そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

消えた年金の幕引きへ

2013-03-29 | 政治と金

消えた年金問題が明らかになったのは、前安倍政権の時である。民主党の長妻議員追及に、安倍首相は「国民を惑わすようなことを言うな」と回答している。その後の、参議院選挙では、「最後の一人までお支払いします」と、根拠のない演説を繰り返し敗北した。

その後、お腹が痛くなって政権を投げ出し、毎年秋になると恒例の自民党の首相交代が延々と切り返され、政権交代後の民主党政権も酷似した国民不在の交代劇を行ってきた。

安倍晋三にとって、消えた年金問題は大きな汚点である。今回の政権復帰に伴って、安倍政権は民主党が行ってきた、消えた年金問題の幕引きをやろうとしている。

今月5日に、田村厚労大臣は、民主党政権下の「年金記録回復委員会」を廃止して、磯村元史函館大学准教授を委員長とする「年金記録問題に関する特別委員会」を招集すると発表した。初回の会議も行われている。

消えた年金問題は、ほんとの数少ない民主党政権下で、一定の成果を見たものであるといえる。消えた年金問題は、5095万件確認されたが、1689万件が判明し、1206万件の死亡が確認されている。残り約2000万件が未解決である。60%の解決は、当初の混乱ぶりからすると上々であろう。

消えた年金問題は、自らの前政権担当から引きずる、安倍首相の汚点・汚物のようなものである。今回の田村厚労相の会見の扱いも小さく、ほとんどの新聞が報道すらしていない。

新たな委員会の目的は、消えた年金に対する対応と、再発防止策を2013年度中に提出することとしている。果たしてこの委員会が、問題をえぐり出した検証報告をするか疑問である。

口が裂けても、「民主党がよくやってくれた」とは言わないであろうが、安倍自民党政権はまんまと、民主党が行ってきたことで幕引きを図るのである。まるで何もなかったように。

コメント (7)
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