東急ではこのところ5000系列の増備が相次いでいることによって、8000系列をめぐる事情が激変しつつあることについては、当ブログでもたびたび取り上げている通りですが、このたび、リンク頂いているMIYAさんのブログ「PRECIOUS」でも既に触れられている通り、田園都市線の8603Fのうち一部の車両が恩田の長津田工場に入場するなど、さらなる動きが進んでいます。
そんな中、私も「そろそろ伊豆急・長野・ジャカルタ (?) に行く8000・8500系をめぐって、恩田でもそれなりに動きがあるのではないか?」と思いまして、ちょうどMIYAさんと相前後するかたちで久しぶりに恩田を訪れてみました。
恩田駅のホームから眺めてみると、どこかに譲渡されるために (?) 入場している8603F、定期検査中の5001F、そして伊豆急向けにセミクロス改造中の8000系などがゴロゴロしていましたが、残念ながら入換を担当するデキ3021・ED301・デヤ3043の3両 (全て正式な車籍はなく工場入換専用) はどれもパンタを下げている状態。やはり気まぐれで訪れてもうまく入換シーンには当たらないなぁ……と思いつつ、一旦駅の外に出て、工場正門入口に近い位置に停まっていたデヤ3043を撮りに行ったのでした。
しかし、その撮影を終えて駅に戻る途中、低音で「フォッ」というホイッスルが鳴るのが聞こえました。「まずい!突然入換が始まった」と思い、大急ぎで恩田駅に戻りますと、ちょうど昭和4年=1929年製の超古典電機・デキ3021が、恐らく伊豆急向けと思われる8000系中間車を移動させていました!
とにかく、恩田での入換作業は運が良くなければ遭遇できないものですので「ラッキー!」と心の中で叫びつつも、貴重なシーンを何とか成功裏に記録できるよう、思わずカメラを握る手が緊張します (^^;)。一番本線側の留置線から8000系を引き出したデキは、再び工場に向かって8000系を押し込み、工場の中からやって来た鉄軌道&舗装面両用アント (にしてはデカい) に引き継いだのち、8603Fのすぐそばまで進んでパンタを下ろしてしまいました。この間、デキの移動距離はごく僅かでしたが、一連の過程はとてつもなく重みのあるものとして感じられたことは言うまでもありません (^^;)。
こうして、長津田工場の渋い面々にエスコートされながら工場内をこまめに移動させられつつ、新天地への旅立ちの準備を続ける8000系列の車両たち。このとき見かけた姿は、長期間雨ざらしだったり改造中だったりすることから、相当汚れが目立つ痛々しい姿でしたが、甲種回送されるあかつきには晴れがましい新たな旅立ちの姿を見せてくれることでしょう (^^)。そして、そんな激動期の8000系とともにある超古典電機・「カラス」ことデキ3021にとっても、しばらく忙しい日々が続くことでしょう……。
※【おことわり】デキ3021の下回りに本来かかっているはずの「ホッチキス」は、念写、もといレタッチソフトのスタンプツールを用いて消しております。あくまで個人的な楽しみですので……(^^;)。