習近平中国国家主席が、就任後初の訪問国としてロシアを選んだ。この意味は小さくはない。中国は戦闘機20機以上を購入し、潜水艦も3隻購入した。戦闘機をこれまで中国は、せいぜい2機購入する程度だった。それを複製することで各国に嫌われていたが、お金ができた現在太っ腹に購入したのである。
潜水艦は、東シナ海の海軍の戦力強化のためである。日本やフィリッピンに対する威嚇でもある。先ごろリメイクした航空母艦も、ウクライナの中古品であった。
双方の国の国営企業など、35の企業が合意文書に署名した。中国は天然ガスの購入を約束している。中露は「戦略的パートナーシップ」関係で「革新的利益に抵触する諸問題で、双方を断固支持する」と、共同声明を発表した。
これは一つには、戦勝国が敗戦国の利益になる行為を容認しないとする、領土問題に絡み両国に関係する日本を強く意識したものである。また、アメリカの「一極支配」を強くけん制するものであると言える。
中露の接近でシリア情勢が一段と悪化するかもしれない。今や後がなくなった、アサドをロシアが支援しているからである。更に中国がこれを補完している。シリア情勢は混迷の一途をたどり長期化する。両国の接近が儀礼的との見方もなくはないが、ここまで強くなれば良好関係と言えるであろう。
習近平はその後、アフリカのタンザニア訪問し、南アフリカでのBRICSの会談に向かった。タンザニアでは、抜け目なく領土問題での中国支持をひき出している。
抜け目ない中国の外交は着々と進んでいる。暴力的であるが経済的なつながりも関連させて、極めて戦略的であると言える。