地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

秋の夜長の八王子物語 (下) スハネフ14甲種

2010-10-24 01:00:00 | 貨物列車 (甲種輸送)


 今春に消えた寝台特急「北陸」に用いられていた14系客車のうち、一部は川崎市営埠頭へと運ばれてフィリピンに輸出されましたが、まだ全ての車両が廃車になったわけではないようで、そのうちスハネフ14×1が富士急に譲渡される旨が先日発売のDJ誌の甲種輸送情報で明らかになりました。富士急という僅か30km程度の私鉄に一体何故スハネフ14……と思うにつけ実に摩軻不思議な展開ではありますが、それと同時に、ふだん寝台列車とは無縁な中央東線にたった1両のブルトレ客車が佇み、そして走るという光景も想像するだけで濃いぃものがあります。
 そこで昨晩は、東北某県にお住まいでかねてからお世話になっております「ドクターJ」様が東京にご出張されたことから、夕方都内某所にて会食しつつ乗り鉄&模型鉄事情を中心に盛り上がったのち(楽しいひとときをありがとうございました! ^O^)、中央線に乗って夜10時前に八王子到着~。件のスハネフ14は機関庫の中に本当に鎮座していました……。深夜1時過ぎに八王子出発ということで、一体いつ入換をするのか全く見当もつかず、横浜線東神奈川行の終電が出発する23:41よりも後に入換開始ということであれば大したカットは撮れずに退散することを覚悟する必要がありましたが、まぁいつ何がどうなるか分からない気まぐれな展開に付き合うことが貨物撮影の要諦なのでしょう (^^;)。



 とりあえず、横浜線ホームの脇に停車していたEF65・原色赤プレという今や貴重になりつつある存在を撮影してヒマをつぶし、機関庫を見下ろす跨線橋から動きを待っていたところ……22:45にDE10のアイドリング開始! そして、人身事故のため遅延していた2087レ (根岸発坂城行) が、冷え込んだ深夜の駅構内に盛大なエアー緩解&連結器衝撃音を響かせながら23時ちょうどに出発した頃合いを見計らっていよいよ入換開始! 八王子駅の長い貨物用中線に1両きりのスハネフ14が転がされて来てポツンと放置されるという、恐らく最初で最後か……と思われる光景を楽しんだのでした……(*^^*)。残念ながら本務機 (EF64 1000?) が現れる前に横浜線東神奈川行終電の時間となってしまいましたので、ここから先の光景は目にしておりませんが、とりあえず夜11時から入換をやって頂いただけでも感謝感謝です……。そういえば、入換前の機関庫シーン (2枚目) も、昔ながらの機関庫の中に原色DE10と14系が佇むという、まるで東京機関区ありし頃を思い出すものがあり、これもこれで大いに撮り甲斐がありました……。そう、これはまさに消えゆく「国鉄」への挽歌に相応しい光景と言わずして何物なのでしょう……。しかも、この位置で入換開始を見届けたのは私一人!! 本当に素晴らしいひとときでした……(唯一の痛恨事は、ライト点灯後ただちに発車してしまい、バルブ撮影が間に合わなかったことでしょうか ^^;)。
 それにしても気になるのは、富士急がこのスハネフ14を一体どうするのか……ということですが、単に駅近辺や富士急ハイランドで置物にするのであれば甲種輸送ではなくトレーラー陸送でも良いはず。やはり甲種輸送でレールに乗せたままであるということに大きな意味があるのでしょう。もしかして……ディーゼル発電機を外したうえで車掌室に運転台を取り付けてクハネとし、2M編成の5000系あたりに連結させるとか……。そして、「深夜に大月出発→河口湖で仮眠→早朝のバスで富士登山」というパッケージを売り出すとか、あるいは「懐かしの寝台車でプチ旅→富士五湖&ハイランドへ!」というコンセプトを打ち出すとか……。妄想が止まらず大変恐縮ですが、まずは正式発表を待つことにしましょう。
 あ~あ、仕事が忙しくなければ今日の河口湖祭りも行きたかったのですが。いつの間に富士急もご無沙汰になってしまってますし……リバイバル2種とマッターホルン号撮りたい……(ボソッ)。

※10/26補記……『日本経済新聞』Web版・関東甲信越地方記事によりますと、このスハネフ14の用途は下吉田駅での展示用とのこと。「富士山が見える駅に置かれた『富士』客車」として宣伝するそうで……う~む、クハネ化構想はあくまで妄想に終わったようです (笑)。しかしこのような用途で本当に継続的に集客できるのだろうか……。展示=放置ということで、車体もすぐに傷みそうですし。




 バルブ形式写真? (^^;) 
 とりあえずミ○○カっぽくならないことを祈ります (爆)。