そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

超大国の最高権力者に相応しいと思えない人物の登場に失望する

2017-01-12 | トランプ
アメリカのトランプ次期大統領は大統領選挙後、初めてとなる記者会見を外では反対のデモが行われトランプタワーで開いた。「中国は日本やメキシコなどとの貿易でアメリカは多額の損失を被っている」などと述べ、貿易の不均衡を是正してアメリカの利益を最優先に確保していく姿勢を強調した。
メキシコとの間には塀ではなく壁を作る。その費用はどんな形になるかわ別として、メキシコが支払うことになると、選挙期間中の発言を繰り返した。
その一方で、CNN記者からの質問に対して、お前は最低だ嘘の記事を書くと壇上から決めつけ、質問を受け付けなかった。ロシアとの選挙期間中の関係についての質問は拒否した。歴代大統領が提出している、納税証明書の公開も拒否した。
自らが行っている事業を二人の息子に委譲するというのも、”利益相反”の立場を証明することにはなっていない。大量の以上に関する資料の山を見せ、わざわざ弁護士にこれで利益相反にならないと言わせたのも、不安を抱えているからである。肉親しかも直属の子供に委譲するようでは、利益存在に代わることはない。息子への委譲は法に抵触するものと思われる。8年後に実績が落ちていれば、息子たちを首にするとも言った。

国家あるいは地域や民族は均等に発達しない。社会制度や法制度や税制それに軍事力や科学技術など、それぞれの国家が前世紀、前々世紀と、国家の形を先に作った国が先進国と言われ、後進国を侵略し富を貯えてきたのである。
人件費が安い後進国あるいは途上国が先進国の高い人件費を逃れて工場などを移転してきたのは、先進国の別な形の収奪と言える。それを、貿易の不均衡と呼ぶトランプに経済の知識も歴史への認識もないのである。途上国に製造現場を移したのは、製品を安価にする先進国の謀略ともいえる。先進国は自らの国に、安価な製品を提供するために、工場を移転させたのである。それを留まらせれば雇用が増えると、トランプは豪語する。私はそれでいいと思うが、製品価格が上がることはどう評価するのかが全くない。
工場などの移転を受けた国家は、上手くいけばやがて賃金を上げることになる。賃金格差がなくなれば、それこそ本来のグローバル化である。そして工場の移転のメリットがなくなり移転しなくなる。そうした流れ、時間の中でトランプが見ているわけではない。
関税を復活したりNAFTAを廃棄するためには、議会の承認が必要であるが、この男にはそんな知識もないようである。CEOであれば独断で決められようが、そうした感覚すらない。イスラム教徒の排除や差別発言は、ヘイトスピーチなどに市民権を与えることになる。社会不安は不景気より悪い。

今日のトランプの粗野で無教養な言動の記者会見を見ていると、この男が世界の超大国の最高権力者、核のボタンを持つ人物に相応しくないことがはっきりした。トランプがどんな形で失脚するかみものである。
コメント (9)
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