詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

西脇順三郎の一行(68)

2014-01-24 06:00:00 | 西脇の一行
西脇順三郎の一行(68)

「コップの黄昏」(この作品から『宝石の眠り』収録)

男へ手紙を書いて切手をなめる時だ

 切手を貼る、ではなくて切手を「なめる」。もちろん貼るためになめるのだが、これがおもしろい。切手を貼るよりも、肉体の動きがなまなましい。俗っぽい。そして、そこに力を感じる。肉体が剥き出しであらわれてくる感じがする。
 西脇の詩には抽象的(精神的)な要素が多いのだけれど、それをときどき、こういう生々しい肉体が破る。この乱調(?)の音楽がとても楽しい。私は大好きだ。

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