このところの、北朝鮮の動きがどうもおかしい。半世紀以上続く休戦協定を破棄したり、アメリカに対し核攻撃の先制する権利を得たなどと公表してみたり、あるいは中国に対して5回めの核実験まで考えていると通告したりしている。
これは、米韓の合同演習を口実にしているが、今始まった合同演習ではない。国内の問題を、核やミサイルの脅しで食糧や燃料を獲得してきた、お父上の手法とは異なるように見える。
金正恩は交渉の取引経験が浅い、というよりほとんどない。どうやら取り巻きが、うまく説得していないようである。国連安保理の制裁決議も、従前と異なるのは中国が拒否権の行使どころか、賛成に回ったのである。
金正恩は就任して一度も、中国を訪れていない。習近平も北朝鮮に対しての、支持コメントもなければ何の表明もない。
核実験とミサイル発射の成功で、アメリカが交渉のテーブルに着くと思ったがこれは切らかに失敗している。おまけに顔中にピアスを付けて、北朝鮮の国民に嫌悪感を与えたバスケット選手に、オバマに電話をくれと並はずれた外交音痴を披歴したりしている。
金正恩は明らかに、対韓日米の反応に対して誤った判断をしてしまった。どの国も
テーブルを用意しなかったし、食糧も燃料も貰えなかった。
中国では環球時報が社説で、北朝鮮との関係を断絶するとこであると主張している。こうした中国政府のアナウンスも、若き三代目は理解できなかった。余りにも若く経験がないからである。
国内的に飢餓が進行しているようであるが、それが強盛大国や核やミサイルの対価であり代償であると、国民が気が付く時が近づいているように思える。
現体制の崩壊は、中国と韓国にとって大きな経済的痛手となる。特に中国がそれをどの程度まで吸収できると踏んでいるかが、体制崩壊の時期を決定すると言っていいだろう。