~あらすじ~
伊賀ももと上野あおは中学からの親友にして、名探偵を目指すライバル同士。
刑事であるももの兄を通して警察からも信頼された桃青コンビが、周囲で起こる事件に挑む。
~感想~
もともとNHKの視聴者参加型の推理ドラマ「謎解きLIVE」用に書き下ろされた作品なのだが、「謎解きLIVE」の独立した人物設定の一部はおろか名前までをも流用し、それをシリーズ作品にした挙げ句、とあるぶっ飛んだ趣向まで仕込んでしまうのだから、大胆不敵というかもうむちゃくちゃである。いいぞもっとやれ。
キャピキャピした女子高生同士の会話はわりと寒い描写もあるのだが「NO推理、NO探偵?」の洗礼を受けた後だと微笑ましく感じられた。さすがに麻耶の口から「アナザーなら死んでた」が出たのには吹いた。つくづく思うが「N、N」はトリックは悪くないんだから、このくらいの描写に抑えとけば全然問題なく読めたのにな……。
これも余談だが舞台の伊賀市について妙に描写が細かいと思ったら、なんと麻耶の故郷で驚いた。そりゃ詳しいわけだ。
ドラマ用の「伊賀の里殺人事件」をはじめ、麻耶作品としてはトリックはおとなしめ。読者への挑戦状を配したフェアプレイに徹し、麻耶レベルの作家ならいくらでも書けるだろうオーソドックスな推理が楽しめる。
が、本命は三編目の「夏の合宿殺人事件」で明かされるとある趣向の方。麻耶はこれ好きだなあ、またこれかと思いつつも面白いのだからしょうがない。伏線の上手い作品をよく二度読み必須というが、全く別の意味で二度読み必須かつ、二周目のほうがより楽しめる趣向が新しい。つくづく変なことを考える作家である。
「化石少女」のように一作限りではなく、今後のシリーズ化もできる可能性が高く、もしそうなればとんでもない展開を見せることも期待でき、ぜひとも熱望したい。
18.4.16
評価:★★★☆ 7
伊賀ももと上野あおは中学からの親友にして、名探偵を目指すライバル同士。
刑事であるももの兄を通して警察からも信頼された桃青コンビが、周囲で起こる事件に挑む。
~感想~
もともとNHKの視聴者参加型の推理ドラマ「謎解きLIVE」用に書き下ろされた作品なのだが、「謎解きLIVE」の独立した人物設定の一部はおろか名前までをも流用し、それをシリーズ作品にした挙げ句、とあるぶっ飛んだ趣向まで仕込んでしまうのだから、大胆不敵というかもうむちゃくちゃである。いいぞもっとやれ。
キャピキャピした女子高生同士の会話はわりと寒い描写もあるのだが「NO推理、NO探偵?」の洗礼を受けた後だと微笑ましく感じられた。さすがに麻耶の口から「アナザーなら死んでた」が出たのには吹いた。つくづく思うが「N、N」はトリックは悪くないんだから、このくらいの描写に抑えとけば全然問題なく読めたのにな……。
これも余談だが舞台の伊賀市について妙に描写が細かいと思ったら、なんと麻耶の故郷で驚いた。そりゃ詳しいわけだ。
ドラマ用の「伊賀の里殺人事件」をはじめ、麻耶作品としてはトリックはおとなしめ。読者への挑戦状を配したフェアプレイに徹し、麻耶レベルの作家ならいくらでも書けるだろうオーソドックスな推理が楽しめる。
が、本命は三編目の「夏の合宿殺人事件」で明かされるとある趣向の方。麻耶はこれ好きだなあ、またこれかと思いつつも面白いのだからしょうがない。伏線の上手い作品をよく二度読み必須というが、全く別の意味で二度読み必須かつ、二周目のほうがより楽しめる趣向が新しい。つくづく変なことを考える作家である。
「化石少女」のように一作限りではなく、今後のシリーズ化もできる可能性が高く、もしそうなればとんでもない展開を見せることも期待でき、ぜひとも熱望したい。
18.4.16
評価:★★★☆ 7