100倍楽しむ海外旅行  時々国内旅行

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歳(終末期後期高齢者)のジジイの53

回の旅行103ヶ国を100倍楽しんだ話 付録で時々エンディングノート

「イスラエル」編 ところ変われば品変わる 過ぎ越しの祭り1

2010年04月12日 08時20分48秒 | イスラエル・パレスチナ

 画像はエルサレムのホテルに宿泊したときに鍵と共に渡された文書です。上がヘブライ文字で下が英語です。文意は現在「過ぎ越しの祭り」(Passover)時であるのでパンとシリアル(穀物加工品)を部屋に持ち込まないでください、またレストランでもパンのサービスはできないということのようです。

 「過ぎ越しの祭り」というのはエジプトで隷属的境遇にあったユダヤ人をモーゼが率いてエジプトを脱出したという聖書の記述をもとにして造られたお祭りです。その時神は全エジプト人の初子などを殺しましたが、門口に子ヒツジの血を塗ったユダヤ人だけは助かりました。(神はユダヤ人の家だけは過ぎ越て行った)いまのイスラエルの国是を象徴するような怖い話です。このお祭りのときはイースト菌を入れたパン(酵母パン)が禁止されます。そのための文書でした。

 余談ですがキリストの最後の晩餐はこのお祭り時に行われました。  

 Fengdanさんいつもコメント有難うございます。イスラエルはなかなか興味ある国ですしょう。


「イスラエル」編 ところ変われば品変わる メズザ

2010年04月10日 08時05分23秒 | イスラエル・パレスチナ

  写真はホテルの部屋のドアーです。右のほうに棒のようなものが付いています。これをメズザといいます。ユダヤ教徒の人は(注)この部屋に出入りする時、このメズザに触り、神に対して私はあなた忘れてはいません、という誓いをします。ユダヤ教徒にとっては神を忘れたとき神から厳罰が与えられることを恐れてのことのようです。

 私はこの話を聞いた時、かつて旧約聖書を読んだ時、戦慄・恐怖を覚えたことを思い出しました。その一つに「出エジプト記」の34章14節の「私以外の神を拝んではならない、神の名は妬み、妬みの神だからである」がありました。この一節などがメズザになるのだろうと思いました。しかし、私も含めて多分一般の日本人は神が「妬みの神」というのは理解不能なところがあるような気もしました。

 私が所有する聖書は「新世界訳」で他の教派のとは違うという指摘を受けていましたので、現在一番信用されている新しい「新共同訳」の該当部分を見ました。そこでは「妬み」が「熱情」という語になっていました。しかしこの語だと前半の文章とのつながりがよくわかりません。そこでこの「新共同訳」についていた英文を見てみました。そこには「熱情」という単語に相当する単語がなくI “LORD “ tolerate no-rivals いう文章がありました。この英文と前半の他の神を拝んではならないとを結び付けて「競争相手の神は許さない」とするとよく意味が通じます。なぜtolerate no-rivals が「熱情」になったがよくわかりません。そこで気になったので「新共同訳」以外の旧約聖書を文語訳をも含めて調べてみました。ところが、それらはすべて「妬み」「嫉妬」とかという単語が使用されていました。英文ではjealousy(妬み) でした。「嫉妬」という言葉はあまり良くない意味合いを与えるので最新の「新共同訳」では「熱情」という言葉に置き換えたというのが私の邪推です。ところがそのため意味不明なったというわけです。しかし” tolerate no-rivals “の日本語訳ならば意味が通じたと思うのですが。

 そこで教会に電話で尋ねてみることにしました。あるカトリック教会では牧師さんが出てこられましたが午前中のミサで疲れているし(邪推 キリストに血の飲みすぎ=ろれつが回らない?)そんなことは本部に尋ねてくださいとの返事でした。あるプロテスタント系の教会では、他の言語の正確な日本語訳は不可能なので全体の趣旨から考えるべきである。この場合は妻が不倫をしたとき夫が「嫉妬」するのが当たり前のようにそれを「嫉妬」と訳そうが「熱情」と訳そうがあまり違いがないとのことでした。カトリック鹿児島司教区本部に電話しました。牧師さんは私の邪推に全面的に賛成だとのことでした。以前使用していた聖書では「嫉妬」となっていたし、最近の「新共同訳」の「熱情」の単語はあなたと同じくおかしいと思っていたとの話でした。原典のヘブライ語ではどうなっているのでしょうね?

 ちょっと私の道楽の紹介が過ぎたようです。なにはともあれユダヤ教の神様も、キリスト教の神様も恐ろしいことをこのたび再確認しました。キリスト教関係者のご批判をいただければ幸いです。(もちろん関係者でない方も)

(注) 現在このようなユダヤ教の厳しい戒律を厳しく守っている人はイスラエルのユダヤ人の20%ぐらいといわれています。しかしイスラエルはユダヤ教の国家です。


「イスラエル」編 ところ変われば品変わる シャバト

2010年04月08日 08時11分05秒 | イスラエル・パレスチナ

 シャバトは日本語では安息日と訳されています。旧約聖書にある天地創造の7日目に神が休息したことに由来するシャバトの日は金曜日の日没から土曜日の日没までで、その間一切の労働をしません。これがキリスト教徒には日曜にあたり、イスラーム教では金曜日になります。したがって、日本も旧約聖書に無縁ではありませんね。

 モロッコのマラケシュでシャバトにあたる日シナゴーグ(ユダヤ教のお寺)を訪ねたところ見学が認められず管理人の撮影まで拒否されたことを2008年12月19日に紹介しています。

 さてこのエレベーターの写真とシャバトの関係は?写真を拡大して上下のサインがある横に小さなランプが点いているのをご覧ください。これが安息日を守る敬虔なユダヤ教徒用のエレベーターなのです。どこが違うのかと云うと各階停車なのです。これだけの説明でもよくわかりませんすね。たとえば5階で降りたい人が中で5階のボタンが押すということが労働したことになるので各階停車ということになるのです。お判りいただけましたか。本当のところは私もよくわかりません。たとえばエレベーターに乗り込む時には開閉のボタンを押さなくてはならないと思うのですが。

 なにはともあれ皆さんがイスラエルに行き、シャバトの日に小さなランプが点いているエレベーターには気をつけてください。


「イスラエル」編 現地ガイド 山崎さん2

2010年04月06日 08時24分22秒 | イスラエル・パレスチナ

 画像は山崎さんの名刺ですが、住所にkibutzキブツとありますね。 さて、前述のようにユダヤ人女性と結婚して3人の息子さんがいます。奥さんのお父さんはポーランドに住むユダヤ人でした。ナチスの迫害の中でお父さんのお父さんは息子をベルギーの知人宅に養育費を添えて避難させました。養育費が尽き、ナチスの厳しい追及の中最後までこの知人はお父さんを匿い通しました。戦後お父さんはこの地に移住してきて同じく両親をナチスの殺害された女性と結婚して生まれたのが山崎さんの奥さんです。

( 付録) 

 先日、ウガンダの世界遺産クスビ(カスビ)が焼失したとの報道がありました。このブログで2009年10月30日、11月1日、11月3日に紹介しています。

 神学生の「はた」さんコメント有難うございました。私もあなたを始め各教派のキリスト者に出会い、いろいろ話ができ大変勉強になりました。有難うございました。(注)今後ともよろしくお願いします。なお、この10日に「新共同訳」の一文に関して疑問を書く予定なのでお読みいただきコメント、ご批判をいただければ幸いです。「ところ変われば品変わる」の最後の単語は" Sitten"でしたね。

 

(注)私はラディカルな無神論者です。しかし、フランスのレジスタンス運動で言われた「神を信ずる人も、信じない人も」を大切にしたいと思っています。

 「ミチ」さんいつもコメントを有難うございます。オランダでは4日に紹介したキューエンホフ公園の桜をご覧ください。ベルギーでは果実のビールなど沢山の種類のビールがあります。あなたの好きなビールを沢山試してください。


「イスラエル」編 現地ガイド 山崎さん1

2010年04月04日 08時14分07秒 | イスラエル・パレスチナ

 今回の現地ガイドはスルー(全体を通じて)で日本人(国籍はイスラエル)の山崎さんでした。経歴が興味深く了解を得たので彼の紹介から「イスラエル」編を始めます。

 28歳のとき(現在65歳)日本の管理社会に嫌気がさし英語少々とヘブライ語(イスラエルの国語)皆無の状況でイスラエルに降り立ちました。すぐにキブツ(注1)に入り皿洗いから始め毎晩キブツの構成メンバーを回り一夜で3三軒を訪ねヘブライ語などを教えてもらいました。3軒の家で出されるお茶で腹ががぶがぶになった思い出があるそうです。そのように懸命に働き、勉強して半年後にキブツの構成メンバーの90%以上の賛成で正式にキブツの構成員になることができました。(注2)その後ガイドの学校、神学校に通い正式にガイドのライセンスを取りました。(イスラエルのガイドのライセンスは難しいそうです)その間、イスラエルの国籍を取り(結婚した相手がユダヤ人であったため取得可能、結婚相手とその家族については次回紹介)1982年のイスラエル軍のレバノン侵攻にイスラエル軍の兵士として参加しました。その時の経験からアラブとユダヤの共存、共学を考えその運動を奥さんと共に現在もされています。その「共存・共学」の運動については後日山崎さんから資料を送っていただく約束をしているので、手に入り次第このブログで紹介する予定です。乞うご期待。

 彼のガイドとしての仕事も多岐にわたり我々のガイドの後はイスラエル人の日本観光の添乗員兼ガイドとして来日する予定だそうです。

(注1)

 20世紀初めに社会主義の影響を受けたユダヤ人がこの地に私有財産などを否定して一種の原始共産社会を目指した農業共同体をいいます。しかし現在は全くその性格は変質して資本主義的生産体になっています。多分山崎さんがキブツに入ったころから変質が始まっていたのだろうと思います。(この点は不正確)

(注2)

キブツで働いて半年後に構成員の75%以上の賛成で正式構成員として認められる。

 付録 

 いまテレビなどで桜情報が華やかですが、以前このブログで紹介した外国での桜を2つ。チューリップで有名なオランダのキューケンホフ公園で見た桜(2006年3月15日)と西遊旅行社の現職添乗員中谷愛(メグミ)さんから頂いたブータンの秋の桜(2008年12月15日)です。