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非ミステリ感想-『野﨑まど劇場』野﨑まど

2015年03月05日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「電撃文庫MAGAZINE」で好評連載中のユニークすぎる短編が文庫化。死体を探しに行く検死官、対局にペットを連れてくるプロ棋士、勇者を何とかしたい魔王、若頭、サンダーファルコン、ビームサーベル、ライオン、うげげげと喋る牛、電撃文庫の妖精等、変態的(?)な登場人物たちが繰り広げる抱腹絶倒の物語の数々。

※コピペ


~感想~
この将棋の記事 → 棋界に一石を投じる一手 を見て以来、気になっていたしいろいろと評判を漏れ聞いていたため何気なく読んだのだが、野﨑まどははてしない馬鹿だな!(満面の笑みで)
東川篤哉を例に上げるまでもなく小説で笑いを取ることは非常に困難である。だが野﨑まどはそれをやすやすとやってのけているし、この笑いは多くの読者に受け入れられるものだろうと思う。

私的ベストは書き下ろしの茶道家元と学者が淡々とすれ違い続ける「TP対称性の乱れ」で、他に何編か好みを挙げるとガンマンの決闘を文章で立体的に(?)描いた「Gunfight at the Deadman city」、変態しか登場しない「森のおんがく団」、アンジャッシュ的な仕掛けとビルバイン「土の声」、軽快すぎるボケとツッコミ「苛烈、ラーメン戦争」あたり。
また大胆にも4編も収録されたボツ原稿が意に反してどれも面白かった。
全編そろって驚くほど当たり外れの少ない高水準のバカ話ばかりであるが、長編ではミステリ的にもおいしい作品を書いているそうなので、いずれ手を出さなくては。


15.2.27
評価:★★★★ 8
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