風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

三六と五六

2017年01月15日 | 詩吟
春夜笛を聞くの転句  「曲中」の譜付け《作曲》は、五六六五となっています。
転句のこの場所の譜付けは、三から六に上がる形が多く、音階を注意してみていないと、三六と吟じてしまいがちです。

三六の音階と五六の音階では、表す情緒がかなり違って聞こえます。
このあたり、譜付けをした作者の意図を良く汲んで、正確に吟じましょう。

転句に限らず,「舟中子規を聞く」の起句の「暮れんと」の音階も五六六六となっていて、三六の音階で吟じても、アクセントとしては、間違いではないのですが、情緒がかなり違ってきます。

頑張って情緒、詩情を出そうと思う前に、譜付けに正確に詠うことによって、譜付けをした人(作曲者)の意図あるいは、自分の思いを表現することができます。


テキストに沿って正しく吟詠することが、基本です。
その基本を忠実に再現することができて、初めて関吟の流統としての吟詠が、身についてきます。

譜(吟法)がたくさんあって、なかなかうまく吟じられないと嘆くなかれ、譜を忠実に再現することができたら、最低限の詩情は出すことができます。

基本の基ができて初めて、関吟の詩情、吟情、情緒が出せるのです。
無理やりな、情緒は、却って無い方が良いのです。

基本ができて、考えること無く基本の基ができるようになったら、自身の詩の読み解きと表したい吟情が自然と出てきます。
それもできないうちに、あれこれ画策するのは、押しつけになります。

吟情は、出そうとして出るものではなく、滲み出るものと思ったほうが良いと思います。


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