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先日、日経夕刊に、「喫茶店、芥川が流行拡散」という興味深い記事が出ていた。
毎朝、メリタでコーヒーを煎れて、朝食を取っているので、コーヒーとは切っても切れない関係にある。
はじめてコーヒーを飲んだのは、河原町の喫茶店で、阪神間の普通高校を出てポット京都に出た新大学生なので、東京の西高校を出た学友に誘われるまで、喫茶店など行ったこともなければ、コーヒーも飲んだこともなかったので、新しい経験であった。60年も前の話である。
ところが、その後、海外生活も長くなり、いろいろな国を回ってきたので、ところ変れば品変るで、結構、変ったコーヒー体験をしてきており、コーヒー文化と国民性の違いなど勉強することが多かった。
さて、日本の喫茶店の草分け的存在は、「カフェーパウリスタ」と言うことのようだが、芥川龍之介や菊池寛などの文人達が集ったのは、銀座にある店舗なのであろうが、前を通るだけで入ったことはない。
神田神保町の古書店街には、昔懐かしいシックな喫茶店がいくつかあって楽しめるのだが、あのような雰囲気であったのかも知れない。
文人や学者達が憩うシックなサロンのような喫茶店は、ウィーンにあって、よく、カフェ モーツァルト(Café Mozart)に行って、旅情を楽しんでいた。
夜に時間が取れるとウィーン国立歌劇場でオペラを観ていたので、ホテルは、隣のザッハーにして、ほんの近くにあるカフェモーッアルトには、便利だったのである。当時は、このカフェーは、三越の所有で雰囲気も良かった。
いろいろ試みたが、何故か、ウィーンナコーヒーとザッハートルテの味しか覚えていない。
ところで、サンパウロに4年間住んでいたので、ブラジルのコーヒーはよく知っている。
一般的に普及しているブラジルコーヒーの典型は、エスプレッソやアフターディナーコーヒーに使われている小型の「デミタスカップ」になみなみと注がれたコーヒーに、同量とは言わないまでも、ビックリするような量の砂糖をつぎ込んで混ぜて飲む。
深煎りの微細に挽いたコーヒー豆を高圧力で抽出するイタリアのエスプレッソとは抽出の違いがあるのであろう。私は、一度だけ、事務所のメイドのコーヒー作業を観たのだが、捕虫網のような布製の網に、豪快に溢れんばかりにタップリとコーヒー粉を入れて、熱湯の鍋に入れて、何度も上下して抽出していた。
濃厚すぎるというか、とにかく、これでもかこれでもかと言わんばかりに、コーヒーのエキスを抽出するのであるから、コーヒーと同量の砂糖を入れても、甘すぎるという感じはなく、最初は、はしなくも美味しいと感じたのである。
しかし、どこへ行っても、まず、差し出されるのは、日本のお茶のサーブと同じで、このコーヒーであるから、体が持つわけがない。
家では、日本流のコーヒーマシンを買って、日本流にコーヒーを煎れていたが、ブラジルでは、付き合いだとは言え、コーヒーはほどほどにしていた。
まさか、芥川や菊池が、パウリスタで、こんなコーヒーを飲んでいたとは思えないが、日本のコーヒー文化は独特で、喫茶店文化などは文化財に等しいほど貴重だと思う。
アメリカなど、スターバックスコーヒーが出るまで、喫茶店どころか、コーヒーを普通に楽しめる簡易なレストランなどなくて、マクドナルドやケンタッキーなどで、不味いアメリカンコーヒーを飲む以外になかったのである。
イギリスもそうで、紅茶文化は抜群でそれなりに楽しむ機会があったが、真面にコーヒーを飲もうと思えば、しかるべきホテルに行ってラウンジなどでオーダーする以外にはなく、多くの紅茶ショップがスターバックスに駆逐されたのは、当然であった。
ドラッカーが、スターバックスが、イノベーションだと言っていたが、何のことはない、イタリアの美味しいカフェオレに感激してイタリア方式を真似て、日本の喫茶文化にヒントを得て事業を進展させただけで、大それたイノベーションでも何でもない。しかし、不味いコーヒーしか知らなかったアメリカ人にコーヒーの味を知らしめてコーヒー文化を向上させた功績は評価すべきであろう。
その日本の喫茶店文化を逆手に取ったのが、ドトール・コーヒー。
たかが、コーヒー豆を煎れるだけで、1杯400円も500円もするのがおかしいと言う発想であろう。
創業者はブラジル移民経験者とのことだが、これは、ブラジルのどこにもある街角のバールの止まり木の喫茶システムをそっくり取り入れて、止まり木形式でコストを切り詰めて100円コーヒーを実現して脚光を浴びた。
これも、イノベーションでも何でもないが、「魔の川・死の谷・ダーウィンの海」を乗り越えて、今や、和光の対面、銀座の一等地に店を構えている。
トルコでのコーヒー、サウジアラビアでのコーヒー、フィンランドでのコーヒー・・・、いろいろ思い出があるが、エチオピアから広まったというコーヒーの歴史や遍歴を勉強するのも面白いかも知れない。
毎朝、メリタでコーヒーを煎れて、朝食を取っているので、コーヒーとは切っても切れない関係にある。
はじめてコーヒーを飲んだのは、河原町の喫茶店で、阪神間の普通高校を出てポット京都に出た新大学生なので、東京の西高校を出た学友に誘われるまで、喫茶店など行ったこともなければ、コーヒーも飲んだこともなかったので、新しい経験であった。60年も前の話である。
ところが、その後、海外生活も長くなり、いろいろな国を回ってきたので、ところ変れば品変るで、結構、変ったコーヒー体験をしてきており、コーヒー文化と国民性の違いなど勉強することが多かった。
さて、日本の喫茶店の草分け的存在は、「カフェーパウリスタ」と言うことのようだが、芥川龍之介や菊池寛などの文人達が集ったのは、銀座にある店舗なのであろうが、前を通るだけで入ったことはない。
神田神保町の古書店街には、昔懐かしいシックな喫茶店がいくつかあって楽しめるのだが、あのような雰囲気であったのかも知れない。
文人や学者達が憩うシックなサロンのような喫茶店は、ウィーンにあって、よく、カフェ モーツァルト(Café Mozart)に行って、旅情を楽しんでいた。
夜に時間が取れるとウィーン国立歌劇場でオペラを観ていたので、ホテルは、隣のザッハーにして、ほんの近くにあるカフェモーッアルトには、便利だったのである。当時は、このカフェーは、三越の所有で雰囲気も良かった。
いろいろ試みたが、何故か、ウィーンナコーヒーとザッハートルテの味しか覚えていない。
ところで、サンパウロに4年間住んでいたので、ブラジルのコーヒーはよく知っている。
一般的に普及しているブラジルコーヒーの典型は、エスプレッソやアフターディナーコーヒーに使われている小型の「デミタスカップ」になみなみと注がれたコーヒーに、同量とは言わないまでも、ビックリするような量の砂糖をつぎ込んで混ぜて飲む。
深煎りの微細に挽いたコーヒー豆を高圧力で抽出するイタリアのエスプレッソとは抽出の違いがあるのであろう。私は、一度だけ、事務所のメイドのコーヒー作業を観たのだが、捕虫網のような布製の網に、豪快に溢れんばかりにタップリとコーヒー粉を入れて、熱湯の鍋に入れて、何度も上下して抽出していた。
濃厚すぎるというか、とにかく、これでもかこれでもかと言わんばかりに、コーヒーのエキスを抽出するのであるから、コーヒーと同量の砂糖を入れても、甘すぎるという感じはなく、最初は、はしなくも美味しいと感じたのである。
しかし、どこへ行っても、まず、差し出されるのは、日本のお茶のサーブと同じで、このコーヒーであるから、体が持つわけがない。
家では、日本流のコーヒーマシンを買って、日本流にコーヒーを煎れていたが、ブラジルでは、付き合いだとは言え、コーヒーはほどほどにしていた。
まさか、芥川や菊池が、パウリスタで、こんなコーヒーを飲んでいたとは思えないが、日本のコーヒー文化は独特で、喫茶店文化などは文化財に等しいほど貴重だと思う。
アメリカなど、スターバックスコーヒーが出るまで、喫茶店どころか、コーヒーを普通に楽しめる簡易なレストランなどなくて、マクドナルドやケンタッキーなどで、不味いアメリカンコーヒーを飲む以外になかったのである。
イギリスもそうで、紅茶文化は抜群でそれなりに楽しむ機会があったが、真面にコーヒーを飲もうと思えば、しかるべきホテルに行ってラウンジなどでオーダーする以外にはなく、多くの紅茶ショップがスターバックスに駆逐されたのは、当然であった。
ドラッカーが、スターバックスが、イノベーションだと言っていたが、何のことはない、イタリアの美味しいカフェオレに感激してイタリア方式を真似て、日本の喫茶文化にヒントを得て事業を進展させただけで、大それたイノベーションでも何でもない。しかし、不味いコーヒーしか知らなかったアメリカ人にコーヒーの味を知らしめてコーヒー文化を向上させた功績は評価すべきであろう。
その日本の喫茶店文化を逆手に取ったのが、ドトール・コーヒー。
たかが、コーヒー豆を煎れるだけで、1杯400円も500円もするのがおかしいと言う発想であろう。
創業者はブラジル移民経験者とのことだが、これは、ブラジルのどこにもある街角のバールの止まり木の喫茶システムをそっくり取り入れて、止まり木形式でコストを切り詰めて100円コーヒーを実現して脚光を浴びた。
これも、イノベーションでも何でもないが、「魔の川・死の谷・ダーウィンの海」を乗り越えて、今や、和光の対面、銀座の一等地に店を構えている。
トルコでのコーヒー、サウジアラビアでのコーヒー、フィンランドでのコーヒー・・・、いろいろ思い出があるが、エチオピアから広まったというコーヒーの歴史や遍歴を勉強するのも面白いかも知れない。