そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アメリカはトランプを受け入れないだろう

2017-01-10 | トランプ
アメリカのデトロイトで開催されているモーターショウ、今年は異様である。製品の発表よりも、アメリカにどれほど我が社が貢献しているかを競う場になっている。メキシコの工場を建設するトヨタが作った車には、45%の関税をかけるというのである。トヨタは、人件費の安いメキシコで製造した車の95%を、NAFTAに沿って無関税でアメリカに輸出している。トランプがツイッターの短文で述べたことを実行するためには、国家間の協定も条約も破棄しなければならない。
トランプの、ツイッター暴走発言でトヨタの豊田章男社長に至っては、アメリカに1.1兆円投資すると言ったのである。トランプの発言は選挙中に言っていた、『アメリカを再度偉大な国家に』というスローガンを実践しようとするものである。これはこれまでアメリカが進めてきていた、グローバル化に逆行するものである。政策の一大転換であるが、とてもじゃないができるわけがない。これまでアメリカが国家の意志として、一貫して保護主義を強く非難してきたが、これからそうした国家の姿に向かっていけるはずがない。
トランプを最も支援していた、白人の中間層から貧困に至るまで、トランプが超富裕層の人間であることに気が付いていない。更には、これまで発表された政権の人事は殆どが、超富裕層のCEOばかりである。トランプの支持者は、半年もしないで離れることも十分考えられる。
メリル・ストリーブの権力者の驕りと品のなさを指摘されて、「彼女は国民の支持を得られなかったクリントンの支持者だった。」と述べたのである。しかし、実際にはトランプよりもクリントンの方が、200万票以上も得票が多いのである。トランプが威張るほどの支持を得られてはいない。

理想主義を掲げるオバマの後に出てきたトランプは、1920年代を彷彿させる。国際連盟を作りパリ不戦条約を支え、ノーベル平和賞を受賞したウイルソン大統領の後に、世界不況を背景に出現したモンロー主義を掲げる大統領の登場に酷似しているのである。モンロー主義は孤立主義とも呼ばれるが保護経済主義者で、アメリカ第一主義者である。内向きの保護主義は、国際協調も自由貿易もない。
ヨーロッパでもイギリスもEU離脱し、フランスでは極右翼政党「国民戦線」が、ドイツでも「ドイツのための選択肢」という右翼政党が台頭してきている。テロの恐怖と移民排除をテコにした、右翼政党の排他主義保護主義が市民権を得て、国政選挙に多きな存在になりつつある。世界がトランプの登場で右傾化している。
因みに日本はすでに極右翼政権になって3年も経つ。
経済しか知らない人物が、主要ポストに超富裕層のアメリカ経済の成功者ばかりを揃え、国際協調路線を放棄する。そんなアメリカは誰も想像できない。トランプは言行不一致の大統領として非難されるだろう。
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メリル・ストリーブがトランプ非難

2017-01-10 | トランプ
何ともまともな発言か。もっとも多くのアカデミー賞を受賞している、女優のメリル・ストリーブさんが第74回ゴールデン・グローブ賞の表彰式で、エンターテインメントの分野で多大な業績を上げた人に贈られる『セシル・B・デミル賞』を受賞し、その挨拶の中で痛烈にトランプを非難したのである。
先ず、「ハリウッドには”よそ者”と外国人が大勢います。この人たちを追い出したら見る映画がなくなってしまいます。アメフトとマーシャル(格闘技)くらいしか残らない。アートではないけどね。」と、ジョークを交えて映画を擁護した。
更に続けて、「この国の最も尊敬される座に就こうとしている人物が、障害のある記者の物まねをし非難した。心が張り裂けそうになった。」と述べ更に、「権力をもった人が、公の場で人を侮辱すれば、すべての人に影響を与えます。なぜなら侮辱にお墨付きを与えるからである。軽蔑は軽蔑を生み、暴力は暴力を駆り立てる。権力者が暴力を生めば私たちの恥なのです。抗議の怒りがある時、信念を持ち、声を上げる報道機関が必要である。前に進むためには報道が必要だし、真実を守るために我々が必要である。」と格調高く述べた。会場はメリルの言葉を水を打ったような静けさの中で聞き入り、彼女の挨拶が終わると満場の喝さいを受けた。
トランプはさっそくツイッターで、何も知りもしない女優が私を攻撃したと反論している。権力者は、事実関係が明白であることにい反論してはならない。トランプにはそうした寛容も度量もないのである。トランプは下品で短い言葉を繰り返す、ツイッターがお気に入りのようである。この男に超大国アメリカの舵が取れるのであろうか。
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