詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy Loco por España(番外篇390)Obra, Eduardo Muñoz

2023-08-01 22:20:43 | estoy loco por espana

Obra, Eduardo Muñoz

 La obra de Eduardo siempre me ha inquietado.
 Esta obra me parece la cara de un niño gritando. ¿Está sorprendido o enfadado? Los ojos izquierdo y derecho tienen formas diferentes. Deben de estar mirando cosas distintas. El derecho ve "cosas" (objetos). Pero el izquierdo se mira a sí mismo. Por la boca abierta puede ver el fondo de la garganta. (Puede ser un diente que ha empezado a crecer). Toda la imagen es como el autorretrato de un niño, con la cara en el centro y los pies de repente debajo de la cabeza.

  Lo que me molesta es lo siguiente. Entiendo esta combinación de virutas de hierro como "arte (la cara de nino)"' según mi "memoria". Es la "modificación" de virutas de hierro en arte. ¿Es correcta esta modificación?
 Es nuestra capacidad de "arreglar", lo que Eduardo critica por su obra. No podemos reconocer lo que hay tal como es. Lo "arreglamos" y lo entendemos a nuestra manera. A veces se convierte en una palabra que exige una "modificación", diciendo "esta sería la forma correcta ".
 Mi artista favorito, Picasso, terminó sus obras luchando contra esas "exigencias de modificación", y Eduardo también lucha contra ellas.

 Eduardo の作品を見て、私は、いつも悩んでしまう。
 たとえば、この作品は私には子どもが叫んでいる顔に見える。びっくりしたのか、怒っているのか。左右の目は、形が違う。見ているものが違うのだろう。右目は「もの」(対象)を見ている。しかし、左目は自分自身を見つめている。開かれた口の奥から喉ちんこが見える。(生え始めた歯かもしれない)
 全体は、子どもが描く自画像のように、顔が中心であり、頭の下に突然足がある。

 さて。悩むのは、これである。私は私の「記憶」に従って、この鉄屑の組み合わせを「芸術」と理解する。それは鉄屑を芸術に「修正」することである。こうした修正は正しいことなのか。
 それというのも、Eduardo が作品をとおして批判しているのは、私たちのこうした「修正能力」である。そこにあるものを、あるがままに認識できない。自分の都合のいいように「修正」し理解してしまう。ときには「こうすれば正しい(美しい)形になる」という「修正」を要求することばにもなる。
 私の大好きなピカソは、そういう「修正要求」と闘いながら、ピカソの作品を完成させた。Eduardo もそうした要求と闘っている。
 

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北條裕子『半世界の』

2023-08-01 16:24:02 | 詩集

 

北條裕子『半世界の』(思潮社、2023年07月15日発行)

 北條裕子『半世界の』の「果てまで」の一連目。

毎日 毎日 雨雪が 落ちてくる
ああ ああ ああ
ここの冬は こんなに 暗かったのか
水底に潜んでいるような

 なぜか非常に印象に残った。たぶん、その他の詩のことばと、ここだけが違っているからだと思う。繰り返しと、分かち書き。とくに「ああ ああ ああ」が深い。「ああ ああ」では足りないし「ああ ああ ああ ああ」ではしつこい。多すぎる。
 この繰り返しのあとに「ここの冬」「こんな」の頭韻。「ここの」のなかには「こんな」が隠れている。「このような」では重くなる。「こんな」の撥音が「暗かった」の促音と響きあうものを持っている。母音の欠落。繰り返しは過剰。過剰が欠落によって洗い流され、「水底に潜んでいるような」という風景に変わっていく。空中から、水底へ。一行目の「落ちていく」が思い出される。
 これだけでいいなあ、と思う。
 たぶん、詩を書き始めたころ、ひとは、これくらいの長さ、これくらいの瞬間だけを描いて満足したのではないか、と思う。
 これでは「世界」にならない、「半世界だ(半分の世界だ)」というわけなのかもしれないが、「世界」を目指してことばは展開する。しかし、「半分」でもいいのではないか、と思う。残りの半分は、読者に任せればいいのではないだろうか。
 「この頃」の三連目。

寄り掛かる 壁は漆喰で
触り続けていると
指に伝わってくる りんごの丸みのようなもの
たわんでゆく壁を 触って
どうにか 息をして

 「りんごの丸みのようなもの」ということば、「果てまで」にもでてきた「ような」がとてもいいが、全体的にはリズムがギクシャクしている。「果てまで」にみられた音楽がない。
 「触り続けている」と「触って」。「触る」という動詞が二回登場するが、同じ動作(肉体の動き)には感じられない。「触る」が持っているリズムが前と後では完全に違っている。(と感じるのは、私だけだろうか。)
 「りんご」は、この詩のなかではもう一度、

りんごの赤の中に しのび込んで あふ あふ 逢う

 と登場する。この「あふ あふ 逢う」は、その前の連の、

こもりがちな日々に 顔のないあなたを待つ あふ あふ あう

 と呼応しているのだが、「音楽」というよりも「意味」が強い。「触る」に通じることだが、「物語性」がことばを強引に統一しようとしている。もちろん「意味」そのものに詩があることもあるだろうけれど、それには「意味」を追求することばの自立性(自律せい)が必要だろうなあ、と思う。
 こんな抽象的なことを書いてもしようがないか。批判にもなんにもならないか。

 


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