地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

社会主義日本エレクトリーチカ (仮) を作る (1)

2012-06-15 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 フリーランスネタを懲りずにもう一丁。ベトナムをこの春に訪問して以来、久しぶりに社会主義リアリズム的車両のハードコアでマニアックな魅力に感じ入っている私。そもそも体制イデオロギーとしてのマルクス=レーニン主義には全く好意を持てず(何せ平等を目指すつもりが、究極の不平等と底抜けの不幸ばかり生み出してきましたからなぁ……)、いくら世の中不景気だからといって絶対にそんな体制(または固有名詞こそ違えど類似の体制)の再来などまっぴらだと思うものですが、ただこの体制が生み出した鉄道車両につきましては、ソ連・東欧・中国・北朝鮮・ベトナムのいずれをとっても、優雅なデザインなどとは無縁な無骨さむき出しの超実用本位ながら、それでいて不思議と憎めない質実剛健さを備えているように思います。とにかく、上の計画に従って作りさえすれば良いというシロモノですので、ノルマさえ達成されれば使い勝手や持久性などどうでも良く、その結果故障が頻発してさっさと廃車になる車両も少なくなかったようですが、たまたま「当たり」でさえあれば少なくとも20年前後は走るということで、まぁ可もなく不可もないものの典型と言えましょう。



 そんな社会主義計画経済的車両のうち、当へっぽこ模型工場では以前中国・撫順のYZ31改造電車FK1を自作したことがありますが、その過程の艱難辛苦ぶりは筆舌に尽くしがたいものがあり、逆にこれを作ったために他の様々な加工がへっちゃらに思えるようになるという副次的効果すらありました (笑)。しかし、いくら社会主義計画経済的車両が再びマイブームになっているからといって、まさか適切な素材が見当たらない客車群やソ連・東欧のエレクトリーチカを作るというのは手に余るものがあります。一方、昨年早春に手がけた満鉄客車は、震災を境にすっかり加工ペースが鈍り、現在車番をどう表現するかをめぐって完全に頓挫してしまっておりますが、これは中国・ベトナムに残党があるとはいえ、あくまで帝国日本の技術の賜物であり、社会主義計画経済の産物ではありません。
 というわけで、脳裏に妄想として湧き出る社会主義リアリズム的雰囲気の車両をお手軽にフリーランス模型として表現するとすれば……徹底的に妄想路線を突っ走り、歴史すらも妄想的に描き換えるのが良かろうという結論になりました (滝汗)。もし万が一、第二次大戦の敗戦処理過程でソ連が口出しを強め、日本列島が分割される事態になってしまったとしたら……。そこでソ連の差し金で建国された社会主義「北日本」or「東日本」は、北朝鮮ほど間の抜けた国家ではなく、何のかの言って持ち前のものづくり精神をもとに、東ドイツとともにコメコン経済における精密機器加工の中核を担い、資本主義西日本or南日本に対抗意識を燃やすものの、結局は1989年前後の荒波の中で崩壊し、めでたく日本は統一……。
 このストーリーは単なる妄想ではなく、実際に有り得た可能性が高いというのは何とも恐ろしいところですが、ともあれこの「社会主義日本」では鉄道が大量輸送機関として非常に重要なインフラであることは言うまでもありません。そこで、他の社会主義諸国と同じく、鉄板を薄くするためにビードプレス加工を施した安物エレクトリーチカを投入することになったものの、1067mmのレールの上に戦前から優れた釣掛式通勤電車を投入してきたという歴史的遺産を踏まえ、他の社会主義国とは一線を画して可能な限り日本的なセンスを体現した車両を造った、という感じです(汗)。
 そこで、いつもお世話になっております「ぱれっと」様のブログにて紹介されているポーランドの通勤電車(一目で悩殺……^^;)の雰囲気、あるいはソ連製地下鉄電車や北京地下鉄2号線旧型車(既に全車引退……T_T)の雰囲気などを参考にしながら、GMの小田急2220形マスク+205系側面+201系屋根という組み合わせでボディを組み上げ、リトルジャパン名鉄3550形の前照灯を載せ、真鍮線なども用いて屋根廻りをテキトーにつくってみました。そして、これをダークグリーン+クリーム帯に塗れば、如何にも「日本的なエレクトリーチカ」になるかな……?と目論んでおります (笑)。
 とはいえ、試しに以前作ったGM東急9000系キットの余りクーラーを載せてみますと、突如社会主義エレクトリーチカではなく南海6300系的な雰囲気に近づくような気が……。こうなると、フツーに銀色を塗ることで、単なるフリーランスの私鉄電車としてしまいたい気分にもなるのですが、さてどうしようかと……。そこで、この車体にドンピシャな塗装の提案募集中~(笑)。採用させて頂く可能性はほとんどありませんが、よほどビビッと来たら採用するかも知れません。いや、そもそもこんな酔狂な舞台設定では、誰もがドン引き間違いなしでしょうか (^^;)。