地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

キハ58、盛岡駅で廃車を待つ・・

2008-04-15 12:15:17 | 国鉄型車両


 花輪線の「よねしろ」色キハ58撮影・乗車を終えた私は、今回の北東北の旅における最終目的地・盛岡に向かうため、大館8:43発の盛岡行に乗り込み、盛岡に到着するまでの約3時間、めくるめく雪景色や山岳展望を堪能したのでした。時間が時間だけに、車内は混み合うはずもなく、特に県境を越える湯瀬温泉の前後はキハ111・112の2連に乗客は僅か数人……。雪国のローカル線情緒を心から満喫する旅となったのは良かったのですが、同時に、ひとつだけ重大な誤りを犯していたことをひしひしと感じずにはいられませんでした。何故盛岡のキハ52・58が現役の頃に来なかったのか……と (苦笑)。やはり、個人的には八高線や水郡線の印象が非常に強いキハ111・112では、いまひとつ旅情を欠くことも否めないわけで……。もちろん、非常に快適な車両だとは思うのですが (^^;
 そんなこんなでのんびりとした盛岡行きの車内も、大更あたりで次第に混み始め、好摩からIGR線内に入りますと立ち客も多数! 大館出発時とは駅も車内も全く異なる盛岡駅のIGRホームに、定刻通り11:29に到着しますと、ミニオフ会の約束をしていた「ドクターJ」さんが、お仕事の合間を縫って出迎えて下さいました!!



 ネット上で知り合ったドクターJさんとお会いするのはかれこれ4年半ぶりですが、全くお元気そうで何よりで、駅前の美味しい焼き肉屋で盛岡名物・冷麺とカルビを楽しみながら、あれやこれやの濃いぃ話題でひとしきり盛り上がりまくり (^O^)。とくに、盛岡支社で活躍していたキハ52・58がビルマ (ミャンマー) への輸出のため川崎・千鳥町界隈に姿を現したことに関する拙ブログの記事には感慨も深かった……とのこと。そこで、あっという間のお昼休み利用のミニオフ会終了にあたり、まだ盛岡駅に留置中のキハ58を案内して頂くことになりました。
 在来線ホームの一番西、9番線に向かいますと……国鉄色のキハ58 1527を先頭に、昨年3月の花輪線運用離脱以来全く動きがないという非冷房のキハ58・計8両が、一面の雪に囲まれながら、いつ起こるとも知れない次の動きを待っていました……。この時点では、果たして廃車解体か、それとも既に旅立った僚車と同じく、ビルマなど東南アジア諸国への譲渡なのか全く見当もつかず、どことなく不安げな表情も漂っていましたが、同時にそこには「国鉄」の落日の栄光がしっとりと横たわっているかのようでもありました……。というわけでこの日は、「よねしろ」色乗車、そして一ノ関駅で455系の姿を記録におさめたことを含め、急行型車両たちの最後を見届ける貴重な一日となったのでした。
 なお、盛岡駅構内に残っていた8両のキハ58は、その後ドクターJさんから頂いた目撃情報によりますと、4両ずつに分けられてDE10牽引で最近南下していったとのことです。恐らく郡山かどこかに廃車回送されたのでしょうか……。
 ともあれ、最後は桜の季節に真冬の話題という季節はずれぶりで恐縮でしたが (^^;)、以上をもちまして、冬の北東北シリーズを終えることにしたいと思います。お楽しみ頂き誠にありがとうございました。m(_ _)m

急行「よねしろ」用キハ58・最後の奮闘

2008-04-14 00:24:35 | 国鉄型車両


 1/29に小坂鉄道を撮影したあとは、翌30日の昼に「ドクターJ」さんと盛岡でミニオフ会をすることになっていたのですが、それに先立つ30日の朝は、引退迫る「よねしろ」色のキハ58を満喫することにしました。そこで宿泊地として選んだのは、大館ではなく鹿角花輪。何故なら……小坂からは大館行よりも花輪行のバスの本数が多いということもあるのですが、大館宿泊の場合は花輪線の上り一番列車に乗ってようやく十和田南にてキハ58に遭遇できるのに対し、花輪宿泊の場合は駅留置シーンを撮影できるのに加え、6時22分発の下り一番列車で十和田南まで先回りしておけば、スイッチバック駅である十和田南にてキハ58の入線シーンを撮影できるということで……ホンの少々の工夫で楽しみが増えるからです (^o^)。
 そこで、花輪駅前の宿に泊まった私は計画通り早起きしまして、まずは鹿角花輪駅でキハ58をバルブ撮影! (3月7日付記事参照) その後は2駅移動し、次第に明るくなりゆく十和田南駅の構内踏切にてキハ58の来臨を待ち構えたのですが、時折雪が強くなって視界が悪くなり、光量も下がってヤキモキ……。それでも、7:16の定刻通りにキハ58が姿を現しますと、うまい具合に雪も弱くなり……墨絵のような森をバックに力強く入線するシーンを決めることが出来ました v(*^O^*)v。



 う~ん、それにしても、先頭の車両がキハ58 23とは……。膨大な数のキハ28・58が製造され、既にそのほとんどが消え去ってしまった中、その歴史の最初期に生まれた車両が、塗装変更・機関交換・室内アコモ改良を経ながらも、こうして堂々と県都直通列車の先頭に立っているのですから……キハ58の歴史を締めくくるにあたっての新たな伝説としか言いようがありません!
 そして、私が撮影後に乗り込んだ最後部の車両は、キハ58 1502! (2枚目の画像。十和田南→大館間は先頭)  RP誌の08年3月号でも紹介されている通り、この車両は何と国鉄気動車5000両達成を記念する由緒ある存在です! 3両中2両がかくも伝説的な車両ということで……何気に超デラックスな編成に乗ってしまった私の心臓はバクバク (笑)。しかし、この列車の東大館までの顧客である高校生の皆様は、そんなことはつゆ知らず……恐らく進学校の生徒サンで、試験でもあるためか (?)、それとも進行方向を向いたリクライニングシートの効用か、発車すると不思議なほど車内は静かになりまして、ただ床下の2つのエンジンから発せられる力強い唸りだけが響き渡っていました。しかも、沿線風景は折からの雪で、完全に白と黒のコントラストの世界……。引退間際にこのような列車に乗り合わせることが出来て本当に良かった!!と思ったのでした。正直なところ、その魅力に気付いて訪れるのが遅すぎたほどです (花輪線の他の普通列車に用いられていたキハ28・58も、個人的には結局盛岡駅でちょこっと撮っただけでしたし……汗)。
 そんなことを考えているうちに、列車は東大館で高校生を全て吐き出し、その代わりに秋田へ向かうビジネスマンを少々乗せて大館に到着。数分の停車時間ののち、「快速」表示も凛々しく秋田へと走り去って行くキハ58を見送りながら、果たして波動用として生き残ることが出来るだろうか、それとも近いうちに川崎港に姿を現すのだろうか、あるいはそのまま解体だろうか……と、その今後を案じずにはいられませんでした。
 【4/15補足】DJ誌最新号によりますと、波動用として残るとのこと (^^

小坂鉄道・樹海の咆哮 (3) 急勾配に挑む

2008-04-13 23:55:00 | 貨物列車 (臨海・専用線)


 茂内駅からとっさにダッシュして向かった先は、構内大館方の外れにある腕木信号機! 今のところ最初で最後の可能性が高い小坂鉄道訪問の機会に、大館まで重連で向かうという偶然が重なった以上、茂内駅のホームで大館行き貨物と小坂行き重連単機の発車を見送るよりも、重連と腕木の貴重過ぎる組み合わせを狙おうと思ったのでした。しかし……駅舎からここまで、ただでさえ数百mの距離があるだけでなく、自分が履いていたのは重くてゴツい革製の登山靴 (^^;)。しかも片手には重い望遠ズームレンズを装着したデジ一眼、もう片手にはこれまた重い三脚、背中にはその他機材を詰め込んだリュック……。足が思うように上がらず、しかも背後では発車の合図のホイッスルが数回鳴り響き、いよいよ「ヤバい!これは間に合わない!!」という焦りが……。それでも、何とかこのチャンスを決めたいという思いが辛うじて天に通じたのか、腕木信号機を過ぎてある程度過ぎた位置でパッと振り返り、無我夢中でフレーミングをしますと……ちょうど重連が画面内を突き進んで来るところでした!! やった……間に合った!! v(^O^)v 但し、このあと15分ほど、息が切れてヘトヘトだったのは申すまでもございません。小中学校での徒競走を含め、人生でこれだけ全身全霊を振り絞って猛ダッシュしたことはないですね……(爆)。



 ようやく呼吸が元に戻ったあとは、約2時間後、午後4時過ぎに大館から戻って来る小坂行をどう撮るか……ということで、線路脇の道路を行ったり来たりしながらロケハンをしたのですが、編成を全て入れることが出来る腕木信号機の脇の位置は、背後に場違いなゴミ焼却場の煙突が見えるためボツ……。急勾配を登ってきた編成が緩くカーブを切りながら進んで行く、絶妙なアングルだったのですが……。
 そこで目星を付けたのが、線路脇の道路を下り切った位置。ここは予想される長大編成を全部おさめることは出来ませんが、深い森の中を行くムードは満点! しかも、積雪を踏み固めて「にわかお立ち台」をつくれば、ホンの少々ですがアイポイントを上げて、列車を見下ろす構図にもなります。
 というわけで、の~んびりと待ち構えることしばし……。やがて日も傾き、「雪の照り返しがあるとしても、そろそろISO400・1/250秒 f5.6を確保するのは難しいかなぁ……」と心配になったそのとき、遠くの森からホイッスルが鳴り響き、やがて前照灯が木々の奥から見え隠れするようになりました! 時折「ウォォォォン!」とこだまするエンジン音から、DD13重連が20‰前後の急勾配で死闘を繰り広げている様子が伝わってきます。そしてついにファインダーの中に列車が登場!! いよいよエンジンの咆哮は激しく鳴り響き、人間がダッシュする程度の速度でゆっくりと登って行きます!! タキを23~4車ほど連結した怒濤の長大編成 (1/30アップの速報版をご覧ください) が茂内駅へと消えて行くまで2~3分の間、もうただただ圧倒されるのみでした……。
 小坂鉄道は現在、国土交通省に休止届を提出して受理されており、果たしてこのまま廃止となるのか、それとも新たな輸送品目を得て息を吹き返すのか、その行方は全く分かりません。しかし……何とか後者にならないだろうかと願っている貨物ファンは少なくないことでしょう。
 ともあれ、こうして心の底から小坂鉄道撮影を満喫した私は、小坂でバスを乗り継いで鹿角花輪に向かい、まずは宿で紹介してもらった近所の小料理屋 (駅からすぐそば) にて、きりたんぽ鍋 (一人前にしては超大盛でたったの1500円!) と舞茸の天ぷら (これも怒濤の山盛りでたったの350円!) に舌鼓を打ちまくって満腹!超満足! 興奮の一日を粋に締めくくるとともに、翌朝のもうひとつの感動に備えて英気を養ったのでした……。

東急8500系・東武非直通編成最後の桜?

2008-04-11 20:14:35 | 大手民鉄 (東急)


 今年も首都圏では桜の季節が過ぎ去って行きました。満開の期間が寒さのために長かったのはラッキーでしたが、やはり散ってしまうと少々空しいものがありますね~。もちろん、その後にやってくる新緑の季節も大好きですが、個人的にはやはり「一刻も早くヒノキ花粉消えろ!」の一言に尽きます (爆)。
 そんな今年の首都圏の桜と「鉄」の組み合わせ、残念ながら多忙のためじっくりと撮影に取り組むことは出来なかったのですが、先日アップした桜吹雪の東急8001Fと合わせて、田園都市線での「出勤ついで鉄」が一番の成果でした。とくに、東急では大井町線用6000系や目黒線日吉延伸用5080系の増備が一段落し、近いうちに田都用5000系の増備が再開されるということで、田都8500系の東武非乗り入れ車・残り3編成の立場が極めて危ぶまれており、何とか名残の桜シーンを撮れないものか……と思っていたところ、8500系最後の幕編成・8606Fをゲット! \(^O^)/ 朝のラッシュを終えて長津田に引き上げて行く列車がダンゴ状態気味な中、こういうときに限って高速で通過して行くのは「アチャー……」という感じでしたが、速攻でシャッター速度と絞りを変えてセーフ!(ホッ)。



 もっとも、8606Fは06年夏に検査を通っておりますので、ひょっとすると来年以後も桜との競演が見られるかも知れません。これに対して、8609Fと8612Fは約5年前に重要部検査を受けたきりといわれ、こまめな休車で検査期限を延ばしているものの、そろそろ検査切れも時間の問題でしょう……。そこで、5000系の入線により真っ先に廃車となっても全く不思議ではありません。とくに8612Fは、長らく休車気味な状態が続いたと思ったら、ここに来て急に復活しており (今週に入ってから?)、今日も半蔵門駅で見かけて大いにびっくり。恐らく廃車を目前にして、使えるだけ使うことにしよう……という判断なのだと思われます。
 というわけで、8612Fと今年の桜の組み合わせは撮っていないのですが、8609Fについては無事に桜シーンを記録出来て良かったなぁと思っています。果たして、廃車後に向かうところが長野なのか、インドネシアなのか、部品取り用として解体されるのか、それとも別の私鉄なのか……行方は全く分かりませんが、見事な桜との競演は、8609Fにとっても田都最後の良き思い出になったことでしょう。
 ちなみに、かねてから進められていた長津田工場の反対側・東横車輌電設の大改造工事ですが、既に線路も敷かれて完成目前という雰囲気です。これに合わせてかどうか分かりませんが (^^;) 商号もいつの間にか「東急テクノシステム」に変わっており、新正門に堂々と掲げられておりました。完成後は、譲渡対象となる8500系が続々と入場することになるのでしょうか……

伊豆急冬物語 (4) クモハ103動く!

2008-04-09 13:14:50 | 事業用車両


 伊豆はこれから春から初夏へと一気に彩りを変える頃ですが、管理人の私は最近超多忙につき、引き続き真冬のネタで失礼します (汗)。
 さて、昼どきに伊豆高原を訪れますと、平日は出番がない2100系×2編成や、3編成中2編成の使用のため必ず1編成が余る200系、そしてすっかり多数派になった8000系の数編成が庫内を埋めており、かなり賑やかな印象があります (^O^)。しかし、午後の始発となる6連と増結2連が相次いで出庫してしまいますと、一気に庫内はスカスカ?な雰囲気が増し、2100系の洗車でもない限り静寂の世界に変わります。そんな中、構内入換車として今も残る伊豆急の至宝・クモハ103が果たして動かないものか……と儚い期待を抱きながら、引き続き伊豆高原のホームに佇み続けたのですが、そんな期待が叶う保証はどこにもなし。昨11月に訪れた際にも当たり前のように動きませんでした。そこで、熱海に向かう5652Mの発車を見送りながら、「あ~あ、行っちゃったなぁ……。空いている増結車に乗れば8000系のサウンドを満喫できるのに」とつぶやくしかないのでありました。
 しかし……待つこと数分にして何と!突然ぞろぞろと現れた工場関係者の方々がクモハ103に乗り込み、パンタが上がったではありませんか!! \(@v@)/ そして少々動いて、副本線の脇に留置されていたサロ2191 (アルファ・リゾート21編成のロイヤルボックス) と連結!!



 こうしてにわかに実現した、生え抜きの至宝ともう一つの目玉車両による凸凹編成は、しずしずと庫内を動いて奥の方へ行ってしまいましたが、その余りにも神秘的な光景に思わず目が釘付けに……(*^^*)。
 すると、ホームでクモハ103に夢中になっている私の存在 (笑) に気付いた係員の方が「しばらく待っていればまた戻ってくるよ~!」と声をかけて下さいました。そこでもう少し待ってみますと、クモハ103は、中間で分割されていたアルファ編成にサロを受け渡したのち、単独で検修庫前の定位置に戻ってきまして、手歯止を車輪に噛ませたのちすぐにパンタを下ろしてしまいました。リゾート21EX・黒船編成に組み込まれるサロ2181が何やらおむすびを思わせる姿で佇んでいますが (^^;)、クモハ103との並びシーンもなかなか絵になりますなぁ……。
 とまぁこんな感じで、滅多に動かないクモハ103が動くシーンを眼に出来たのは本当にラッキーでしたが、もちろんクモハ103単独のカットも撮影しておりますので、冬の伊豆急シリーズの次回 (最終回) はそれをアップしてみることにしましょう。どうぞお楽しみに~。
 ※ちなみに、アルファ編成のロイヤルボックスは、ただでさえずば抜けて豪華なだけでなく、トンネルに入ると天井がにわかに海底風ディスプレイで彩られ、圧巻です……。今では特急「リゾート踊り子」運用時のみの連結ですが、バブリーな時代を回顧する話の種としてオススメ (^^;)。