イランのアフマドネジャド大統領が、中南米を訪問している。取っ掛かりには、すっかり仲良くなったウゴ、チャベス大統領のベネズエラである。思想的な共通点は何もないが、唯一強固に反アメリカである。実は、こうした連携のほうが、思想的な連帯よりはるかに強いことを歴史は語ってい る。
更に、アフマドネジャド氏は、エクアドルなどを訪れる。彼らの目的は、反アメリカの包囲網の形成である。
お膝元で、このような包囲網を作られて、アメリカはかなり焦っているようである。非同盟諸国のこのような動きに、地続きで冷戦時代を体験してきたEUなどのヨーロッパ各国の反応はきわめて鈍い。
アフリカ諸国に経済協力を通じて、強力な関係を構築しつつあり、きわめて強い影響力を持ち始めた中国の動きにも、アメリカは神経質になっている。ジンバブエのロバート、ムガベ大統領が、中国を訪問中である。
翻って、アメリカはというとソマリアの小さな田舎町をを数日に渡って空爆している。力の政策から、何が生まれるのかをアメリカはヴェトナムから学んだのではなかったのか?ヴェトナム兵役を、親の七光りで拒否したブッシュには、そうした学習能力がないのかもしれない。
イランとベネズエラが親密になる必然など、本来何処にもないのである。それを可能にしたのが、アメリカの力の政策である。