~あらすじ~
葛飾のアパートの一室で発見された女性の死体。部屋の持ち主は名前以外は何もわからず行方不明、滋賀から上京してきた被害者も、旧友を訪ねた後になぜ素性もわからぬ男の家に上がり込み殺されたのか。
犯人と被害者をつなぐ手掛かりを探し求めるうち、事件のそこかしこに加賀恭一郎刑事の関係者が浮かび上がる。
はたして加賀の過去が事件の鍵を握っているのか?
2013年このミス10位、文春2位。
~感想~
近年の東野作品に多い、そのまま2時間ドラマか映画にできそうなプロットながら、そこは流石の東野圭吾。刑事が丹念に聞き込みをし、被疑者が独白するだけの400ページ弱を一気に読ませてしまう。
捜査の過程で現れる事実、一つ一つつながっていく証拠、中盤で暗礁に乗り上げるも、些細な気付きから全く違った側面を見せ始める事件の様相と、きわめて類型的な、ごくごくありふれた刑事物で、もちろん構図を一変させるどんでん返しや意外な真相、二組の親子の形を描いた、加賀恭一郎シリーズとしての見どころや進展もあるのだが、これだけ面白く見せられるのはひとえに作者の筆力による所が大きいだろう。
しかしこれは最上の褒め言葉だと前置きしておいてから言うが、毎年毎年この程度の東野作品をいちいちランクインさせていたら切りがないのではなかろうか。
してみると東野作品が何位にランクインするかで、その年のミステリ全体の質が測れるのではと思ってもみたり。
13.12.13
評価:★★★☆ 7
葛飾のアパートの一室で発見された女性の死体。部屋の持ち主は名前以外は何もわからず行方不明、滋賀から上京してきた被害者も、旧友を訪ねた後になぜ素性もわからぬ男の家に上がり込み殺されたのか。
犯人と被害者をつなぐ手掛かりを探し求めるうち、事件のそこかしこに加賀恭一郎刑事の関係者が浮かび上がる。
はたして加賀の過去が事件の鍵を握っているのか?
2013年このミス10位、文春2位。
~感想~
近年の東野作品に多い、そのまま2時間ドラマか映画にできそうなプロットながら、そこは流石の東野圭吾。刑事が丹念に聞き込みをし、被疑者が独白するだけの400ページ弱を一気に読ませてしまう。
捜査の過程で現れる事実、一つ一つつながっていく証拠、中盤で暗礁に乗り上げるも、些細な気付きから全く違った側面を見せ始める事件の様相と、きわめて類型的な、ごくごくありふれた刑事物で、もちろん構図を一変させるどんでん返しや意外な真相、二組の親子の形を描いた、加賀恭一郎シリーズとしての見どころや進展もあるのだが、これだけ面白く見せられるのはひとえに作者の筆力による所が大きいだろう。
しかしこれは最上の褒め言葉だと前置きしておいてから言うが、毎年毎年この程度の東野作品をいちいちランクインさせていたら切りがないのではなかろうか。
してみると東野作品が何位にランクインするかで、その年のミステリ全体の質が測れるのではと思ってもみたり。
13.12.13
評価:★★★☆ 7