~あらすじ~
9年前、想いを寄せていた同僚の女性刑事を殺され、5人の暴力団員を射殺し逃亡した神西明。
元上司に紹介された麻薬取締官の水月笙子は、新型麻薬スノウ・エンジェル撲滅の切り札として、過去を捨てた神西をおとり捜査に送り出す。
~感想~
「デビル・イン・ヘブン」の前日譚。近未来B級アクションだった前作から一転し、現代を舞台にしたこともあり地に足の着いたハードボイルドとなった。
話の筋は極めて単純で、また面白いほど順調に捜査が進むためリーダビリティは抜群。
ミステリらしいどんでん返しもあるものの、そういったトリックやサプライズも必要としないほどハードボイルドとしての質が高く、男性諸氏の厨二心を刺激してやまない要素目白押しな神西のカッコイイ活躍を堪能できる。
前作では作者自身の怨念すら感じさせるギャンブルへの憎悪が渦巻き「認知症ケアとしてパチンコが用いられている」というある種のほのぼのニュースまで「政府による国民殺人計画の一環」と一刀両断し、主にパチンコファンをドン引きさせてしまったが、本作で描かれた現代日本にはびこる麻薬とそのケタ外れの取引額は紛れもない事実であり、絵空事ではない恐ろしさがひしひしと迫るのも吉。
前作を読んでいなくとも、というかある事情から前作を読んでいない方がむしろ本作を楽しめ、読了後に前作を紐解けば連関する要素がいくつもあり、より双方を楽しめるだろう、地味めながらも良質の作品である。
17.11.21
評価:★★★ 6
9年前、想いを寄せていた同僚の女性刑事を殺され、5人の暴力団員を射殺し逃亡した神西明。
元上司に紹介された麻薬取締官の水月笙子は、新型麻薬スノウ・エンジェル撲滅の切り札として、過去を捨てた神西をおとり捜査に送り出す。
~感想~
「デビル・イン・ヘブン」の前日譚。近未来B級アクションだった前作から一転し、現代を舞台にしたこともあり地に足の着いたハードボイルドとなった。
話の筋は極めて単純で、また面白いほど順調に捜査が進むためリーダビリティは抜群。
ミステリらしいどんでん返しもあるものの、そういったトリックやサプライズも必要としないほどハードボイルドとしての質が高く、男性諸氏の厨二心を刺激してやまない要素目白押しな神西のカッコイイ活躍を堪能できる。
前作では作者自身の怨念すら感じさせるギャンブルへの憎悪が渦巻き「認知症ケアとしてパチンコが用いられている」というある種のほのぼのニュースまで「政府による国民殺人計画の一環」と一刀両断し、主にパチンコファンをドン引きさせてしまったが、本作で描かれた現代日本にはびこる麻薬とそのケタ外れの取引額は紛れもない事実であり、絵空事ではない恐ろしさがひしひしと迫るのも吉。
前作を読んでいなくとも、というかある事情から前作を読んでいない方がむしろ本作を楽しめ、読了後に前作を紐解けば連関する要素がいくつもあり、より双方を楽しめるだろう、地味めながらも良質の作品である。
17.11.21
評価:★★★ 6