今日どうやら、安倍首相がTPP参入を表明するようである。民主党の前原が、与党時代にアメリカとの事前交渉で、自動車の非関税障壁の撤廃やかんぽ生命保険の変更などを要求されていたことを明らかにした。
いまさら何を言うかであるが、前原も参入賛成派のはずである。が、暴露はしてみたものの、安倍にとってはカエルの面にションベンである。本ブログでも4日に紹介したように、TPPは企業のための条約である。下記のサイトを参考にしてください。
TPPは安倍が自らの政権・権力存続のためにアメリカに媚を売るための、極めて私的な意味合いで進められる、関税撤廃条約である。自民党の議員総会で、ゴーサインを出してこれからは既定の道を進むだけである。
安倍の私的な欲望と野心のための条約は、2月の日米共同宣言(でもないが)で明確になった。アメリカ側の文章には”聖域”などという文言は何一つとして存在しない。あるのは「結果は交渉で決められるものである」としかない。
あたかも交渉が好意的に行われて、各国の貿易商品とそれを相互に認め合うなどというようなことは、原則無関税システムの導入である以上存在しない。
既に9カ国で協議が重ねられて、7月ごろの会議を経て9月に締結するばかりになっている。協議の時間も姿勢も存在しない。交渉内容は極秘扱いである。誰も知らない。オバマも知らない。
その核になっている考え方は、企業のための流通を優先する思想である。現在判明している、ISD条項とは、企業が他国を訴えることができるというものである。
貿易障壁によって、企業が被害をこうむった場合には、企業側からみて不当な理由により、損害を被ったと訴えることができるのである。例えば、国土の狭い日本には軽自動車のような、ちょっと安く登録できる便利な制度があり、国民は恩恵にあずかっている。
しかし、そんな制度のないアメリカ企業からすると、貿易障壁であると訴えることができるのである。こうした制度のために、企業が被害をこうむったと訴えるのである。訴えるのは訴訟ではなく、世界銀行の調停を受けるのであるが、世界銀行が日本側に配慮することがあるわけない。結果として、国内法をも超えてTPP条約は歩きはじめるのである。主権はどこにあるかわからない。
安倍は言わずと知れた、国粋主義者であり憲法9条の破棄と自衛軍の設置のために、集団的自衛権を幅広く認めようとしている。アメリカは、全く身勝手な国である。現在経済的に深く中国とかかわっている。安倍の言うようになると、中国との関係が明らかに悪化する。9条の破棄と自衛軍の設置は中国を刺激し、北朝鮮に口実を与えることになる。そのためアメリカは、そうした安倍の言動を嫌っているのである。
安倍は、自らの政権維持のために、アメリカに媚を売らなければならず、TPPはどんなことがあっても推進するしかないのである。アメリカ側にどんな条件を突きつけられようとも、安倍は自らの権力基盤のため、なりふり構わずTPP参入をするのである。サルにはわからない権力欲である。
それにしても、食糧自給率を上げる話はどこに行ったのであろうか?