NHKスペシャル 「病の起源」 【マインドマップ】

 10月5日に放送された「NHKスペシャル 病の起源 第3集 腰痛」を見ながら描いていったものが画像のマインドマップです。

 「NHKスペシャル」や「プロフェッショナル」など、NHKの番組は取材が長期的に行われている上、難しい話題を視聴者でもわかりやすいように工夫して編集されているので、マインドマップを描くためのトレーニングにはうってつけだと感じています。

それでは五本のメインブランチについて説明しましょう。


(1)腰痛のメインブランチ
 腰痛は人類が二足歩行を始めた時からの宿命なのでしょうか?

 腰痛の種類には様々なタイプがあります。腰椎のズレからくる痛みであったり、椎間板が劣化して痛むヘルニアもあります。椎間板は二足歩行を始めた人類の弱点であるとも思えます。
 治療には腰に金具を入れて補強をしたり、骨を削ったりして痛みをのぞきます。それまで痛くて台所の洗い物さえできなかった方が、手術をすることでまったく痛みが取れるということがたくさんあります。


(2)発生のメインブランチ
 二足歩行を始めた人類は、タンザニアの遺跡で確認された360万年前の「二足歩行の足あと」が最古だと確認されています。二足歩行をすることで、腰の骨の動きが変わり、骨盤の形成にも大きく影響があらわれます。
 600万年前に人類の祖先はチンパンジーから分かれたと考えられています。木の上生活をするチンパンジーは腰椎が動いてしまうと危険が大きいのであまり動かなくなっています。それに比べて人類は直立歩行をしながらバランスを取るために、腰椎が前後左右に柔軟に動くように進化しました。これによって、世界中に歩みを進めることができたわけです。


(3)原因のメインブランチ
 腰痛の原因ははたして「二足歩行」なのでしょうか?
 タンザニアのハザ地区に住んでいる民族は狩猟生活をしているため、それこそ1日中歩き回っています。それなのに、「木から落ちて腰を打った」「転んで腰を打った」ということ以外の腰痛はまったくありません。
 また、長距離選手はかなり長い間二本の足で走っていますが、腰椎を調べてみると椎間板が劣化していないことが分かりました。これは、歩いたり走ったりすることで、腰の動きを滑らかにするコラーゲンが生成されるためなのです。


(4)アブ・フレイラのメインブランチ
 メソポタミア西部の遺跡である「アル・フレイラ」では、多くの人たちの背骨がかなり悪化している、つまり腰痛に苦しんだことを証明する遺骨が出てきました。この原因には、文明の進歩による生活方法ということが考えられます。
 アル・フレイダの人々は農耕文明の中で生活をしていました。収穫した豆や米を粉にして保存したり加工したりして食べていたのです。この粉を挽くという作業が腰に与える負荷がものすごく大きいのです。
 福島医科大学の調査によると、体重72キログラムの人が普通に立っている時の腰への負担は68キログラムであるなのに対して、前かがみの姿勢を取った時にかかる負担はなんと232キログラムもあるのです。
 アル・フレイダの人々は、“家族のため”を思って石臼を使って粉引きを毎日していたのですから、それ以上の負荷が腰にかかっていたはずです。
 人類が農耕文明に変化してきたことで、この他にも種まきや収穫の時に「前かがみ」の姿勢をとることが増えました。


(5)現代社会のメインブランチ
 最近、スポーツをする人の中にオーバーワークによる腰の故障をうったえるケースが増えました。例えば、テニスではボールを打つときに激しく腰をひねったり曲げたりします。その上、相手の打った強打を返球するという負荷もかかります。知らないうちに腰椎分離症や疲労骨折していたということがあります。
 腰は、同じ動きを長時間繰り返すことによって負荷が増していきます。

 他にも原因が考えられ始めました。

 実は腰痛治療の現場では最近まで研究から逃げていた背景があるそうです。なぜなら、腰痛の原因の85%が「原因不明」だからです。分からないから取り組めないという当たり前といえば当たり前な理由で研究が進みませんでした。しかし、ここ10年でかなり研究が進みました。
 その中で、「心理的ストレス」が腰痛に与える影響が大きいということが分かってきました。ある実験によると、心理的ストレスを与えた場合、背筋が緊張し、実質的に腰にかかる負担が70キログラムほど増すという結果が出ました。

(5)原因不明のブランチ
 作家の夏樹静子さんも腰痛に苦しんだ一人です。その痛みはまるで腰で火山噴火でもしているかのような、またはナイフで腰を切り刻まれるかのようなもので、どんな姿勢をとっても痛みが消えなかったそうです。担当医師は「心因性の腰痛」であると診断しストレスをなくす治療を行いました。
 夏樹さんはミステリー作家ですが、この腰痛が始まる前にミステリーではなく、これまで書いたことのないジャンルの仕事を始められたそうです。そのストレスがご本人の自覚を超えるほど大きかったらしい。しばらく入院して休んでいたら予定よりも早く治ったそうです。

 腰痛は心と密接な関係があることが分かってきました。
 心と体の両面からの治療が必要なのです。

 不安症の人はそうでない人の30倍、腰痛になりやすい。

 脳科学から見た痛みの出方も研究されました。通常、痛みというのは脳の視床を通過して前頭葉でその情報が整理され痛みとなるわけですが、“慢性化した腰痛”の場合は、視床を通りすぎて直接前頭葉が反応してしまうそうです。そうすると実際の痛みよりも「感情面での痛み」を感じてしまい、痛みのコントロールが不可能になっていく。自分の心が痛みを増幅してしまうという結果につながってしまうそうです。

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 脳が痛みを感じるしくみを理解しているかどうかで、痛みの感じ方が違ってくるだろうと思い、自分自身で人体実験をしてみました(笑)。というのも、ちょうど先週の土曜日から胃痛におそわれて自分の仕事もままならない状態で困っていました。食中毒かと思いましたが、どうやら胃炎のような気がします。
 そんなわけで、まずやってみたのが「イメージ療法」。悪の細菌武士団と善の免疫軍団が戦う様子をイメージしながら寝ていました。夢の中でも戦っていたのかなぁ?朝方、起きる直前に、頭の中にイメージされたのが「白衣の看護師さんチームが現れて善悪両軍共に助ける」場面でした。
 次に、痛みを感じた瞬間に、「視床を通して前頭葉では痛みを感じなくなるようなイメージを湧かしてみよう」というような自分の体内イメージを想起してみました。
 これ、けっこう効き目あります。

 でも、「そんなことしていないで、早く病院に行きなさい!」と怒られそうですね(反省)

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