詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy Loco por España(番外篇432)Obra, Jesus Coyto Pablo

2024-02-08 23:02:42 | estoy loco por espana

Obra, Jesus Coyto Pablo
"Paisaje interior" serie, Acrílico lienzo, 70x70 cm.

 "¿Qué es el interior? Cuando el interior existe, ¿dónde está el exterior?"
 "Existe al mismo tiempo que la conciencia del interior. El exterior es el interior consciente".
 "¿No existe el exterior?"
 "Cuando el interior rechaza el ser interior y brota del interior, nace el exterior".
*
 Una nota que quedó profundamente grabada en la memoria. De vez en cuando alguien venía a leerlo, por lo que el pintor lo pegaba a un lienzo y lo cubría de color. Sin embargo, la memoria se mueve con venganza contra los colores. Rojo, negro, azul, todos mezclados, gritando: "Los recuerdos existen para recordar". Es cierto que lo que se esconde en el interior siempre se revela al exterior. Tal como predijo el pintor.


 「内部とは何か。内部が存在するとき、外部はどこにあるのか」
 「内部という意識と同時に存在する。外部とは意識化された内部である」
 「外部は存在しないのか」
 「内部が内部であることを拒絶し、内部から噴出するとき、外部が生まれる」

 記憶の奥に置き忘れたメモ。ときどき、誰かがそれを読みにくるので、画家はキャンバスにはりつけ、色を塗り重ねて、その文字を隠した。だが、文字は色に対して復讐するように動く。赤く、黒く、混じり合って「記憶は思い出されるためにある」と叫んで。たしかに、隠された内部は、かならず外部にあらわれる。画家の予言そのままに。

 

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こころ(精神)は存在するか(8)

2024-02-08 13:13:58 | こころは存在するか

 和辻哲郎全集第七巻。「ボリス的人間の倫理学」。この本は、和辻によれば、先人の研究などをたよりに、その考えを「まとめたものにすぎない」(「序」、153ページ)。だから、これは意地悪い見方をすれば「剽窃」の部類かもしれないが、こうしたことを「剽窃」と呼ばないのは、林達夫の「タイスの『饗宴』」が書いている通り。林達夫と和辻は、この「剽窃」かどうかをめぐる「構想力」という考え方で共通していると思う。また、人間の「構想力」を考察するときに、個人を社会に還元しながらとらえるところで共通すると私は感じている。
 その「構想力」について、和辻は「構想力」ということばをつかっているわけではないのだが、183ページに、こんなことを書いている。

ポリスは(略)部族と部族との結合によって漸進的に成ったものとはいえない。それはむしろ氏族や部族の崩壊、従って氏族的段階からの飛躍によって、すなわち否定の契機の入り来たることによって、できあがったのである。

 「飛躍」を生み出すのが「構想力」であり。そして、その「飛躍」には、すでに存在するものを「否定する」ことによって成り立っている。先人の研究をまとめるとき、それをただ単に「集める」のではなく、あるものは「否定し」、あるものは肯定し、整理し(まとめ)、まだだれも書いていない「世界」へ「飛躍」するのである。「飛躍」するためには、「構想力」が必要なのだ。
 そして、この「構想力」を補足するのに、和辻は「原理」ということばをつかっている。途中を省略するが、こうつづいている。(183ページ)

ポリスは単に氏族が拡大されただけのものではなく、氏族の否定において、氏族と異なった原理によって発展してきたのである。

 その「原理」を見出すために、和辻はことばを動かしているとも言える。
 何かを「否定する」とき、その根拠になるのは、それまでと「異なった原理」である。「構想力」はその「原理」を直観的にとらえている。ここから「個人」というものの存在が浮かび上がるのだが、書いていると複雑になるので、きょうは省略。ただ、この「個人」が「倫理」と関係していることは、和辻の文章を読めば、おのずと理解できる。和辻は、こんな文章を書いている。(199ページ)

ポリス的人間はポリスにそむいて個人となることができる。この否定の契機にこそ倫理学が発生する地盤が存在するのである。

 私は、ここでも「否定の契機」ということばがつかわれていることに注目しているのだが、210ページには、こんな文章もある。

ポリスが人倫的組織であり、人倫の実現であるということは、私的存在の主張によってかえって明らかにされる。(略)ポリス的正義の意義は、私的な正義の主張と対比されることによってかえって発揮されるのである。

 「倫理」とは、そこに何らかの「飛躍」を含む、「原理」とはなんらかの「飛躍」を含むものである。そして、そこには「構想力」が常に働いている。
 どこに書いてあったか、急いで読み返していると見つけられないのだが、どこかに「道」ということばがあった。「道」は「倫理」であり、それは「生き方」でもあるだろう。私はいつでも「古寺巡礼」に出てきた「道」に引き戻される。

 

 

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