地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

韓国PPセマウル・静かなる引退

2013-01-10 00:00:00 | 韓国の鉄道


 新しい車両が登場するごとに古き良き車両が去って行くのは、日本に限らない世の流れですが、新年に入ってネット散歩するにつけ、韓国のプッシュプル方式によるセマウル号の運用が消滅したという報せには、さすがに「一つの時代が終わったか……」という思いを禁じ得ません。PPセマウルといえば、経済発展に民主化……というかたちで急速に韓国のイメージが良くなって行った1980年代末における躍進の象徴であり、その俊足と極めて快適な乗り心地、そして大幹線である京釜線で頻繁に運行される姿は、韓国で鉄道旅行をする際の非常に大きな楽しみの一つであったと表現しても過言ではないでしょう! しかし、朴新大統領が就任する直前のタイミングで、彼女の父親が始めた一大政治運動の名を冠したセマウル号 (セマウル=新しいムラ or コミュニティ) の一つの時代が終焉したことは、単なる偶然を超えた感慨深いものを感じます。そして、引退にあたり特別な式典や装飾は一切なく、ごく少数のファンが見送ったということらしく……ここらへんはさすが鉄道趣味小国らしいですが、一時代を築いた名車の最後にしては寂しいですね (-_-)。



 まぁ、韓国鉄道公社=KORAILの内規に従えば、あらゆる鉄道車両は25年で廃車になることが定められているわけで、実際問題として韓国製の車両はさっさと壊れやすく、メーカーのアフターケアもおざなりという致命的な状況がありますので、80年代末~90年代前半に製造された車両、とくに先頭の動力車が限界に達していたことは容易に想像できます (とゆーか、台湾といいインドネシアといいフィリピンといい、韓国製車両はどれも安物買いの銭失いという運命。笑)。そこで今回は、ガタが来た先頭動力車を全て廃車に追いやり、状態の良い中間車は引き続き罐に引かせて客車セマウル号として、あるいはムグンファ特室として運用するようですが、いずれは素晴らしい座り心地を誇るセマウル客車も完全に離脱……。
 うーむ、韓国の鉄道も車種やデザインという面において加速度的につまらなくなりつつあるような……。これでつまらんロテム製車両ばかりが闊歩するようになり、しかも後先考えずC国に尻尾を振って日本に喧嘩を売るような言動ばかりが目立つようになれば、こんな国に遊びに行く意味があるのだろうか??と思う次第。個人的には所謂韓流なるものや、その延長でもてはやされている首爾漢城 (爆) のお洒落スポット・ボッタクリ市場の類には何~んにも興味はなく、シブい列車やありきたりな路線バスに乗って、フツーのケンチャナヨな雰囲気の街並みを訪ね歩くのを韓国訪問時の楽しみとするものですが、その肝心の鉄道車両がつまらなければどうしようもないではないか……と。1号線界隈の抵抗制御車やムグンファの古い客車のみならず、おフランス罐もいつまで残るか分かりませんし、いずれはVVVFの5000系 (最近の改番による新形式名は知らん ^^;) にフィーバーしなければならない時代が来るのだろうかと思わなくもありません (-_-)。
 そして……いつまで経っても都羅山から先、北朝鮮への定期列車の運行が実現しませんなぁ……。土砂降りの都羅山駅で、ごく短い期間のみ設定されていたソウル~都羅山直通セマウルを撮影しておいたのも、今となっては非常に貴重ですが、約5年半前の撮影時点では、遅かれ早かれセマウルが平壌に直通する可能性もあるのか??と思っていましたので、やはり将軍様の国は一筋縄では行きません。