8月4日の読売新聞。
ギリシャの五輪委員会は3日、アーティスティックスイミングの選手3人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。前日にもチームメート1人の陽性が判明しており、同国の選手は3日夜のデュエット・テクニカルルーティンを棄権した。今後の試合も全て棄権するという。
ギリシャ五輪委によると、2日に陽性となった選手は治療が必要な状態。ほかの3人は無症状で、ホテルで隔離されている。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は3日、新たに18人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。内訳は日本在住者が12人、海外在住者が6人。組織委が7月1日に公表を始めてからの大会関係者の陽性者は計294人となった。
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このニュースで注目したいのは、
①前日(2日)にもチームメート1人の陽性が判明
②3日、アーティスティックスイミングの選手3人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定された
この時系列。2日に陽性が判明した「チームメイト」と、3日に陽性が判明した3人は「チームメイト」。あたりまえのことだけれど。で、この「チームメイト」の関係というのは「濃厚接触者」。
私は何回も何回も、陽性者との「濃厚接触者は何人?」と疑問を投げかけてきた。最初は発表していたのに、途中から発表しなくなった。膨大な人数だからだろう。そして、その発表して来なかった(注意をそらせてきた)濃厚接触者のなかから、やはり陽性者が出た。
感染したからといって、すぐに陽性になるわけではない。保菌状態で他人と接触し、ウィルスを媒介する危険性がある。そういうことをできるかぎり少なくするためには、陽性者だけではなく、濃厚接触者がだれなのか(何人なのか)を把握する必要がある。そうしないと「バブル作戦」の意味がない。
今回のニュース、読売新聞西部版・14版では、2社会面のべた見出しという小さな扱いだが、ここから見えてくるコロナの恐ろしさは無視できない。
陽性者と濃厚接触したひとは感染のおそれがある。感染には、すぐには気がつかない。。つまり、感染拡大を媒介するおそれがある。コロナ感染は、当初から、無症状のままウィルスを媒介する危険性が指摘されていた。大会がはじまって約10日、いよいよ感染が「顕在化」し始めたということではないだろうか。まだまだ陽性者が増え、試合が成り立たなくなる例が増えるのではないか。
さらに今回のことからわかるのは、陽性者はあっという間に「治療が必要な状態」になる危険性がある。2日に陽性が判明し、3日に治療が必要な状態になっている。3日に陽性になった3人もきょう、あす(4日、5日)には治療が必要になるかもしれない。
ここから、さらに別の問題が生まれてくる。選手の治療はどこでするのか。入院、治療にはだれがつきそうのか。選手の帰国、濃厚接触者の帰国はどうなるのか。すでに帰国した選手のなかには、陽性と判定されずに帰国した人もいるかもしれない。そのひとが帰国後陽性と判明した場合、それは「東京五輪の陽性者」になるのだろうか。東京五輪で感染拡大という事実が、どこまで克明に「記録」されるのか。
こんなでたらめな「安心安全な東京オリンピック」は、即座に中断、中止すべきである。
オリンピック関係以外の国内の状況。
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国内の新型コロナウイルス感染者は3日、新たに1万2017人確認され、2日ぶりに1万人を超えた。過去2番目の多さで、群馬、埼玉、新潟、福井、滋賀、沖縄の6県では過去最多を更新した。重症者は前日から50人増えて754人、死者は10人だった。
東京都では3709人確認され、火曜日の新規感染者としては初めて3000人を超えた。
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感染拡大が止まらない。「2日ぶりに1万人を超えた」のは、2日間、検査数が少なかっただけなのだろう。「東京都では3709人確認され、火曜日の新規感染者としては初めて3000人を超えた」というのは、そのことを明確に語っている。検査数が増えれば感染者が増える。木曜、金曜日に感染者数がその週のピークになることが多い。
そういう状況のなか。
「入院患者受け入れ厳格化」がスタートした。軽症者が急に重症化することはないということが科学的に立証できたのならそれもいいだろうが、そうではなくベッド数が足りないから受け入れないというのでは、患者の切り捨てである。症状が急変することは、2日に陽性と判定されたギリシャ選手が3日には治療が必要な状態になったという例からもわかる。
なぜ、陽性者を危険な状態にまで追い込んでおいて、五輪を開催し続けなければならないのか。即座に、中断、中止すべきだろう。もし、どうしても「残り」の試合をやる必要があるというのなら、「中断、延期」し、感染がおさまってからつづきをやればいいだろう。どうしても金メダルがほしい選手は再会後のオリンピックに出場するだろう。「中断を乗り越えて競技を続けることができることを証明する大会」「アスリートはまず市民の命を大事にする姿勢を示した大会」をアピールできるだろう。「中断を乗り越えて活躍する選手をおもてなしする日本人」もアピールできるだろう。
何度でも書くが、東京オリンピックは即座に、中断、中止すべきである。