再び、不二家についてである。不二家が1日前に賞味期限を過ぎた牛乳を使ったことは、一般家庭であれば、ごく自然のことである。パックしてさえあれば、それほど痛むものではない。今月18日に遠まわしながらそのことを書いた。
ところが、報道によると不二家の、消費者を無視した隠蔽体質が明るみになり、食中毒事件まで隠していたことが分かった。パートのおばちゃんたちは、自分でもどうかと思うような汚れた製造現場の話までしていた。不二家の隠蔽体質は、代々継がれたお坊ちゃま経営者が良く陥る、危機感のなさではある。不二家は許されるべきではない。
しかしながら、このことを踏まえてもどこかおかしい。まるで何もかもが汚染されているような、不二家へのマスコミのバッシング、いじめである。廃棄される、お菓子などが先ずもって、もったいないと思う。牛乳製品のことしか詳しくないが、どれほどの工程を経て、何人の人々 に支えられて作られたか、牛がいかほど生命を削って生産されたかと思うと、もったいない「MOTTAINAI」と思うばかりである。
次に、それでは他の食品は安全なのか? お上からのお墨付きさえもらえれば、大手を振って市場に出される、添加物満タンの食品は安全なのか? 不二家の良心的に作られて、マスコミに叩かれて廃棄する食品よりも、これらは安全なのだろうか。
過去の例を紐解くまでないが、あまり多くなくても許可さえもらえれば市場に出回る添加物食品が、間断なく広範囲に多くの人たちに、長時間与えられる方がよっぽど危険である。
農産物にあっても、農薬や化学肥料それに遺伝子組み換え商品などの安全は、誰が担保してくれるのだろうか? 命を削りながら、穀物を多給されて高生産を強要され、半病状態で、短命に終わる家畜が生産する畜産物は、誰も規制してはいない。
ひと時の事件で、個別の商品を廃棄するなら一定の理屈はあるが、廃棄された会社全体の商品よりも、永続的に人間に与えられ続けられる添加物食品、農薬や化学肥料たっぷりや遺伝子組み換え農産物、半病状態の家畜が生産した安価な畜産物の方 がもっと危険なのである。