今日から始まる今年の大河ドラマは会津が舞台。所謂「朝敵」とされた幕末の会津藩をテーマとして選ぶこと自体極めてチャレンジングで大いに評価したいと思いますが、それ以前に何が重要かと言えば、主演が綾……(以下略 *^^*)。そこで、もし今年の大河ドラマが順調に視聴率を集めれば、風光明媚にして四季の恵みにあふれる会津は間違いなく観光客の注目を集めることになるでしょうが、それと同時に、間もなく震災から2年を迎える中、観光というかたちで東北、とりわけ福島県を支えるということも大事なのだろうと思います。
とか何とか言いながら昨年は多忙のため、のんびりと福島・東北に出掛けるタイミングを逃しまくり、気が付いてみれば一昨年夏の十和田撮影会&三陸の旅以来東北は御無沙汰、福島県はその際に通過したのみで純粋に目的地とするのは震災前以来の御無沙汰となってしまい、心の中には遺憾が残っておりました。そこで昨年末、年内の仕事が一区切りついたのを見計らって「そうだ会津田島に雪見に行こう。来年は大河ドラマ関連で野岩会津ルートの利用客が増え、今ほどまったりと出来ないかも知れないし (まぁそれはそれで運賃・観光収入増になりますので大変結構だと思いますが ^^;)、美味い蕎麦をすすって美味い地酒を買えば、ごくごく僅かながらでも福島支援にもなる」と思い、敢然と朝3時起きして東武快速の客となったのでした♪ そもそも、6050系の新造車が634型に改造され、6000系からの更新車も下回りが製造後約半世紀となりつつある中、何時まで6050系による快速・区間快速サービスが残るのかについても怪しい情勢となりつつあるように思われますので、思い立ったが吉日、6050系に延々と乗りまくることで「東武ん」を補給するに越したことはありません。
というわけで、冬至を過ぎたとある日の浅草6:20発の快速は、新鹿沼までゴルフジジババ (うざっ!) や通勤客を乗せてひたすら北上! 凄まじく良い天気に恵まれたため、車内の喧噪をよそに車窓は山岳遠望のスーパースペクタクル! 利根川を渡る前後を中心に、左は富士山から奥多摩奥秩父・八ヶ岳・浅間山・榛名山・谷川岳・武尊山・赤城山・皇海山・日光白根山・男体山・女峰山・高原山……要するに見える山は全て見えるという、山屋悶絶!の壮絶な世界が展開しておりました……(^O^)。新鹿沼からは、本来の (?) まったりとした静かな車内を取り戻し、6050・8000系共通の上質なサウンドが高速の山登りで盛り上がるのを楽しみつつ下今市へ! そして大谷川の鉄橋から男体山・女峰山の壮大なパノラマを望みつつ、次第に鬼怒川線を分け入って行きますと、五十里湖の鉄橋あたりから期待通りに積雪が増えて参りました♪ 冬の野岩線はこうでなくっちゃ♪
そして……普段であれば人煙稀な男鹿高原の原生林を眺めたのち、山王トンネルをくぐっていざ会津へ突入!となるのですが、今回は敢えて、かねてから一度は忘れずにやっておこうと思っていた男鹿高原駅下車を果たしました! (爆)
男鹿高原駅は、野岩線建設当初こそ山岳リゾート開発計画があったようでもありますが、何せ温泉がすぐそばに湧くというわけではない寒冷な原生林が広がる高地にあり、所詮バブルな時代に建てられた計画は頓挫、酪農を生業とする最寄り集落から徒歩数キロとあっては利用客などいるはずもなく、長年「秘境駅」として悪名、いや美名をほしいままにしているところであります。かつて急行「南会津」があった頃や、快速AMEXの登場当初は、野岩線内での通過駅が複数あったことから、時刻表上における男鹿高原駅の特異な存在感はさほど際だっていないように思われましたが、今やAMEXも男鹿高原を除く全駅停車となり、存在意義を失った駅としての「存在感」はむしろ増しているように思われる今日この頃……(^^;)。そこで下手をすると、臨時駅に格下げ、さらには休廃止となってしまいかねませんし、あるいは存続するとしても、将来6050系の撤退によって、「浅草から6050系に延々と乗って関東北端の秘境駅で下車する」というハードコアな悦楽が失われてしまうことが眼に見えています。したがって、思い立ったが吉日という言葉は、男鹿高原駅での雪見のためにあるのです!
というわけで、実際に下車して走行写真を撮り、駅前散歩などを楽しんでみたのですが……そもそもホームや駅前に積もる雪に踏み跡をつけたのは私が最初 (笑)。列車が去ってしまえば、全てがこれ静寂。いやはや、こんなに濃いぃ駅はそうなかなかあるものではありません。スノーハイク経験者であれば何ということはありませんが、山屋でない方でしたら、一面の雪の原生林の中に自分ただ独りという状況に、良くて小便漏らし、最悪の場合恐くて発狂……ということはないか (汗)。こんな感じで約1時間の無人境滞在を楽しんだ後は、浅草7:10発の快速に乗っていよいよ山王トンネルに突入したのですが、そういえば下車・乗車時のいずれも、車掌氏がちょっとびっくりした表情だったのには内心笑いました (^^;;)。
※車両の所属にしたがって東武カテゴリの記事としております。