そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

出口をなくしたシリア

2012-05-12 | 政治と金

シリアにアル・カイダが入ったようである。シリアの内戦は、政府側と武器を持っていない反政府側の戦いであった。しかも、一方的な政府・アサドの殺戮的な内戦Syrian_governments_reaction_to_the_であった。

国連も、シリアに軍事基地を持つロシアと、何かと欧米に異議を持つ中国の反対で、国連決議もできない状況である。

反政府側は、リビアのように空爆を欧米に懇願を繰り返している。欧米は、リビアのように石油資源がなく、遠隔地であって、しかもイスラエルとの関係を恐れ、軍事的支援を躊躇している。

国連の停止団もわずか数十人を派遣するに過ぎない。アナンの調停も無視されたままである。Photo_2

それでも、アサドの40年続く世襲政権に不満を持つ、反政府勢力との戦いで、ある意味単純な構図であった。

一昨日ダマスカスで起きた自爆テロは、明らかにこれまでの反政府勢力の戦いと様相が異なっている。反政府勢力も、政府側の自作自演であると、コメントしている。

120106しかし、一度爆発させ人が集まったところで、さらに大きな自爆が起きている。これらの爆薬は優に1トンを超える。
犯行声明はないが、アルカイダの手口そのものである。首都圏に反政府勢力は、これほどの爆発を行うような実力も拠点も持っていない。

これでによって、中東はさらに混乱に陥ることが懸念される。アサドが追放されても、されなくてもシリアは出口がなくなったのである。

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どこまで続くか国家資本主義

2012-05-10 | 政治と金

ヨーロッパが苦悩している。ギリシャもフランスも、緊縮政策は嫌だと国民が結論を出した。厭なことでもやらなければならないとは、多分感じているであろうが、それでも厭なものは嫌なのである。

先進国にはこうした、民意の意思を問うシステムがあり、国家体制はこれに制約を受ける。これを民主主義と呼ぶのかもしれない。

これに対して、資本主義として台頭していた旧社会主義体制のロシアや中国(中国は自ら社会主義国家とうそぶいている)は、多くのシステムを国家が所有している。

資源やエネルギーそれにメディアさらには金融まで、国家が所有するか大きな権限で支配している。こうしたシステムは、金融危機によって、明確で大きな利点を国民に見せつけることになった。

このような資本主義体制は、「国家資本主義」と呼ばれている。

何よりも、国家の意思決定が速い。しかも強大な権力で障害らしきものがない。例えば、道路を作る場合でも、国民の所有権や居住権など無きに等しく、決定内容があるだけとなる。

国家の戦略的な位置づけが明快であり、しかも資金は膨大である。強権そのものである。

こうした中国やロシアの、国家資本主義体制は、決定が遅いばかりか何も決められなくなるような”民意”が足枷となっている、欧米の経済人たちにとって羨望の的になっている。

このような体制は、権力の集中や独善性が強く、汚職の蔓延の基盤となる。検証するシステムがない。

国民の自由意志や言論の自由まで奪われているのであるが、社会主義体制に慣れていた国民には、そうした意思は弱く支配される便利さに慣れているのである。

ロシアと中国のこうした体制は、いずれ行きつく経済停滞によって崩壊することになるが、当分はこのままであることをも意味している。

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ソビエト化するロシア

2012-05-09 | プーチン

プーチンが汚い選挙を勝ち抜き、過去最大のデモを受けながら、大統領に再就任した。プーチンが支持Russia_victory_day_parade_in_red_sqされる理由は、彼が行った強権的な政治による、崩壊していたロシア経済を立て直したことである。

多くの国民がそのことに期待を持っている。しかし、その一方で反対勢力や民族を徹底的に弾圧し、殺戮を行ってきたことについて、ロシアの人はあまり違和感を持っていない。Return_of_the_puppeteer

ソビエト時代から彼らは、権力者には平伏する風潮がそのままなのである。

中東の春などは、ロシアにとって大きな教訓である。自由を獲得して混乱に陥り、社会不安と経済の停滞が起きるより、強権の圧政を受けている方が楽なのである。

中国にも同じようなことがいえるが、民主化や表現や言論の自由などは、少々我慢するつもりなのである。長年の社会主義体制は、抑圧されることに慣れてしまっているのである。
ロシアは、Bricsへのウエイトを大きくしながら、アメリカ経済と軍事体制に対抗する国家を目指していRussian_leaders_celebrateる。それはかつてのソビエト国家の再来にも思える。

プーチンは就任演説で、内政干渉の横行を強く訴え、国家体制にの維持を打ち出している。シリアの現状と、リビアに強く関わった欧米を非難している。

その一方で、ロシアには口を出すなとも主張しているのである。強権による圧制で作り上げた前政権から、世界は大きく変わっている。

これからも、世代交代したロシア国民は自由や民主化よりも、経済成長や国家の威信を求めるのであろうか。

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そりゃ小泉改革のなれの果てだろ

2012-05-07 | 政治と金

関越高速道路で、高速バスが防音壁に突き刺さり7人もの死亡者を出した。とても悲惨な事故である。私も、先日都市間高速バPhotoスを利用したばかりである。
深夜走って、早朝に500キロ先の札幌に着く。鉄路を奪われた地域の、数少なくなった選択肢である。運転手は二人用意して走っていた。少し前に事故があったからであろう。

今回の事故は明らかに、競争社会に運送事業を追い込んだ、小泉改革にある。規制を緩和すれば競争が起きて、強いものが残り、価格競争は消費者に利益をもたらすという、新自由主義の理念である。

一般商品と同じように、人の命を預かる運送事業も、こうした競争によって安価な運賃を消費者に提供している。とは、僅かな一面を表しているに過ぎない。

労働者にとっては、過酷な労働と責任が押し付けられ、経営者にとっては運営の危機と常に背中合わせの状態となる。

何よりも賃金が抑えられ、企業不安は社会不安となり、失業者の増加とデフレが進行する。物を買う人たちが、持ち金が少ないため財布のひもを締め、雇用不安に対応するためである。

今回の事故の原因は、居眠り運転手を逮捕し、雇用や運営の不正を暴き、企業を罰したとしても、原因の解決にはならない。

同じことは食糧生産者(農業)にも言える。安ければいいのではない。安全こそ最も重要な産業・企業は規制ばかりで締め付けると、また同じことが起きる。

小泉改革の間違い、新自由主義の結果を目の当たりにしていると、認識することこそ最も大切なのである。

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将来的なエネルギーのを見直す時期である

2012-05-05 | 原発と再生可能エネルギー

Photo今日泊原発の3号機が定期点検に入り、日本中の原発がすべて止まることになる。なんとめでたいことであるにもかかわらず、早急に再稼働を目論む野田政権の動きが気になるところである。

石油ショックのころは、深夜のテレビ放送などは各局が率先して止めていたはずである。何かと御託を並べるテレビ局であるなら、率先して深夜放送を止めてはどうだろう。宵っ張りの私など、深夜放送は見入ってしまう。人のせいにはしたくはないが、放送そのものを中止すればいいのである。

町に行って驚くのが、街灯の多さと明るさである。コンビニなどは明るすぎて、通過してからの交通事故もかなりあると聞いている。

個人に節電を強いるだけではなく、企業側から無駄な電力の見直しなどするべきである。

供給側には、販売量を減らすことになる、企業としてのプレッシャーがかかる。電力会社には、予測される供給不足時間帯の、価格を上げるのが精いっぱいである。

関西電力の説明、或いは再稼働ありきの思惑での対策は、ほ3747507311
とんどないことが先般の大阪市との話し合いで判明した。電力会社は、再稼働以外に選択肢を設けていない。

政府は浜岡原発を停止させたのに、防潮堤を作らせている。高さが足らないと足しているようでもある。ちぐはぐで一貫性がない。

政府の買い上げ奨励制度も、例えば太陽光発電を設置しても高価な電力量を受け取るために、売電が主体となって電力会社を支援する形になってしまい、本来の目的に沿っていない。

奇しくも原発停止した今日はこどもの日である。将来を見越したエネルギー計画を政府が持っていない現状では、単純に喜べない。しかしながら、再生可能エネルギーへとシフトするべき時事に差し掛かっていることは、間違いない。

電力会社には将来を見越す能力も体制にもなってはいない。民主党政権には中長期の視点すらない。

一般国民は、こまめにスイッチを切る以外に対策はないのか。

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帝国憲法が健全な言論の発展を阻害した

2012-05-04 | 平和憲法

帝国憲法は1889年(明治22年)2月11日に発布された。これを主導したのが、伊藤博文であり井上毅である。伊藤は岩倉使節団が担ってきた、富国強兵・国家の近代化を大前提に憲法を作成した。

日本の知識層はこの間懸命に近代化を模索していた。明治元年から5年の間にアメリカだけでも、600人もの留学生を送っている。

後に大正デモクラシーの基礎となる人たちが懸命に、日本の骨格となる憲法つくりを模索していた。私擬憲法は、明治12~14年をピークに日本各地で作成された。

中でも植木枝盛の草案と、千葉卓三郎の後に五日市憲法と称される憲法は、近代国家と国民の基本的人権を取り入れたものであった。

国を変えるのは武力ではなく言論であると言っていた、千葉卓三郎の主張は敗戦後の新憲法が公布されるまで、実質的にお蔵に入れられたままであった。

ビスマルクに傾倒していた伊藤博文たちは、結局こうした一般社会での論議を無視する形で、帝国憲法を作り上げた。

天皇の軍隊の統帥権は見直す機会を踏みにじり、国務大臣の輔弼(天皇に進言し了解を取り付ける)を必要条件とし、結果として天皇を侵すべからずと、軍隊の力が無限に大きくなったのである。

結果として、帝国憲法の交付は健全なこの国の議論の展開・発展を阻害することになった。

新憲法はこうした枝盛や千葉たちの思想が、鈴木大蔵たちによって取り込まれることになったのである。

今また、アメリカに後押しされてこの国の健全な論議の発展を阻害し、武力こそが正義のように主張する一派が、憲法改悪を企んでいる。

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そりゃオバマの妄想である

2012-05-03 | イスラエル

オバマ大統領が、野田との会談をそそくさと終えるとすぐさま、アフガニスタンを訪問した。深夜の予告なしの訪問である。お忍びというには、あまりにも隠密過ぎる行動Can_america_end_the_war_in_afghanis
である。まるで何かに怯えるようにも見える。

アメリカとヨーロッパ連合軍は、この10年余りあまりにも、アフガニスタンで理不尽な行動を行って来ている。無数の無人偵察による、一般人を殺害する行為や、死体への放尿や、一般市民の無差別殺害など数知れない。

就任早々にノーベル平和賞を受賞したオバマは、こうした行為を容認してきたばかりか、どう見てもテロ行為と思える作戦で、ビン・ラディンを殺害している。Obama

今回の唐突な訪問で、アフガニスタンと戦略的関係を持つパートナーシップとしての、調印をやっている。大国アメリカが、アフガンが望むように金をばら撒くから、これまでの不祥事に目をつむってくれということである。

冷戦当時、ソビエトのアフガン侵攻を非難して、アメリカなど西側がモスクワオリンピックを、ボイコットした経緯がある。アメリカは、自らが非難した行為とほとんど同じことを、同じくアフガニスタンに対して行っている。

そしてソ連同様に敗北してしまった。今回はそれらの尻拭いである。懲りないアメリカはアフガンはもちろんのこと、イラクでの敗北も認めていない。

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聞け!バンコクの労働者

2012-05-01 | マスコミ報道

今日はメーデーである。幼いころ母に手を引かれ、「労働者」の隊列に加わった、かなり薄くなった記憶がある。

その記憶の中で「聞け!万国の労働者」というフレーズが、今でも消えることはない。

今日の新聞には、メーデーの文字がほとんどない。2日ほど前に、こともあろうか野田首相が演説している。来賓である。連合主催であるから、筋は通っているのかもしれないが、どうもしっくりこない。

そこで野田は、「消費税増税」を訴えている。出席した、「ロードーシャ」から、帰れとも反対ともブイーイングも何の反応もなかったようである。

4月に行われた、メーデーも労働者の訴えは見られない。連合の建前の、政治的文言が並べられているだけである。

考えてみると、メーデーで最も集結しなければならない「労働者」にすらなれない、そうした人たちは集まることすらできないのである。

先日、大型店舗で韓国製の、1リットルのミネラルウォーターがなんと”26”円で売られているのを見た。海を渡ってきた水が、26円である。労働者の手取りはどこにあるのかと、ため息交じりに眺めていた。

万国の労働者、あるいは底辺で働く人たち、あるいは働きたくても働けない人たちは、団結する必要があるのは、今も昔も変わらない。

団結できないのは、労働者に団結されては困る連中にとっては、まことにありがたい現象である。

労働組合の加入率も20%以下である。もちろん労働組合にも責任があろう。組合の存続が優先され、政治的に利用されてきた結果でもあろう。

歴史のかなたに押しやられてしまったメーデーの、「聞け!万国の労働者」のかつての熱い思いは、風前の灯である。いやもうない。

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羅臼港

春誓い羅臼港