地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

変貌する横浜駅とバス (1) 神奈中に新ロゴ登場

2012-06-28 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 毎年この時期になると、今や灼熱のジャカルタで活躍する東急8007Fや8039Fが「伊豆のなつ」や「リバイバル急行」として花道を飾ったことを思い出すのですが、彼らが活躍した東横線が既に横浜駅で地下に潜り、今や渋谷駅でも地下に潜ろうとしているのと同様に、「横」の字が意味する横浜も日々変貌を繰り返しています。とくに、往年の桜木町に代わって横浜市の代表駅となって久しい横浜駅は、中央連絡通路開通・東口大整備・東横線地下化工事……と、幼少時からの私の記憶にある限り常に何かしらの大規模工事が行われており、一時も同じ姿を留めず変わりゆく様はまさに無常のサグラダ・ファミリア状態 (爆)。そして今や、長年横浜駅西口のシンボルとして君臨してきた駅ビルが、東横線地下化→横須賀線ホーム拡充のプロセスが終わったのを受けて解体され、名古屋・大阪駅にタメを張るかのような高層新駅ビルへと生まれ変わることとなり、既に駅ビル (CIAL) そのものは昨年春で営業終了、去る5月末から建物内側にて解体工事が始まっているようです (『神奈川新聞』で見た記事による)。
 しかしそれは同時に、横浜生まれの神奈川県民にとって長年見慣れた原風景、すなわち如何にも昭和の高度成長期チックな駅ビルと雲集する路線バスの組み合わせが風前の灯火であることを意味します。そこで先日、横浜西口駅ビルに解体用のカバーが掛けられてしまう前に、そんな光景の記録に勤しんでみました。



 そこでまずは神奈中バス。神奈中といえば、昨年の大体いまごろ厚木営業所で盛大に100周年イベントを実施し、木炭バス三太号の勇姿を思わず激写したものですが、現実の神奈中は押しも押されぬ日本最大級のバス事業体として、神奈川県の大部分に加え一部三多摩エリアを網羅し、横浜駅西口にも当然のようにジャンジャン姿を現します。とりわけ、横浜駅西口にからむ運用は利用客が多いことから、エアロスター様が主体となっているのは嬉しいことですね……(^^)。
 そんな神奈中、如何にも好ましい雰囲気の社紋を前面に掲げ、一部の車両は社紋の代わりに「かなちゅう」と書かれたロゴを掲げてきましたが、ここに来て突如、100周年記念のあれこれの締めくくりとして (?)、青字で「Kanachu」と記した新ロゴが登場し、急速な勢いで勢力を拡大しておりビックリ (滝汗)。そこで「これはヤバイ……。社紋あり車と横浜西口駅ビルの組み合わせを撮るなら今が最後の旬か?」と思い、先日の撮影に及んだ次第ですが、社紋は外して塗り直すのに手間がかかることから、当面「Kanachu」新ロゴを正面に掲げた車両は「かなちゅう」ロゴ車両に限られ、社紋掲示車はこのまま経年廃車とともに次第に減って行くとみるべきなのでしょうか? それでも、前ドア及び運転席窓上のロゴは社紋掲示車であるか否かに関係なく急速に「kanachu」ロゴになっていますので、今が写し時……。
 ちなみに、今回の画像を撮影した日は、神奈中の長距離路線の十指に入る2枚目左の「横04 鶴間駅行」にそのまま乗って小田急江ノ島線へ向かってみました。かつて神奈中を代表する長距離路線には、横浜~相模湖、あるいは平塚~相模湖といったゴツい路線もあったようですが、鉄道の本数が少なく、モータリゼーションが進んでおらず、交通渋滞も大して無い時代ならではのものでしょう。そこで、今や神奈中を代表する長大路線は本厚木から宮ヶ瀬や半原といった山間部へ向かう路線や、鉄道が不便な平塚~秦野間の路線、そして東海道線の駅から遠い場所に住んでいる人々を拾う平塚~小田原間の路線、そして八王子~相模湖間の峠越え&免許維持路線が主流(?)となっています。というわけで、純粋に人口密度が高いエリアを走る路線として横浜駅西口~鶴間駅線が残っており、しかも毎時1~2本が運転されているのは奇跡に近いものがあります。
 もっとも横浜~鶴間間の移動は、明らかに相鉄と小田急を乗り継ぐ方が早いわけで、乗り通すのはバスヲタくらいのもの。しかも、運転手の手許にある行路表では所要1時間となっているのものの、何のかの言って横浜市内では敬老無料パスで乗り込む老人客で大混雑し、客扱いに時間を要するのみならず、渋滞にも巻き込まれますので、結局私が乗った際には所要1時間20分。先へ進むほどダイヤは当てになりません (滝汗)。このため、数年前までは30分間隔であり、さらに昔は15~20分間隔であったものが、今や半分が鶴ヶ峰~鶴間の折返しとなっており、横浜側も他の系統に統合されています。それでも、この約20kmに及ぶ大都市長距離路線が温存されているのは、横浜駅に出入りする多くの神奈中バスが大和営業所所属であり、非常に広大な範囲をカバーする巨大営業所である大和営業所のエリア一体性を演出するためだけの目的なのかも知れません。そして、実際に乗り通したのは、私の他にもう1名の明らかにバスヲタと思われる手ぶら客のみ……(^^;)。それでも、横浜~鶴ヶ峰間が均一運賃区間で、鶴ヶ峰から先も横浜市域が鶴間のかなり手前スレスレまで続くため、運賃はトータルでも300円とお・ト・ク♪ 電車で大和乗り換えであれば380円ですので……(笑)。
 風景的には、横浜市から大和市に入るまでひたすら国道16号線を走るのみで単調ですが、ふだん相鉄線利用では縁遠い旭区の田舎ゾーン、そして米軍上瀬谷通信基地がらみで残された広大な緑、そして下鶴間界隈(16号から大山街道[246号]の旧道に入る) の「やや狭隘路」など、それなりに見どころ(というほどでもないか)もあります。余程ヒマな方は、一度は試す価値ありということで……(^^;;)。