西脇順三郎の一行(68)
切手を貼る、ではなくて切手を「なめる」。もちろん貼るためになめるのだが、これがおもしろい。切手を貼るよりも、肉体の動きがなまなましい。俗っぽい。そして、そこに力を感じる。肉体が剥き出しであらわれてくる感じがする。
西脇の詩には抽象的(精神的)な要素が多いのだけれど、それをときどき、こういう生々しい肉体が破る。この乱調(?)の音楽がとても楽しい。私は大好きだ。
「コップの黄昏」(この作品から『宝石の眠り』収録)
男へ手紙を書いて切手をなめる時だ
切手を貼る、ではなくて切手を「なめる」。もちろん貼るためになめるのだが、これがおもしろい。切手を貼るよりも、肉体の動きがなまなましい。俗っぽい。そして、そこに力を感じる。肉体が剥き出しであらわれてくる感じがする。
西脇の詩には抽象的(精神的)な要素が多いのだけれど、それをときどき、こういう生々しい肉体が破る。この乱調(?)の音楽がとても楽しい。私は大好きだ。