財務省の矢野康治次官が11月号の「文藝春秋」に寄稿している。衆院選や自民党総裁選を巡る経済対策などの論争について「バラマキ合戦のような政策論だ」と批判し、将来的な財政破綻への懸念を示している。
寄稿内容は、総裁選などで数十兆円規模の経済対策や基礎的財政収支の黒字化目標の先送りなどが議論されたことに触れ、「国庫には無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてくる」と指摘し、「昨春の10万円の定額給付金のような形でお金をばらまいても、日本経済全体としては死蔵されるだけ」と批判し、赤字国債ではなく税収増を含めた税金で賄うべきと忠告したが、菅首相は一蹴されとのことである。
彼は国家公務員は『心あるモノ言う犬』であらねばと述べている。「昨年、脱炭素技術の研究・開発基金を1兆円から2兆円にせよという菅前首相に対して、私が『2兆円にするにしても、赤字国債によってではなく、地球温暖化対策税を充てるべき』と食い下がりましたが、厳しくお叱りを受け一蹴されたと新聞に書かれた」と述べている。
「『不偏不党』――これは、全ての国家公務員が就職する際に、宣誓書に書かせられる言葉です。財務省も霞が関全体も、そうした有意な忠犬の集まりでなければなりません」と述べている。これなら森友問題に始まる、犯罪の臭いを滲ませたような官僚を巻き込んだ行為は起きなかったはずである。
特に公文書の改ざんや隠ぺいなどは、犯罪行為であるが従順に従わせてきた安倍晋三の悪行は厳しく非難されるべきである。
このような高官が出てきたことは、ようやく出てきたかという気もあるがこれは、安倍政治の終焉が始まったのかもしれない。
新任の鈴木財務大臣は、「個人の思いだ。問題ない。」とぼけたようなことしか言っていない。