東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

血と砂の条約

2019-06-27 08:16:15 | トランプ

 日米安保条約は血と砂の条約である。つまり日本防衛の為にアメリカの若い兵士は血を提供する。日本は基地を提供する。それは等価であるとの認識の下で条約は延長を重ねてきた。

 半テン狂で痴呆症の気味のあるトランプが一方的な片務協定であると言った、と報道されている。テレビのインタビューで言ったらしいからニュースはフェイクではなさそうだ。

 厳粛に認識すべきことは日本はこの70年間にわたって米軍基地への土地提供の犠牲を現実に、かつ忠実にはらってきた。普天間はその象徴の一つである。日本の負担は実質的つまり長期間にわたって実際に発生した犠牲である。

  アメリカは日本を守るためにこの70年間一滴、一ガロンのアメリカ兵士の血を流したか。否である。秤は日本側のほうが重く不公平である。

  アメリカ軍の基地は日本防衛のために使われたことはこの70年間一度もない。日本の米軍基地はアメリカのアジア政策と世界政策のためにのみ使用された。かっての朝鮮戦争やベトナム戦争の時には日本の基地は米軍の出撃基地として使用された。湾岸戦争、イラク戦争でも日本の基地はアメリカの死活的な後方兵站基地として使用された。アメリカがソ連との冷戦に勝利したのも在日米軍基地があったからである。

  血と砂の等価交換を否定し、アメリカの世界戦略をかってのモンロー主義に変換するなら日米安保を見直してもいいが、その 際にはこの70年間にわたる日本側の過重な負担を返済することが必要である。

  もし日本の基地が使えなかったらアメリカが朝鮮戦争で休戦に持ち込めたが疑問である。

  血と砂の換算率はフィクティシアスでもともと非常に人為的なものとなる。アメリカが見直そうというなら議論してもいいだろう。きちんと議論できる人が日本にいればだが。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。