昨日の『朝日新聞』には、昨年から就任した西武の新社長が年始回りを西武秩父から始めた云々……という記事が掲載されていましたが、その意図は何と!秩父を伊豆箱根のような一大観光地にしたいということなのだとか (汗)。さらに記事を読み進めてみますと、新社長はいずっぱこ社長から異例の栄転を遂げており、いずっぱこでの経験を踏まえ、通勤通学客減少の時代にあっての新たな経営戦略の軸として、伊豆箱根に勝るとも劣らない雄大な魅力を秘めた秩父の自然をアピールし、そのために副都心線と東横線の直通開始をフルに活用したいのだとか。うむむ……東急の駅に貼られている副直開始ポスターが、まさかロングシートの列車では行きたいとは思わない西武秩父の存在を強調しているのは、もしやすると西武からの強烈なリクエストを受けたものだったりして……(もちろん私は関係者ではありませんので真相は分かりません。悪しからず ^^;)。
しかし個人的には、そんな西武の観光開発路線もイマイチ何だかなぁ~と思います。これまで西武がいずっぱこを使って伊豆箱根で進めて来た観光開発は、どちらかといえば箱ばかりが目立ってアトラクティブさに欠けるような気がしますし (箱根○ヶ岳ロー○ウェー山頂駅などその最たるものだと思います。昭和30年代的ノリを楽しみたい向きには超垂涎モノでしょうけど ^^;)、それを秩父の小ぢんまりとした雰囲気の中でどう推進するのかと。むしろ秩父の魅力は、森と渓谷の美への探勝といい札所めぐりといい、あるいは (私はアニヲタ度ゼロですのでよく分かりませんが)「あの花」がらみの「聖地巡礼」といい、さらには鉄ヲタ活動といい……露骨なフェロモンや「リア充」欲求とは違った次元にあるのんびり・まったりさにあるのではないかと思いますので、そこに王子飯店 (華語) を頂点とする観光ヒエラルキーは似合わない……。現に西武は、秩父線を開通させて40年来、昔ながらの秩父の雰囲気には大して手をつけていないではありませんか (逆に宿がなさ過ぎて夜祭りの時だけ高騰という問題がありますが)。
というわけで個人的には、秩父谷の美しい自然や質朴な雰囲気がいじられずに保たれたまま、単純に電車に乗って西武→秩父鉄道を利用する人が増え、それに合わせて観光客をもてなすインフラも自然の美に逆らわないかたちで少しずつ充実して行くようになれば良いのではないかと思うわけです。
ただ、現実問題として……休日はさておき平日日中の御花畑~三峰口間はマジでほとんど客いねぇ……(-_-)。そこで今年からは、電車で秩父にやって来る観光客の受け皿である秩父鉄道でも、7800系導入による減量ダイヤがスタートすることが目に見えているわけですが、少なくとも影森での乗り継ぎが短時間なものであり、かつ分かりやすいパターンダイヤとなることで、乗客の利便が保たれるものであって欲しいものですね……。
いっぽう、少なくとも平日の (?) 日中3連による三峰口行はレアなものになって行くことが予想されます。そこで、1ヶ月少々前の話となったチョコバナナ1007Fのさよなら運転の際、稼働可能編成が3本となった5000系のうち2本がこうして末端部に姿を現したのは非常に貴重な出来事でした (^o^)。
かつて個人的には、秩父の楽しみといえば1000系 (そして7000系登場後は7000系列) 及びELでしたので、例えばベストな光線時や長時間の移動時に5000系がやって来ると残念感が内心炸裂したものですが (^^;;)、5000系だって都営三田線6000系だった時代には「ボロい……蒸し暑い……」と内心ぼやきながらも楽しんだギンギラギンにさりげない車両ですし、そもそも東武東上線との直通を意図した意欲作であったにもかかわらず叶わかったという不遇さも同情を誘うものがあります。そして今や、ジャカルタでの大活躍に触れたことで、秩父訪問時の5000系の株は急上昇 (爆)。秩父とジャカルタに転じたことで初めて高速電車としての性能を発揮するに至った都営6000系を温かい目で見守っているところです。しかし大井町線8090系の残り本数を考えるにつけ、1000系と5000系の稼働編成各3本が7500・7800系各3本に変わる可能性が高いと思われるわけで、1000系亡き後もしばらく走り続けると思われた5000系にもにわかに危機が迫っているのかも知れません……。
何やら秩父観光の話から5000系の話へと、相当なこじつけ的展開となってしまい恐縮ですが (いつもか? ^^;)、何はさておき今そこにある秩父の雰囲気と車両は「一期一会」の気合いで楽しみたい……そう思う新年です。