詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

中井久夫訳『現代ギリシャ詩選』読む(22)

2023-08-18 22:31:06 | 中井久夫「ギリシャ詩選」を読む

 「店のためには」。店のためには、のあとにはどんなことばがつづくのか。店のためにはいいことなのか、悪いことなのか。
 それは、気にしないのだ。彼は貴金属店で働いている。そこで、装飾品を包んでいる。たぶん、彼自身がつくったものを。

おのれの好み、おのれの思うとおりに、

 繰り返しがてともいい。「おのれの」が繰り返され、「好み」が「思うとおり」と言い直されて繰り返される。そのあと、もう一度「おのれの考え」と繰り返される。
 好み、思い、考えとことばが動いていく。
 ことばは動かずにはいられないものなのだ。動きながら、深まっていく。
 ひとによっては、同じことを繰り返すな、一回にしろ、簡潔に書けというかもしれない。しかし、動きを動きのまま、正確に伝えるというのは大事なことだ。
 ことばの動き、その変化を追いながら、その奥にあるものをつかみ取る(再現する)というところに、中井久夫の臨床医の意識が反映されているかもしれない。

 


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