Atomic Scientists紙が終末時計を、2分縮めて5分前と発表した。従来は、主に核戦争の脅威や危機で、針を進めることが多かった。それでも5分前まで、進められたのは、過去4度しかない。今回何が針を進めさせたのであろうか。
今回は、核の脅威、気候変動、危険な科学技術の3点を挙げている。
核兵器は、過去の冷戦時期の米ソ対立の単純な図式から、01年のインド、パキスタンの競争的な開発。昨年の、北朝鮮の核実験やイランの核開発など、核拡散が更に広まり、破壊的なグループによる核テロも現実を帯びてきたと分析している。
気候変動は、繁栄の代償とはっきりと位置付けている。二酸化炭素放出による、温暖化 が地球を破滅的なものにしている。この速度は過去にないものである。
危険な科学技術とは、遺伝学と生物学の進歩がもたらした技術に警鐘を鳴らしている。人の健康維持に貢献する片方で、これらの技術は頭脳の昨日の操作、生殖機能のコントロールなど動物への技術開発が危険な状態にある。その他、生物兵器の開発に貢献するようになると警告している。
過去進められた終末時計が何度か戻されたのは、核戦争に対する脅威の回避という、いわば交渉などによって人為的な操作が可能であったことであったが、今回は特に残りの二つのどれを見ても、不可逆的であると思える。経済成長を止めることは最早できないし、科学技術の開発は止まることがない。