福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画と半地下の恋

2020年03月06日 |  〇映画・映画音楽

더티 로맨스  「ダーティーロマンス」 〇〇〇--
(1006)



2017年に公開されたインディーズ系の青春ドラマ。

舞台はソウル市中浪区の下町。

障がい者(脳性麻痺)の妹と2人暮らしをする
青年を主人公にした、非常にエグイ映画だった。

あるいは、これまで「ヲタク」が見てきた全ての
映画・ドラマの類の中で、最もエグイ作品だったと
言えるかもしれない。


△親友の母親(認知症)の紙おむつを替えてあげる主人公<映画より>

例えば、妹が片思いしている自分の親友に対して、
貸したお金の返済を引き延ばしてやる代わりに、
妹への性的奉仕(セックス)を強要したシーン。

さらに、青年が女子大生を強姦しようとして失敗し、
彼女の父親から事件をもみ消してもらう代わりに、
逆に旅館で強姦されてしまうシーン。

極めつけは、妹を強姦する性悪(しょうわる)な
青年の先輩を、中華料理店の息子(軽い知的障がいを
持つ青年)が包丁で刺殺するシーン。


△中華料理店の息子と主人公の妹<映画より>

中華料理店の息子は、青年の妹のことが大好きで、
食事から下の世話まで、いろいろと妹の世話を
してくれる関係になっていた。


△主人公の青年(左)と中華料理店の息子<映画より>

そして何より、妹も中華料理店の息子といっしょに
過ごすことに大きな喜びを感じるようになっていた。


△中華料理店の息子に妹を託す青年<映画より>

妹の幸せを考えた青年は、中華料理店の息子の罪を
肩代わりし、自分が刑務所に入ることを決心する。

残酷でエグイ世界の中で、主人公と中華料理店の
息子の、妹に対する不自然なほど純粋な愛が
際立(きわだ)つ映画であった。


(終わり)


韓国映画と伝統的葬儀

2020年03月06日 |  〇映画・映画音楽

학생부군신위 「学生府君神位」  〇〇〇〇〇
(1005)



1996年に公開された異色の社会派コメディ。題名の
「学生府君神位」とは、儒教的な「院号戒名」のような
ものと理解しておけばいいだろう。



舞台は慶尚南道ハプチョン(陜川)郡



1人の老人の葬儀が、伝統的な慣習に則り、5日間に
わたって執り行われる。

その、村を挙げての葬儀の様子が、厳(おごそ)かな
雰囲気の中にもコミカルに描かれている。



非常に見ごたえのある映画だった。



ちなみに、使われている言葉は9割以上が慶尚道方言。



ハングル字幕付き(韓国映像資料院)で鑑賞すれば、
慶尚道方言のいい教材にもなるだろう。



(終わり)