そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ペットの店頭の展示、販売を止めよ

2017-01-17 | アニマルウエルフェアー
日本はペット殺処分大国である。猫が30万匹、犬が10匹毎年殺処分されている。上の写真は処分(死)を前にしたの悲しそうな表情の犬達である。全頭瞳孔が開いて恐怖を感じている。
このペット殺処分頭数は、先進国では圧倒的に多い。因みにドイツオランダではゼロである。この20年ほど、犬は猫と同様に室内で飼われることが多くなり、血統書を持った犬だけになったといって良い。しかも、複数頭数飼うことが多くなった。猫も同傾向である。
かつては、私のように産業動物に行く獣医師と、愛玩動物(犬猫・ペット)に関わる様になる獣医師はほぼ同数であったが、現在は急激な犬猫の増加に伴い、圧倒的に愛玩動物の獣医師が多くなってきている。畜産農家の減少も裏にある。
ドラマや漫画などで特定の犬種などが評判になれば、繁殖が急速に行われる。結果として近親交配がなされる。ウエリッシュコーギーがいい例であるが、腰椎の欠陥を持った系統が生まれて、年を経るにしたがって後躯が動かなくなったりする。多くの犬種でも、こうした傾向が近年多くなってきている。しかしながらむしろこうした、障害犬たちの方が治療を受けながらも可愛がられ最後まで看取られている。
犬猫を放棄する理由は圧倒的に、飼う側の人間の都合である。大きくなったり置き場がなくなったことが多い。その根底には、ペット売り場でかわいい顔してないてすり寄る、乳児期の犬猫の姿にほだされた、いわば衝動買いが多いことにある。
EUでは、哺乳期の犬猫の店頭展示は禁止されている。ペットショップに行けば、犬猫の用具しか売られていない。日本では、小さな犬や猫たちが、檻の中でストレスを感じて懸命になく姿がとても可愛いと、ペットの知識がない人たちが誤解して買うのである。この頃ようやく夜間の照明が禁止されるようになった程度である。ペットは生命のない商品として扱われいる。
店頭展示された幼い子たちは、少し年が経れば買い手がいなくなる。3ヶ月を過ぎた犬猫など、誰も手を出さないのである。買い手がつかなくなった高齢化した(たった半年生きた)ことで、殺処分の対象になる。いわば不良商品になるわけである。
最近は殺処分ゼロを目指す県が出てきてはいるが、行政や飼養者・畜主の自覚や倫理観それにボランティアに頼っているだけでは、犬猫殺処分ゼロは程遠い。店頭で檻に閉じ込められた、哺乳期の子供たちをなくすことで、畜主をある程度選別することができ、多少は解決できる。店頭販売をカタログ販売に代え、店頭からペットの姿をなくすべきである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港