地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

阪急と阪神、正式に経営統合へ

2006-06-03 20:49:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 かねてからマネーゲームの餌食になるかならぬかの渦中にあった阪神。その阪神と経営統合することによって地元密着の運輸・サービス業としての価値と競争力を一層高めようとする阪急 (その念頭にあるのは、かつて私鉄が占めていたパイを奪い去っていったJRWのアーバンネットワークであることは間違いないでしょう) と某ファンドとの株式買い付けをめぐる攻防が世間の注目を集めていました。しかしここに来て、某ファンドに証券取引法違反容疑が浮上して関連株が急落、ファンド出資者に配当を行うための利益を確保する必要に迫られた某ファンドが阪神株の公開買い付けに応じる姿勢を示したことから、阪神と阪急の経営統合は一気に実現することになったようです。
 かくして、戦時統合で合併させられていた多くの大手私鉄が戦後分離独立して以来、はじめての大手私鉄の統合が実現するわけで……しかも沿線カラーが異なる阪急と阪神の統合ですから、関西の私鉄王としても名高い阪急の立役者・小林一三翁もあの世でびっくりしていることでしょう!
 もっとも、経営統合後も阪急と阪神の社名はそのまま残るようですし、それぞれの路線に見合った経営がなされるのでしょう。それでも、とにかくアーバンネットワークに食われた客を取り戻して魅力ある私鉄網を作って行くことが最大の課題でしょうから、様々な統合上のややこしい問題を克服しつつ今後どのような方向性が打ち出されるのか楽しみです。
 とりあえずヨソ者の浅薄な思いつきとしては、梅田や今津での乗換の際、運賃はこれまで通り分割計算なのか、それとも通算or特定運賃になるのか……気になります (^^;)。
 いっぽう、かつて阪急・阪神両方の車両が須磨浦公園まで直通していた時代には実現していた地上区間での並びですが (撮ったことがないので……取りあえず記念として↑の通り、下手くそコラージュを作成してみました ^^;;)、経営統合後のダイヤ改正では果たしてどうなるのか… (^^;)。神戸高速に乗り入れる関係上、もし保安機器の規格が統一されているすれば (詳しいことは分からないものでスミマセン) どちらかの車両基地に両者の車両を並べて記念撮影会を行うなんていうのも魅力的でしょうね (ついつい妄想が……^^;;;)。



 いっぽう、もともと阪神との直通構想があるらしく、しかも今般の経営統合計画浮上に際して「ちょっと待った!」を発してもいる京阪は、今後一体どのような動きに出るのでしょうか?? ひょっとしてひょっとすると、長期的には同じグループ会社として京阪の電車が阪神を闊歩し、さらには新開地で阪急の電車と顔を合わせる……なんてこともあるかも知れません。少なくとも、西九条連絡線を介して阪神と近鉄が直通運転を始めるのは既定の路線ですし、場合によっては今回の阪神問題を引き金に (そして遠因としてはJRWの猛攻)、関西大手私鉄の大同団結・大再編という、ついこの間まではどう考えても妄想の極致としか思えなかった展開も有り得なくもない、何があってもおかしくない……と思われます (^^;;;;)。もっとも、それで組織が肥大化してしまって風通しが悪くなり、JRWのような体質になってしまうとしたら元も子もないでしょう。

 ともあれ、かつては夢のような話だった半蔵門線経由の東急・東武直通といい、地下鉄13号線 (正式名称は??) を介した東武・西武と東急の直通といい、はたまた新宿~日光直通の実現や相鉄←→JRE・東急構想の具体化といい……。鉄道趣味は妄想が時として現実になるからこそやめられないという気がします (^^;)。もっとも、関東の場合はそれがきっかけで経営統合するという可能性は余り考えられないのですが。