そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

酪農家の悲痛な叫び

2010-05-13 | 獣医師

しばらく留守のしていました。その間にも宮崎の口蹄疫は止まることを知らない。発生件数は相当な勢いで増えている。しかも、宮崎に限定されている。見方によると、口蹄疫は封じ込まれているのだろうか。今は結論は出せないが、緩慢な広がりを許してしまった結果にあると思われる。

20100513_1_kuruma_img_0184 対策本部では、とびとびの発生から風によるものではなく、人的な運搬よるものでないかと推察している。矢張り初期の対応が問題だったのであろう。これほどの広がりがあるのは、発見が遅れたのか、その後の移動規制が十分でなかったのではないだろうか。

宮崎の畜産農家のブログが、涙なくしてみることができない。陽性とされた牛舎では、全頭殺処分されるがそれまでは飼育しなければならない。殺すまで、毎日餌をやって搾乳していた、愛牛たちにどう接すればいいのかと、悲鳴が聞こえてくる。http://green.ap.teacup.com/mutuo/

無責任に近いコメントもあるが、概ね同情的で好意的である。彼を見ていると、行政にしろ国にしろ現場で起きている苦悩を理解できないまま、粛々と法にのっとって処分するだけである。最早、風評被害の段階ではなく、情報を可能な限り公開するべきである。取材制限を解除するべきではないだろうか。

その一方で、乳牛や肉牛の個体価格は順調に右肩上がりである。この増加した部分を、被害農家に還元できる方法はないのだろうか。


どうする口蹄疫

2010-05-09 | 獣医師

宮崎県での口蹄疫の発生が止まるところを知らない。本日(5月9日)現在、56戸の発生が確認されている。このところ、毎日数軒確認されている。かなりの勢いであPhoto る。しかも、ひと時豚に限定されて広がりを見せていたが、現在はの肉牛が主である。

殺処分対象の家畜は6万4354頭にもなった。この記事を書きながらも数戸増えた数を足している。新たな発生個所から、半径10キロ移動の禁止処置がなされているが、一向に減る気配がない。

21件目以降の殺処分対象家畜は、4万頭ほどになると思われるが未処分で、埋却場所も決 まっていない。

3万頭を超えた時点で、宮崎の状況を考えると壊滅的な状況と思われるが、ついに6万頭を超えてしまった。報道管制が強くされていて、現状がはっきり確認できないが、北海道での肉牛農家が発生した10年前の状況を実施者から聞いたが、悲惨な状況であった。この時は1戸で1000頭に満たない頭数であったがPhoto_2、殺処分も埋却も相当な労力がいったと聞いている。狭い宮崎県では、さらに悲惨な状況になっていると思われる。担当者の疲労困憊が目に浮かぶ。

自衛隊の要請も遅きに失した感がある。京都などでは、鳥インフルエンザの時には、畜産関係者のひ弱な労力は自衛隊員によって、大いに助けられた。先週まで、中南米を視察旅行し、危機感がないといわれていた赤松農水大臣もやっと、現地入りするようである。

報道は、人には感染しないとする宣伝が効いているのであろうが、これが災いしているのだと思われる。もう少し騒いでいいのではないか。北海道に飛び火したら、最悪の状況になるであろう。

初期対応が遅れたことが全ての原因であろうが、それは後でも構わないから、自主淘汰の推進を主体にして積極的な対応をしなければ、宮崎県に止まっている奇跡すら覆ることになるであろう。


不思議な韓国の哨戒艇の沈没

2010-05-07 | 朝鮮半島

韓国の哨戒艇、天安が原因不明の爆破で沈没した。3月26日のことである。かなり 時間が経ったが、何か煮え切らない報道が続いている。李明博韓国大統領は、北朝鮮の魚雷を強く示唆する発言をしている。自らが胡錦濤主席と会見した僅か3日後に金日成と会談したことが、気に入らないだけではないようである。

近代的な哨戒艇が、北朝鮮の魚雷を察知できなかったのも疑わしいが、魚雷の破片を回収して調査をしているようである。その結論もないままに、韓国とアメリカが同時に北朝鮮の仕業の疑いと発表している。

しかしこの報道が、44名もの死者を出しながらあまり大きく報道されないのは、同時と思われる時間にアメリカの潜水艦の沈没が確認されていることにある。アメリカは早々に核弾頭らしきものを引き揚げたと、一部で報道されている。それも確かではない。報道がかき消されたからである。

天安が沈没した日は、アメリカのイージス艦との共同訓練の最中であった。これは事実のようである。その中を、北朝鮮が忍び込むなり割入って、魚雷が撃てるだろうか?単純な疑問である。もう一つ重要なこととして、北は一月後の現在になるが、飛行機に乗れない将軍様が、陸路中国を訪問することが決まっていたいはずである。その直Photo前に厄介なことを起こすとは、いくら北朝鮮といえども考えられない。

魚雷の破片の調査結果も思わしくない?ようである。古い置き去りにされていた、機雷に触れたのではないかと、まことしやかにささやかれている。問題のすり替えをやろうとしているようである。

アメリカによる誤爆、誤攻撃による天安の沈没と主張するメディアの報道は、ネットでは削除されてしまっている。引き上げられた哨戒艇天安は、明らかに左舷から爆撃を受けていることが解る。決して内部からのものではないことは素人目にもはっきりとする。

北による攻撃を主張する右翼と、アメリカの誤爆によるものだとする左翼の意見が対立したままである。この事件の落とし所を、韓国は模索しているようである。


沖縄県民の怒り

2010-05-06 | 政治と金

琉球新聞の社説は極めて真っ当な内容である。http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161672-storytopic-11.html

鳩山首相は沖縄に行って以下のような発言をした。「良く勉強してみると、日本にはアメリカの軍隊が、抑止力として必要なことが解った」と述べた。評論するに値しない、情けない内容である。これまで良く考えてこなかったのが先ず問題であるが、抑止力と言う無意味と思われる発言を繰100504 り返した。

移転の対象になっている普天間基地は、嘉手納基地の4分の1しかない。この普天間を動かすことが、抑止力にどれほどの影響があるのだろうか? 首相からは何の説明もない。10数機の固定翼と30数台のヘリコプターがあるに過ぎない。普天間の持つ抑止力がどれほどのものであるのか、閣内なdp事前に検討した経緯を聞かされていない。

仮に米軍の必要性を認めたとしても、沖縄である必然性も説明不足である。太平洋戦争で、20万人もの死者を出した、国内唯一の地上戦を行った場所である。しかも、戦後20年以上にわたって、アメリカに支配され続けてきた地域である。沖縄県の18%もの面積を、米軍に提供している所でもある。

沖縄の痛みの軽減を何度も繰り返していた首相が、このことについては何の忖度もやっていない。友愛精神がないのでないか。

抑止力を、沖縄米軍駐留の理由にするには地政学的にも歴史的にも検討されるべきである。沖縄にこれほどの米軍基地が集中した理由は、地政学的なものではない。本土の反基地運動に仕方なく、アメリカが占有していた沖縄に安易に移転したに過ぎない。返還後もそれを引いているに過ぎない。

沖縄県民は「最低でも県外」と言ってくれた民主党に、小選挙区の席のすべてを与えた。政権交代に期待したのである。普天間基地を移転しないのなら、民主党の議席を返却するべきではないか。そうした覚悟も、政権の重みも鳩山坊ちゃまは感じてはいないようである。


さらに広がる口蹄疫

2010-05-05 | 獣医師

宮崎県の口蹄疫の広がりが、止まるところを知らない。すでに23例目となった。殺処分対象は3万頭を超えた。5月に入ってからは、圧倒的に豚の発生が確認されている。先日も指摘したように、この広がりはこれは明らかに初動対策の遅れである。

自民党が対策本部(本部長は総裁・宮腰光寛事務局長)を5月2日に立ち上げた。現場でも民主党の予算切りにあって、十分に対策がとれていないというのである。自民党のパフォーマンスとばかりではないように思える。赤松農水大臣が外遊中だとかいうのもいいがかりような気がするが、どうもし100429っかり動いていない気はしてならない。宮崎県と畜産関係者だけの対応では、もう限界に達している。

隣の県の鹿児島では、ほとんどのイベントを中止しているがそれもやり過ぎだとかで対応していないようである。これほどの広がりになると、畜産関係者だけの出来ごとに納めてはならない。あらゆる移動を禁止するべきと思われる。

自民党の対策本部の指摘する初動対応の遅れの内容は公表されてはいないが、先に指摘したように、このところの発生をみていると子豚などで発生していた初期の段階を、看過したことが強く示唆されるところである。

その後の対策も、殺処分と検査だけに終始しているようである。現状のスタッフが3万頭もの牛豚を処分するには、相当困難をきたすであろう。早期に自衛隊を依頼するべきだったが、いまだに取り組まれていないようである。

口蹄疫が、人には感染しないことを強調するあまり、ことの大きさを封印した感がある。口蹄疫に関しては自主対策事業があるが、それに載って発生以前に淘汰している農家も沢山いるはずである。自主淘汰を入れると、相当な数になるものと推測される。宮崎県の畜産は壊滅的打撃を被っているであろう。もうすでに、少数である畜産関係者に限定した事件と見なすべきではなく、報道ももう少し大きく取り上げるべきではないか。


バカ発言に終始する鳩山首相

2010-05-04 | 政治と金

沖縄入りした鳩山首相であるが、バカ発言を繰り返している。最も問題の発言は、移転ばかりにこだわり、内容には触れることがなかったことである。沖縄県民の負担を減らす方法は、移転100504だけではなく米軍の総量を減らすことが、最も重要なことだったのである。少なくとも、民主党に政権 交代を望んだ多くの人たちは、駐留米軍の減量であったはずである。今日の鳩山の発言は、米軍の総量は減らさないといったのである。

全部の移転は難しいと発言して、移転だけにこだわり基地工事の手法に問題を矮小化するとはもっての他である。このこと自体が公約違反である。言葉を言い換えてまで、公約とは言っていない発言している。

更に鳩山の資質が問われるのが、当初は米軍の抑止力はそれほど重要ではなかった。認識が甘かったという発言である。移転先も米軍の必要性についても、選挙前までは具体案がなかったと言っているのである。言いかえれば、政権交代出来るとは思っていなかったと発言しているのである。まったく無責任そのものである。

軍事オタクの右翼政治家である、石破茂が昼の番組で、民主党は沖縄の現実も自民党案も米軍の存在についても、具体的に検討してきた様子が見られないと発言していた。認識が甘かったと謝罪するところから始めるべきとする、石破の発言は残念ながら正鵠を得た発言と言わざるを得ない。

米軍の了解を得た上で、地元の了解を取り付けたかったようであるが、米国に地元の了解を 得た内容でないと、テーブルに上げないといわれすごすご帰ってきた。今や日本で受け入れに理解を示すところなど存在しない。公約と米軍と徳之島を含めた地元の、3次元方程式は優先順位すらつけることが出来ずに、オロオロするばかりの鳩山は迷路から抜け出ることができない。

彼の理念は、友愛であり人間の命を守る政治、とのことである。しかしこうした問題については、何の意味をも持たない。普天間基地の移転場所や工法を論じるのではなく、日米関係の必要性とアフガンに出撃する米軍が日本にとってどのような意味を持つのかを、現在の世界情勢の中から論じるべきだったのである。政権交代したからこそそれができるのである。しなければならなかったのである。それを放棄した鳩山には撤退の道しか残されていない。仮に延命をしたところで、参議院選挙は惨敗することになり、結果は同じことになる。


平和に無関心な人たち

2010-05-03 | 平和憲法

今年生誕100年になる、マザー・テレサがある報道の、「愛の反対は何でしょうか」と、日ごろ愛を説くテレサに質問をした。質問者は、憎しみやイラ見という言葉を期待したが、彼女の返事は待った国となるものだった。

「愛の反対は、“無関心”である」と答えたのです。これはまさしく現場にいる人の声です。今の日本に100503_11syukuは、あまりにも平和や政治体制や国家の方針に無関心な人が多い。特に若者たちは、全く自分の世界だけにいるように思えてならない。

今日は憲法記念日である。政権交代で、憲法論議が沈静化したこともあって、各地での集会に人が集まらないようである。今日は、ねむろ9条の会の”憲法記念日のつどい”に参加してきた。高齢者が目立つ集会であった。

この集会では、根室にあった「牧の内飛行場」についての、検証があった。今は幻となった、牧の内空港であるが、建設に多くの朝鮮人労働者が使われた。3000人ともいわれているが、詳細は不明である。

真冬でも着るものは一枚で多くの人が亡くなっているはずである。残った朝鮮人労働者も消えてしまった。今は牧草地になっているが、たくさんの遺骨が埋まっていることが考えられるようである。根室市は、旧役場痕などの碑をあちこちに建てているが、これだけの労働者が亡くなったかと思われる、負の遺跡には何も残っていない。

人々も行政も無関心なのである。戦争は痕跡も残さずに忘れ去られてゆくのであろうか。平和憲法の意味合いや、重みにも無関心になってきているようである。


異常な広がりの口蹄疫

2010-05-02 | 獣医師

口蹄疫の発生が止まるところを知らない。ついに15件目の発生が確認された。(5月1日現在)全てが宮崎県である。この広がりをみると、初期の発見が遅れていたことを物語っていると思える。いくら空気伝搬があり周辺の発生であるといっても、この広がりは異常である。

10、12、13、14件目が養豚農家である。豚だけで6373頭が処分の対象になる。最初の頃の肉牛を含めると8867頭にもなるなる家畜が処分されることになる。口蹄疫発生農場では、治療はなされることなく、同居の偶蹄類は全て殺処分の対象になる。

この流れだけでは即断できないが、初期に発生していたのは豚ではないかと思われる。経済価値が低い豚の場合の管理や観察は牛ほどのものではなく、症状を見逃すことが少なからずあ100429る。豚の発生も確認して見つけた例がほとんどである。しかも子豚のようである。

前回も書いたが、韓国の発生が確認されると間もなく、なぜか宮崎県で発生が起きている。飼料の輸入か、畜産関係者などの人的な交流が推察される。このことに関する報告はないが、少なくとも調査されるべきである。

和牛生産地区では、宮崎県に行くのを控えるように申し合わせてるが当然のことである。畜産の現状に疎い報道関係者が過剰反応と断じているが、それは発生した場合のことの想定が甘かったり、口蹄疫の実態を知らないからである。

北海道では共進会の開催などを自粛する動きが起きている。そもそも、家畜、とりわけ牛をあちこち移動すること自体がなされるべきことではない。更に家畜の飼料は原則的に、自賄いするべきなのである。少なくとも地域で飼料は調達されるべきなのである。

経済効率を求めて、世界各国を安価な資料を求めて探し回るのは、畜産の基本的な飼養形態を崩すものである。商流の激しい動きは食料の過剰な動きとなっている。今回の口蹄疫騒ぎを教訓にして、家畜の飼料自給率を上げるべき方策を真剣に検討するべきである。


羅臼港

春誓い羅臼港