある。
コメント (1)
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