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日本の鉄道と同じく、昨年はインドネシアの鉄道をめぐってもいろいろな変化がありましたが、「東急ジャカルタ線」から「東京メトロ・ジャカルタ線」への目まぐるしいイメチェンぶりと並んで刮目せずにはいられないのが、客車列車をめぐる変動です。昨年夏のレバラン(断食明け)輸送を機に、とにかく無札・不正乗車を排除するという目的で、客車列車の二大ターミナルであるガンビール駅とパサール・スネン駅を全ての電車が通過するようになったのはビックリ仰天……。一応パサール・スネン発の急行列車はジャティヌガラに停車するのでまぁ良いとしても、 ガンビール発の特急列車に乗るためには、電車の駅周辺に宿泊しているにもかかわらず、ガンビール駅までタクシーで行くか、はたまたジュアンダ駅から少々歩け!ということになりましたので、嗚呼面倒臭い……。ガンビール駅を利用する中産層にとっては、タクシーや自家用車による送迎など余裕なのかも知れませんが……。
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そして、リンク頂いております『JABODETABEK COMMUTERS NEWS』様によりますと、近々計画されているダイヤ改正では、ジャカルタ・コタやタナ・アバン発着の急行・鈍行列車についても大変革が迫っているのだとか。従来ジャカルタ・コタ発着でブカシ以遠に向かっていた客車鈍行や、ジャワ中部・東部に向かっていた急行列車、そしてパサール・スネン発着の多くの急行列車は、一律にタンジュンプリオク発着に改められるとは……。かつてオランダが、蘭領東インドの偉大なる門として建設したタンジュンプリオク駅は、数年前の大修復にもかかわらずロクに列車の発着がなく巨大な遊休施設(そして最近は日本から到着したばかりのメトロ6000系の仮置き場)と化していたものですが、それをついに一大ターミナルとして活用しようということなのでしょう。駅前にはトランス・ジャカルタの路線がいくつか延びてきていますしね……。また、長らくジャカルタ・コタやパサール・スネンから発車し、環状線の北西部分をグルッと走ってタナ・アバンからスルポン→バンテン線に向かっていた客車鈍行は、前回も扱いました通り昨年夏のレバラン輸送以来一部がドゥリ発着となっていたわけですが、今後は一律にタナ・アバン折り返しとなり、こうして増加するタナ・アバンでのバンテン線列車用機回しの余裕を保つためか、従来タナ・アバン発着でマンガライを経由しジャワ中部に向かっていた数本の急行列車がやはりタンジュンプリオク発着になるのだとか。
うーむ、電車も客車もまさに激しく塗り替わろうとしているジャカルタの鉄道模様……。1枚目のように、タナ・アバンを朝6時40分頃に出発したエコノミー急行「クトジャヤ・ウタラ」(中部ジャワ南部のクトアルジョ行) が、マンガライの複雑なポイント群をゆっくりと渡ってマンガライ4番線 (ブカシ線本線) に入って来るシーンを激写したのも (明るい時間に客車列車がこんな感じでマンガライの線路を渡るのは、他に夕方の急行「ブランタス」のみ)、2枚目のようにジャカルタ・コタの客車区から午後のメラク行き快速がしずしずと入線するシーンを眺めたのも、間もなく昔語りになってしまうのですね……。「とにかく来る列車は電車・客車問わず全て撮っておけ」……これは新年以降もジャカルタ撮り鉄の鉄則でしょう。
それにしても、私が初めてジャカルタを訪れた2009年頃に鳴り物入りで登場した新塗装の非冷房エコノミー客車……何のかの言ってすぐに新規製造のトレンドがエコノミーAC客車に移行してしまいましたので、結局割とレアな存在にとどまっているような気がします。とくにバンテン線に投入された分は、タナ・アバン~ランカスビトゥン間の花形 (?) 列車である「バンテン・エクスプレス」に投入されたというのに、いつの間にか2枚目のように単なる鈍行列車にも組み込まれるようにもなり、逆に「バンテン急行」にボロいのが連結されていたりするという……(笑)。