地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

急行きたぐに・定期運行あと約1ヶ月

2012-02-19 00:00:00 | 国鉄型車両


 大阪からかつては青森、そして今は新潟のあいだを結び、北陸線の夜の王者として君臨してきた急行「きたぐに」は、同時に日本最後の583系定期運転列車(「快速あいづ」代走を除く)として、夜行列車の旅情を求めてやまない鉄道ファンの熱い視線を浴び続けて来ましたが、昨今の夜行列車を取り巻く環境の激変に伴い、来る3月16日発車分を以て定期運転を終了するのは周知の通りです。個人的にこの列車は、関西出張ののち長電訪問や上毛大胡まつり・秩父広瀬川原まつりへの参加のために何度か利用したものですが (どーゆー利用目的……^^;)、結構利用価値が高い時間帯を走っているにもかかわらず利用客減→定期運転終了となってしまうのは、それだけ高速バスやツアーバスの攻勢が著しいからでしょうか。そして夜行列車が儲からず、ダイヤ乱れを引きずって他の列車に影響を与えやすく、分割民営化によってJRが生まれたことの負の側面として会社間の調整も手間となり……。こうして、ごく一部の超目玉列車を除いて長年来夜行列車対応の新型車両が出来なかった結果、583系も老朽化の極みに達しているのは否めないでしょう。今回の定期列車としての終焉は、一部の編成をつぶして部品を取り、繁忙期の臨時列車や団臨として辛うじて延命させようという策であると解釈できますが、果たして臨時列車としての運転も何時まで続くでしょうか?



 というわけで、名残を惜しむのであればなるべく毎日走っているうちに(そして最終日ギリギリよりも前に)済ませておくに越したことはありません。そこで先日の京都出張にあたっては、駅前の宿に泊まっていたことを活かしまして、6時15分過ぎに到着する大阪行「きたぐに」を撮影してみました☆ 
 まずは5時50分頃に入場券を購入し、昨日アップの通り他の列車を撮影しながら徐々にテンションを上げていたところ……6時10分頃「きたぐに」に関するアナウンスが。何と……北陸線内での線路支障により途中駅を20数分の遅れで走行中とのこと……。まぁ遅延回復走行に努めれば京都到着はもう少々早まるでしょうが、今やJRWがそんなことをするとは思えないのも確かですので、6時20分頃には撮影を終えて6時半から宿の朝食を楽しむという目論見は崩壊……。しかも寒気の入り込みで夜明け前の京都駅は極寒……。思わずひるんで「腹も減ったし、撮らずに宿に戻ろうか」という甘い誘惑が脳裏をよぎったものです (汗)。しかし、やはり「きたぐに」を撮ることの方が重要だ!と思い直しまして、空が白み始めて刻々と露出が変わる中、綿密に試し撮りを繰り返して「きたぐに」到着に備えたのでした。
 そして……85mmF1.8という明るいレンズ越しに見つめる3灯ハイビームの強烈なまぶしさとともに、ついに「きたぐに」が到着!! どれだけ長年の痛みや色褪せを重ねようとも、583系の重量感あふれる存在感は圧倒的ですし、背後に巍々として聳え立つ京都駅ビルとの組み合わせも、鉄道というインフラが本来ふんだんに湛えていたはずの重厚長大さを強烈に思い出させてくれます……。「きたぐに」はこうして約2分の停車を経て、大阪へのラストスパートに踏み出して行きましたが、ともあれ残すところあと約1ヶ月となった定期運転が無事故で、そして天候悪化による運休をなるべく免れるものであって欲しいものです……。
 ※EOS 5D MarkⅡ を使用し、手持ちで撮影しております。三脚・フラッシュは一切使用しておりません。また2枚目の画像は、画面左上に写っている屋根をレタッチソフトで消しております。

京都駅午前6時・国鉄型車両の鼓動

2012-02-18 00:00:00 | 国鉄型車両


【5時54分・113系永原行】3色団子8連♪ 西207系は邪魔……(^^;
湖西線は明らかに抹茶色が増え、こんな編成は風前の灯火?



【6時9分・205系尼崎行】205系の京都入線は確か1日1回?
富士急に行った兄弟が最悪な姿となり (怒)、西色が余計にシブい……。



【6時19分・117系近江今津行】夜明け間際のディープブルーも美しく。
抹茶色は楽しみですが、今は伝統の関西急行色をきっちり要記録!



【6時30分・103系奈良行】非ユニット窓車も果たして何時まで……?
嗚呼……103系がブロワー音を上げて目の前に佇んでいることの幸せ!

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 先日は約2ヶ月ぶりに京都に出張しまして、京都駅前の宿に泊まったことから、ついでに早起きして未だ暗いうちから撮り鉄に励んでみました。これまでの京都出張では、前日の疲れから早朝からの撮り鉄はしたことがなく、しかも底冷えする真冬の早朝とあってはなおさら「何をわざわざ……」という気分にならなくもないのですが (^^;)、、今回はここしばらくの多忙から解放されて約20日ぶりに鉄活動できることの嬉しさもあって思わず早起きし、刻々と移り変わりゆく国鉄型車両事情のいまを記録したという次第です。しかし……この時間帯の京都駅にはもっと重要な列車が来るはずですので、勿論これだけで終わるわけがありません (と申しますか、その列車のために起きたのです。笑)。というわけで続く……(^^;)。
 ※なお、全てEOS 5D MarkⅡを使用し、手持ち撮影しております。

小田急20000形・引退まで残り1ヶ月

2012-02-17 00:00:00 | 大手民鉄 (小田急)


 JRと小田急の3月ダイヤ改正まであと約1ヶ月。周知の通り、それは小田急のバブルの遺産たるハイデッカー構造ロマンスカー・10000形及び20000形の引退まであと1ヶ月であることを意味します。既に小田急の各駅には5000形を加えた計3形式のラストランを伝える大型ポスターが貼られて雰囲気が盛り上がっている (?) のみならず、3形式の側面には公式HPにもある通り記念エンブレムがラッピングされている今日この頃。さらに先日には、来る3月下旬の週末に海老名で大々的に撮影会が開催される旨告知されました……。小田急自身、どれだけヲタが殺到し問題が起こるのか見通し難いというリスクを冒してでも、これまで小田急の一時代を築いてきた車両群の永遠の旅立ちを記念しようという姿勢がどうやら明らかなようですので、ここは一つ沿線住民のはしくれとしても、最終日ギリギリのカヲスが現出する前に何かしら行動を起こしても罪にはなりますまい、と思う次第です。



 そこで先日敢行したのが、20000形スーパーシートの記念すべき初乗車 (爆)。いやそもそも……沿線に長らく住んでいながら、20000形の乗車機会とは基本的に馴染みの薄い江ノ島賎民なもので、20000形に乗ること自体が過去約21年来未体験だったという……(超滝汗)。そこで、せめて一度は最初で最後の20000形乗車を味わっておくべきだと思っていたのですが、先日そんな江ノ島賎民にとって千載一遇のチャンスが巡って参りました! 都内某所にて超久しぶりに身分不相応な (^^;) イタメシのディナーコースとワインを味わって口福を尽くしたのち、フラフラと新宿駅に向かったところ、藤沢行・ホームウェイ91号に乗るのに何とも丁度良い頃合い。そこでさらにロマンスカー指定券の販売状況を示す表示を見てみたところ、何と!20000形のイラストとともに「普○・グリーン○」と表示されているではありませんか!! というわけで、このときワインの酔いが回ってすっかり上機嫌となっていた私は「よっしゃ!!」と即断即決でスーパーシートの指定券をゲット!! 
 そしていよいよ発車! バブルの遺産そのものな快適この上ない座席に深く身を沈め、普段は自分もその一員であるはずの急行・各停利用客の大群を見下ろしていますと、「汝等まつろわぬ労働者大衆諸君、お疲れなことよのぅ……フハハハハハハ!」などという虚勢を張りたくなるというものです。安月給の江ノ島賎民がたまに贅沢をして俄か成金ぶると、これだからどうしようもありません (^^;;;)。
 ちなみに、20000形スーパーシートの贅沢さは、民鉄特急では恐らく近鉄アーバン&伊勢志摩ライナーのデラックスカーに匹敵するかと思われますが、屋根の高さ及び標準軌であることによる走りの良さは圧倒的に近鉄の勝ちでしょうか。丸天井が醸し出す高級感は50000・60000形が今後も継承することになりますが、椅子の硬軟は比較すること自体愚かなほどですので、まぁ何のかの申しまして、小田急からこういう超絶に快適にして虚勢を張れる空間が消えるというのは趣味的に寂しいことだな……と今さらながら思います。
 20000形の普通車は富士急に移籍する方向で話が進んでいるようですが、2階建車両は恐らく解体されるわけで、古さは全く感じないだけに勿体ないの一言。まずは残り1ヶ月安全運転で有終の美を飾って欲しいものです。そして、海老名イベントも全ての小田急ファンが心から別れを惜しむひとときとなりますように……。
 ※EOS 5D MarkⅡで手持ち撮影し、ストロボ・三脚は一切使用しておりません。


 下車駅がモロに江ノ島賎民の証……(汗)。
 南林間以北・藤沢界隈であれば全然格上ですけど (笑)。

第三ジャカルタ炎鉄録 (37) 東急8610F

2012-02-15 00:30:00 | インドネシアの鉄道


 時間の流れは早いもので、昨年夏のジャカルタ撮り鉄の際に骨折し、帰国当日に手術&ギブス姿となってから、本日でちょうど半年となりました。おかげさまで既に日常生活と鉄活動には何の支障もなく、むしろ筋肉回復のためガンガン歩いているため脚力はむしろ骨折前よりもアップしたほどですが、まだ正座が出来ないという後遺症はリハビリを続けて治すしかありません。ま、ぼちぼち参ります……ということで、ご心配下さった皆様のご厚情に心より御礼申し上げます m(_ _)m
 それはさておき先日、ジャカルタ現地発信の日本語メディアである『じゃかるた新聞』のHPを見ていたところ、来る3月からインドネシア鉄道では全面的な禁煙に踏み切るとか(有料会員ではありませんので見出しの内容しか分かりません ^^;)。インドネシアには総じて無類の煙草好きと思しき人々が多く、道端の屋台風の小店舗(ワルン)では1本からバラ売りしていることもあり、至るところで朦々と紫煙が上がりまくり、とりわけ非冷房の客車列車やエコノミー電車内は、まるで日本の喫煙車かと思うほどの強烈な濃度となることもしばしばですので、非喫煙者とってはある意味でツラい空間です。しかし、エクセクティフ (1等車) とジャカルタの冷房電車については、空調ONで密閉された空間であるためか、既に禁煙が基本的に徹底しています♪ まぁ、ジャカルタ・コタやボゴールでの折返し待ち時間には、ドアに立って暇つぶしで吸っているヤツの煙が流れ込んで来ることもありますし、以前ブカシから東急8500系に乗った際には、途中チャクンあたりから乗り込んで私の隣りに座ったオヤジが「ドアが開く直前まで吸い続け、車内では吸わないものの火を付けたまま消さない」というムリヤリな状態で煙草を指に挟んでいたため、8500に乗っている気分が台無しになるという事態もありましたが……。



 もっとも、ラマダーン(断食月)に訪れますと、基本的にムスリムは飲食だけでなく煙草も日中断ちますので(吸っているのはキリスト教徒と華人だけ→しかし商売が上手く金持ちが多い華人はエコノミーにはほとんど乗らず[?]、キリスト教徒も多数派ムスリムを前にして遠慮がち)、煙が朦々と立ちこめるエコノミー車内の空気がかなり改善され快適(?)になるのも事実です。というわけで、ラマダーンに伴う苦労を覚悟していた昨年夏の訪問も、実は訪れてみれば結構すがすがしい気分だったのでありました。全クラスの禁煙を鉄道当局が宣言するといっても、どうせエコノミーは相変わらずでしょうから、今年もまたラマダーンを狙って訪れるかも……(とゆーか、今年も夏休みを確保して訪問できそうな時期とラマダーンが重なるというだけの話ですが。汗)。
 というわけで (?)、今回は東急8610Fをアップしてみましょう。ジャカルタの日本中古冷房車陣営の最大勢力でありながら、今やメトロ6000・7000にその座を脅かされている東急8500系陣営のうち、8610Fは8607Fと並んで正面の幕装置を温存している貴重な編成ですが、ジャカルタで走り始めてからはや数年、故障やら何やらのためにデハ8610の幕が機能しなくなっていた (2枚目) のは仕方のないことでしょうか……(あるいは破けた幕の補修中でしたっけ?)。いっぽうデハ8510につきましては、恐らく補修のついででしょうか、新たに現地駅名幕が入り、黒地に白地で「BOGOR」を凛々しく表示した姿に感激したものです……(*^^*)。もっとも、初日の朝にこの幕を撮影したのも束の間、次に遭遇した際には誰かが回してしまい黒一色になってしまってガックリしたものですが……(泣)。
 思うに、去る12月のダイヤ改正によって列車運行系統が整理されて以来、同じボゴール線を行く列車でも「赤線(中央線直通~ジャカルタ・コタ)」と「橙線(タナ・アバン直通~環状線~ジャティヌガラ)」と系統が分かれていますので、何とかこの幕装置を活用して赤幕・橙幕(そしてブカシ線用の青幕)が表示されるようになることを期待したいものです。そうなれば、あたかも「大井町線の緑幕ニコタマ行」を彷彿とさせるものになりそうですし、既に05系にはそのような色幕を用意した車両も現れているようですので……。

東急8614F「早春の伊豆」と淡雪景色

2012-02-14 00:30:00 | 大手民鉄 (東急)


 最近、着ぶくれラッシュのためもあるのでしょうか、田園都市線のダイヤ乱れによる運用変更の類が非常に多く、しかもそれが一日中尾を引いているような気がします。そこで、例えば大手町駅のホーム中央にある業務用時刻表でこれから乗る列車の運行番号をチェックし「これならまぁ大体○Kやフツーの8500で来てくれるだろう」とワクワクしていると……たとえば夜の35Kがメトロ08系で来たり、44Kが5000系6ドア組み込み編成で来たりという筆舌に尽くしがたい悲劇が起こり、思わず眩暈で倒れてしまいそうな気分に……(@o@)。その瞬間までは「○Kエクスプレスで新玉川線地下を大爆走♪」と期待していたのもどこへやら、席を確保しても「こんなはずじゃない……これは何かの間違いだ!」「何故1本前にやって来た8500[またはメトロ8000系の電機子チョッパ温存車]の各停に乗らなかったのか? 桜新町で抜かれる空いた各停でじっくりと音を楽しめたはずなのに……」という煩悶とともに、まるで世界が終わったかのような気分にならざるを得ません (苦笑)。



 しかし、そんな不運ばかりでは本当に鬱になってしまいそうですので、卑小な人智を以てしては到底測りがたき天・神・仏は、たまには最高の巡り合わせを用意して下さいます。先月下旬の秩父7506F甲種輸送に先立って、少々雪景色と田都をからめて撮影した際には、何とさほど待たずして8614F「早春の伊豆」を撮影出来てしまったという……(^O^)。まず中央林間から少々乗った列車、そしてすれ違った列車は、ダイヤ乱れの影響が悪い方向に出てしまい、あろうことか5000系6扉車組み込み編成や東武50050系ばかりであるという最高に憂鬱な状況が展開していたのですが、そんな悪夢を突き破るかのように8500系の一発目が8614Fでやって来て気分は一気にヒートアップ! 中央林間から折り返して来たシーン (1枚目) は、家々の屋根の北面に残った雪とからめながら、「伊豆のなつの《早春の伊豆》に雪」という、何とも季節感がメチャクチャ (笑) ながらも滅多に得られないシーンを撮影して大満足に浸ったのでした♪ (その後、先日記しました通りに長津田で昼食→恩田で7101F&伊賀目撃→秩父甲種。何という時系列メチャクチャぶり ^^;)
 09年の夏に重要部検査を受けた8614Fは、恐らくあと1年以内に全般検査の周期を迎えると思われ、果たして来年の今頃も同じように伊豆急帯を巻いているのか、いやそもそも全検を通過できるのか全く分かりませんので、ことによると雪との組み合わせはあと何回も見られるものではない可能性が高いでしょう。まさに一期一会を大切にしなければ……。
 ちなみに「早春の伊豆」は、本来「伊豆のなつ」として伊豆急帯を貼っている8614Fを用いて、子会社・伊豆急沿線の一足早い春観光をアピールするもので、伊豆観光をPRするステッカーがドアの脇に貼られておりますが、今年の注目は復活したばかりのクモハ103もPRの素材となっていることでしょうか。しかし、今年はとにかく「春は名のみの風の寒さ」ですので(本来は信州か何処かの風景を詠ったものらしいですが・・)、例えば熱海のような早咲きの梅の名所でも全然花が咲かず閑古鳥が続いたとか……(汗)。例年であれば2月中~下旬に繁華の極みを迎える河津桜輸送は一体どうなるのでしょうか?