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ジトッとした梅雨が続きますが、それが終われば夏、夏と言えば海外……というわけで (→どういうこじつけ? ^^;)、消えゆく私鉄車両にヒートアップ気味な中での箸休めとしまして、東西の外国鉄事情をちょっと扱ってみたいと思います。
まずは東の方から。以前にも当ブログで少々取り上げましたが、中国が如何にも19・20世紀的なやり方による国威発揚を目指してかねてから建設中だった、世界鉄道最高地点をゆく「青蔵線」 (西寧~ラサ・約2000km) がついに7月1日に全通開業し、酸素供給装置付きの新型客車による特急列車が北京・上海・広州・成都とラサの間で運行されることになったようです。
それに先立つ事前レポートは、既に中国国内の各メディアで過熱気味に行われているところであり、開業当初の切符の確保は困難を極めているとか。そして、一番列車の出発式典などは、多分世界中のメディアをかき集めて大々的にやるでしょうから、恐らく近々その実情は日本国内のニュースや新聞にも大きな扱いで現れることでしょう。
そんな青蔵線の新規開通区間……じつは去年の9月に出張でチベット自治区を訪れた際 (すみません、余り人が行かないようなところとも取引がある商売なもので……^^;)、試運転列車の走行シーンを目撃してしまいました。これまで秘蔵していましたが、このたび開通に先立ち、建設・試運転の段階から異様に賑々しかった……というひとこまをご紹介することにしましょう。
ある日、ラサの用務先が用意したトヨタ製4WDで、従来からの最重要道路である青蔵公路を猛スピードで突っ走っていたときのこと。ちょうど完成間もない青蔵線の線路が道路のすぐ脇まで接近して平行するようになったため、「これは資材運搬列車でもやって来れば面白い」と思っていました。すると……何とも偶然なことに、本当に列車らしき物体が迫ってきましたので、運転手に急ブレーキをかけさせ、超速攻でカメラをセットして撮影したのが↑のシーンです。工事用として中国各地からかき集められたものの、本番の営業運転では使用されない「東風4型」が、工事施工部局の名称をデカデカと記した巨大プレートを前面に掲げ、ゆっくりと目の前を通過して行きました。
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機関車の後ろには10数両の貨車が連結されていましたが、これがまさにゲテモノ揃い (笑)。コンテナや戦車などを積載する「平車」の上に、工事に従事する労働者の宿舎を載せた車両、そしてクレーン車などなど……。デカデカと「仕事に忠実に真面目に働け」というスローガンが掲げてあるのはこの国らしいですね (笑)。貨車の縁に座ってのんびりしていた建設労働者のおっちゃんが、カメラを向けた我々に気づき手を振ってくれるなど、何とも悠長な列車でしたが……その日の夜に現地でニュースを見たところ、この列車がレールを完全に敷き終わってから最初の試運転列車だったそうです (爆)。
そういうわけで、期せずして世界鉄道史上まれに見る珍路線の歴史的な瞬間に立ち会ってしまった私……。今年の夏もまたこの地に出張で行くことになりましたので(一応飛行機ですが……高山病になりに行きます -_-)、いずれ改めて時代遅れの国威発揚祭りをレポートしてみたいと思います。撮りに行く時間があればの話ですが……(^^;
なお、これを撮影したのはチベットの都・ラサのすぐ西に位置するトゥールン・デチェン (堆龍徳慶) 県内で、線路の標高は4000m前後とそれほど高くないのでやや穏やかな (?) 風景ですが、もう少し北上したヤンパーチェン (羊八井) ~ダムシュン (当雄) 間は、標高7000m超の山脈が連なる絶景が展開します。
※実際に運行される車両をはじめ詳しい話題は、私もたまにお邪魔している「中国鉄道旅行記」掲示板をご覧ください。