タイの騒動は誰の差し金かは解らないが、国会の有り様は問われるべきなのではないか。黄色いシャツの人たちが、空港を占拠して選挙で選出された内閣を辞職に追い込んだのは昨年11月のことだった。
追い込まれたのは、亡命してイギリスでサッカーチームを買い取ったりしていた、タクシン氏を支持する人たちだ。黄色いシャツは、反タクシン派の人たちである。整然と空港を占拠した感があるが、それで辞職するのなら選挙の意味はなんだったのだろう。
今回は、赤いシャツを着た人たちで、タクシン派の人たちだ。ASEAN会場を占拠して中止に追い込んだ。政府の面目丸つぶれである。発想は、黄色いシャツの人たちと同じである。政府 周辺を囲んで、軍隊が出動して2名が死亡したところで、指導者のかけ声で一斉に退去した。整然としたものである。
それぞれの支持者が街頭行動をすることで、政府が一々変わるようでは民主主義国家とはない。しかし、隣のビルマ(ミャンマーは現政府が名付けた自らの民族の名である)に比べるとまだましかもしれない。
タイには絶対的な国王がいるためかもしれないが、同じ仏教国とは思えない。ビルマの軍事国家は、民主国家と呼べるレベルではなく、国民的な支持が高いアウンサン・スーチー女史を軟禁したままである。憲法を変えてまで、彼女の政治生命を奪っている。
ビルマではデモ隊を軍隊が無差別の発砲している。素手の僧侶を大量に拘束したり、虐殺している。一連のタイの政治的街頭活動は何か釈然としないものがあるが、ビルマに比べるとまだ開かれていると見るべきかもしれない。
左のフォトアルバム<春先の牧草地に来た動物たち>をアップしました。