昨日は、某委員会の御一行様として、近隣市にある「シンシアの丘」へ行ってきました。
この施設は、開所して8年目。建物はまだ新しくきれい。早春のひっそりとした丘というロケーションでしたが、近くに北欧の家具屋さんが建設中、あっという間に人が大勢行きかう場所になるでしょうね。
介助犬というのは、盲導犬、聴導犬と同様に、身体障碍者補助犬として、障碍者の自立と社会参加を手助けする犬です。
27歳の時に交通事故で脊髄損傷、身体麻痺という障害を持つようになったた木村佳友さんが、退院後のリハビリ生活を続ける中で、犬と暮らすことで癒しをもとめて飼い始めたところ、犬が手助けにもなり、行動範囲も広がるという思いに至りました。自分にはなくてはならないものであっても、犬の入店を拒まれたりしてなかなか理解は得られません。そこで社会で介助する犬を認めてもらおうと、国会を動かし、法律化にまでこぎつけ、身体障碍者補助犬法が2003年10月8日施行されたのです。
介助犬は何を介助するのか。
実際の介助犬のデモンストレーションでは、
落とした鍵を拾ってくれる。
落としたコインを拾ってくれ。
靴と靴下を脱がせる。
冷蔵庫がペットボトルに入った飲み物を持ってくる。
携帯電話を探して届けてくれる。などでした。
実際の生活間場で、何をどういう風に介助するか、障碍者の状況により異なるので、活躍するようになるまでにそれなりの期間がかかるようです。
日本で介助犬が必要とされるのは15000人といわれているのですが、実際に現在までに介助犬に認定されたのは74頭。現在は25頭が活躍しており、愛知県では5頭とのこと。
介助犬の犬種は、口先の器用なゴールドレトリバーとラブラドールレトリバーです。
1歳から訓練をスタートするのですが、訓練しても介助犬として育つのは10頭のうち1頭というのが現実らしいです。認定試験に合格しないと正式な介助犬になれないのです。ほかの9頭は、CC犬(キャリアチェンジ犬)として、デモンストレーション役をしたり、介護施設での癒し犬になったりして活躍しているそうです。
法律が施行されて15年たつのですが、認知度が下がってきているのが現状。
もし、介助犬をみたら(背中に「介助犬」と書いたゼッケンをつけている)、彼らは仕事中なので、声掛けしたり、触ったりしないで、優しい無視をしてください、と。そして、状況によっては「なにかお手伝いしましょうか」と声をかけて欲しい、とのことでした。
病院やスーパー、レストラン、電車にもOKなのですが、周知度が低いので、断られることも多いそうです。なので、介助犬のことを知っている方には、「迷惑になりませんよ」の一声を発してください、とお聞きしました。
こんなにも数が少ない介助犬、見かけたらラッキーかもしれませんね。
もし、介助犬に出会って、「迷惑になりませんよ」の一声をかける機会があったなら、その日一日は幸せかも。笑