学生時代の詩吟の先生は、
岡山大学吟詩部の第三代と第五代の、永井厳照先生と鈴木睨照先生です。
岡大吟詩部の創設から現代の60周年を見守り続けてきたともいえるお二人の先生が、私たちを育ててくださいました。
11月11日(日)おかやまマラソンが開催されている同じ時に、すぐそばの岡山大学創立五十周年記念館にて、「岡山大学吟詩部創立60周年記念吟詩発表大会」が開催されました。
お二人の先生のご縁のおかげで、
岡山県立短期大学(現岡山県立大学)
吟詩部OGの私たちにもお声がかかり、
席も確保されて、応援と鑑賞することが
できました。
現在日本一を誇る部員数の、今を盛りの吟詩部の姿を目の当たりにして、しばし、頭は白く、顔に皺をたくわえてしまったことをすっかり忘れて、声援を送りました。
いまだに、この吟詩部の世界では、伴奏CDはおろか、コンダクターは使用せず、調子笛の音さえしません。
それは、現役生だけでなく、OB OGの吟詠に至るまですべてなのです。
プログラムは、三回生までの独吟、構成吟と進み、圧巻は、吟詠その三です。
四回生とOB OG吟詠が交互に組まれていました。
これは、プログラムを見たとたんに、鳥肌が立ちました。
それだけの気迫を込めて、行われる吟詠であると一目でわかりました。
今思いだすだけで、目頭が熱くなる思いです。
そして、何といっても、圧巻は、四回生のトリと永井、鈴木の連合吟「登高」のオオトリの吟詠。
トリの吟詠を務めた4回生の吟詠は、なかなか堂に入ったものでした。
しかし、80才になろうとするお二人の五本の連合吟に、年齢を感じること無く、気迫さえ伝わってくるオオトリの連合吟に、しばし我を忘れて聞き入りました。
五本とは、永井先生には、高すぎる音程でしたが、私たちが現役の時に教えられた、「出てしまった高さに負けない吟詠」をいまだになさる。
そしてやり切った魂に魅了されました。
私たちって、この先生たちに、この精神をたたき込まれたのだと、改めて、思いだし、身を引き締めました。
ここには、年だからとか若いからの言葉は、ありませんでした。
お招きいただいて、ありがとうございました。
そして、その仲介をしてくださった、後輩の
Sさん、お手数をおかけしました。
おかげで、懐かしい顔に出会えて、旧交を温めることができました。
この次は、どんなことで、会えるでしょうねぇ。